会沢 治朗 院長の独自取材記事
あいざわキッズクリニック
(鎌ケ谷市/初富駅)
最終更新日:2026/06/12
初富駅から徒歩約5分、新鎌ヶ谷駅からも徒歩約8分、薬局や飲食店が立ち並ぶ幹線道路沿いに「あいざわキッズクリニック」はある。会沢治朗院長の「子どもたちに恐怖心を与えないように」という心遣いの表れから、院内は明るい雰囲気。駐車場は広々としており、待合室や診療室へはベビーカーのまま移動できるなど、親への配慮も行き届いている。会沢院長は千葉県内の病院に長年勤め、現在も千葉大学医学部臨床教授を務める小児感染症の専門家。診療に際しては、これまで積み重ねてきたさまざまな経験を生かし、症状の見極めや薬の処法などを的確に行えるよう、診察では問診に力を入れているそうだ。「ホームドクターだと思って気軽に受診してほしい」と話す会沢院長に、一次診療としてのクリニックの役割などについて話を聞いた。
(取材日2025年12月29日)
少しでも不安を取り除くために問診を重視
なぜこの地域で開業されたのでしょうか?

この場所を選んだのは、人口が増加傾向で小さいお子さんが多く住む地域でありながら、小児科の医院の数が少ないと知って、「子育て世代の方々を少しでも手助けできれば」と思ったからです。当院に来院されるのは主に就学前の乳幼児から小学生ですが、小児科は基本的に中学生までが診療対象ですので、中学生の患者さんも気軽に来ていただけたらと思います。主訴としては発熱、咳、下痢などで、圧倒的に感染症が多いですね。風邪も感染症の一つですから。最近はアレルギーも多いです。患者さんは鎌ケ谷市内だけでなく、松戸、船橋、柏、白井などからも来院されています。また当院は入り口から診察室まで双子用ベビーカーも通れるような動線を確保しておりますので、ぜひ遠慮なさらずベビーカーのままご入室ください。
通いやすさに配慮し、予約システムの導入や定期通院外来の開設をされたそうですね。
当院では順番予約、時間予約の二つを導入しています。順番予約の場合は、診療の進み具合をご自身の携帯で確認いただけますので、順番が近づいてから院内にお越しいただけます。学校やお仕事の都合で決まった時間でないと受診が難しい方は、時間予約もご検討ください。ご予約いただいたら、5分程度で入力できるウェブ問診をご入力いただけるようになっております。当院では以前より患者さんの訴えを傾聴する問診を重視しておりましたが、チャット形式のウェブ問診を導入することで、患者さんは事前に余裕を持って訴えや気になる点を伝えることができますし、待ち時間の短縮にもつながります。もちろんウェブ問診のみというわけではなく、必要がある場合にはさらにスタッフや私が問診を加え掘り下げたりもします。また第2・第4金曜日の午後は気管支喘息、便秘症、皮膚症状等で毎月定期的に診察・処方を受けている方を対象に定期通院外来を行っています。
治療方針を教えてください。

お子さんに多い風邪や急性下痢症は、ほとんどの原因がウイルス感染です。ウイルス感染の治療には抗生剤を使わず、症状を和らげるための薬を用い、自然免疫によって治るのを待つのが基本。中には風邪でごく早期から抗生剤処方を希望される方もおられますが、当院ではいきなり抗生剤を使うことはしません。必要がないのに抗生剤を乱用すると、耐性菌が生じることになります。すると症状が治まった後でも耐性菌が保菌状態で体に残ることがあり、次に耐性菌が悪さを始めた時に、治療が難しくなってしまうことにもつながりかねないからです。ただ、症状が長引いた場合は、細菌感染が加わることもありますので、そのときは抗生剤の投与も考えます。その見極めは注意しながら進めています。
小児感染症の専門家ならではの一次診療
小児感染症をご専門とされるようになったのはなぜですか?

大学卒業後、千葉大学小児科に入局していろいろな病院で経験を積む中、医師2年目に勤務した病院で重症感染症を担当したことがきっかけです。細菌性髄膜炎という、最悪の場合は死亡や神経学的な後遺症のリスクも高い病気の患者さんがいらしたのですが、その方が何とか病気を乗り越えられるようお手伝いをしたことが、私の中でかなりエポックな出来事でした。その後、大学で髄膜炎の研究もしました。諸先生方の努力の結果、最近はワクチンの導入も進み髄膜炎にかかる人が減っているのはたいへん喜ばしいことです。
開業の理由をお聞かせください。
開業を考えたのは、入院を引き受ける側の病院で勤務し、入院する子の保護者の方と話をする中で「ここに気をつけていれば重症化させずに済んだかもしれない」と思った体験からです。ですから医療の最初の窓口という役割を持つ一次診療の現場では、少しでも保護者の方に対して注意喚起をしてあげられたらと思いますし、軽症の方が多い中でも重症例を見逃さないことが大事だと思っています。
検査機器も充実していますね。エックス線撮影装置も導入している小児科は少ないと思います。

開業医として、必要な機器は可能な限りそろえたつもりです。弱視の危険因子である斜視や屈折異常を数秒で調べられる、レフラクトメーターも導入しました。当院では10ヵ月検診の際に視覚スクリーニング検査を行い、早期の発見と治療介入につなげています。10ヵ月検診以外でも希望があれば検査可能です。またコロナ禍で使用を中止していたレントゲン検査も再開しました。検査をしてさらに精密な検査が必要な場合は、ためらわず病院を紹介しています。とはいえ、これはあくまで入院や精査が必要そうな場合であり、微妙なときは、患者さんの希望も伺った上で判断しています。
ゆっくりでいいから前に進んでいきたい
院内には感染隔離室もあるのですね。

例えばインフルエンザや水ぼうそう、麻疹などが疑わしいお子さんは、感染隔離室で診察を行います。また生後間もない乳児の場合は、感染症がはやっている時期でなくても、別に待合室を一室つくって逆隔離しています。やはり発熱している小学生と同じ部屋だとリスクがありますし、3ヵ月未満の乳児が発熱すると、それだけで入院の適応になってしまうので気をつけています。加えて、新型コロナウイルス感染症については、5類になった現在でも対応を緩めていません。待合室は混まないように予約の調整をするなどの細心の注意を払い、発熱の外来とは入り口を分けています。
そもそも、なぜ医師になろうと思われたのですか?
幼少時に家族が病気で他界したことが大きいです。当時は小さかったので詳細は知らされませんでしたが、成長するにつれ、病気に対して何かできることはないかと、自然に医療の道を選びました。小児科を選んだのは、成人の病気は、どうしてもそれ以前に患った病気や年齢などで、ある程度のところで折り合いをつけざるを得ないことが多いのに比べ、子どもの場合は後遺症なく完治する可能性が高いからです。
趣味などありましたら教えてください。

将棋が40年以上続く趣味で、良いリセットの時間になっています。最近は人となかなか時間が合わないので、インターネットで対戦中心ですが……。学生時代は水泳部だったので、以前はプールに通っていましたが、最近は子どもと過ごす時間を大切にしたくて減りました。実は、当院のあちこちに描かれている4匹の亀は、私の4人の家族をイメージしているんですよ。のんびりとゆっくりで良いから、前に進んでいこうという想いを亀に込めています。それから、患者さんに対する「焦らずに着実に良くなっていこう」というメッセージも込めました。また行くかどうかは別として旅行誌を読むのも楽しみの一つです。
ご開院されてちょうど今年が10周年でしたね。
今年で当院は10周年を迎え、スタッフにもサプライズでお祝いしてもらいました。ここ最近ではクリニックの公式SNSを開設し、予防接種情報や医療制度の新情報、流行疾患等、皆さまに有用な情報を発信しています。SNSは着信通知があり、重要なお知らせも見逃しにくいと思いますので、かかりつけで通われている方はもちろん、そうでない方もぜひご登録ください。私たちは地域のお子さんを継続して見守れるクリニックをめざしてきました。初めての子育てで戸惑う保護者の方にも安心していただけるサポートを届けたいと考えています。子どもは症状を自分で訴えられず、成人より進行が早いため、早めの受診を心がけましょう。症状の出方やサインも成人とは違いますし、小児の場合は薬の量も一律大人の半分というわけではありませんから、受診は他科より小児科がお勧めです。当院ではわかりやすい説明を心がけ、ご家族が納得できる医療を提供します。

