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船橋 健二郎 院長の独自取材記事

ももたろう腎・泌尿器科クリニック

(蕨市/蕨駅)

最終更新日:2020/04/14

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「ももたろう腎・泌尿器科クリニック」は、2016年10月17日に開院したばかりの地域で数少ない泌尿器科のクリニック。患者がはつらつとした毎日を過ごせるように、という願いを込めて患者を「桃太郎」に、それをサポートするスタッフを「お供」に例えてクリニック名をつけたという。外科内科ともに豊富な経験を持つ船橋健二郎院長だが、「医者っぽく構えたくない」と語るように、とても気さくな人柄だ。医師の道を歩む上で大きな影響を与えた母について、時折涙をにじませて話す姿に、船橋院長の温かさを強く感じた。診療では、患者がかしこまることのないよう真っ白でなく、スポーティーな白衣を着用。今回、船橋院長に患者に対する思い、また開院したばかりのクリニックについてたっぷりと話を聞いた。
(取材日2016年11月22日)

悩みを抱える家庭に光をともすべく、医師の道を決意

医師をめざしたきっかけは何ですか?

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僕が物心ついた頃から、母は難治性の呼吸器疾患を患っていました。母の体調が悪ければ家の雰囲気は暗くなり、また逆も然りで、家の中に病人がいると、その人中心に家庭の動かされる部分が大きくあります。そこで、僕と同じようにご家族について悩みを抱えている家庭に少しでも光をともせるようお手伝いをしたいと思い、医師をめざすようになりました。

泌尿器科を専門に選ばれた理由はありますか?

大学の先輩の影響が大きいです。僕は手術を手がけたいと思っていて、その中でどの診療科がいいか考えていた時に、当時お世話になっていた泌尿器科の先輩に、泌尿器科は外科だけど内科の知識も必要とすることを教わりました。外科と内科の垣根を越えて診療できること、そして泌尿器科では、検査、病気の発見、治療、手術と、一つの診療科で最初から最後まで責任を持って患者さんを診られるところに惹かれ、泌尿器科を専門に選びました。ですから、泌尿器科には外科と内科双方に精通している優秀な先生が多くいらっしゃいますね。

開院までの経緯を教えてください。

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泌尿器科の専門医師が常勤で在籍し、なおかつ手術を行う機関病院はこの地域に2軒しかないのもあり、以前、川口市内で診療をしていた頃、泌尿器科の利便性の改善について多くのご要望をいただきました。そして僕自身、50歳という節目の年を迎えるにあたって、この先医療者として何が自分にできるかを考えた時に、連日病院にいらっしゃる多くの患者さんの顔が一番に頭に浮かびました。手術によって患者さんを救うこともとてもやりがいのある仕事でしたが、これからは医院に構えて患者さんの来院を待つのでなく、僕のほうから患者さんに寄り添って、もっと身近に感じてもらえる医療を行いたい、と思うようになったんです。そこで、地域の医師として、患者さんの病気を未然に防ぐ医療を提供しようと、開院を決意しました。

生活習慣から見直し、改善を図る夜間頻尿

どのような症状での来院が多いですか?

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夜間頻尿ですね。夜間頻尿は、原因が膀胱自体にある場合よりも、血圧、糖尿病、生活習慣など複雑に絡んでいることがほとんどで、原因解明の困難なところに治療の難しさがあります。そこで診療ではまず、夕飯、お風呂、就寝時間といった患者さんの生活スタイルを詳しく聞き出します。例えばご飯を食べてから寝るまでの時間が短いと、睡眠中に尿意を感じやすくなるので生活習慣の見直しを促したり、血圧の高い人にはそのコントロール。足のむくみやすい人には足を上げてから寝るようにアドバイスをしたり、時には専用のストッキングの着用をお勧めするなど、患者さんに合わせて指導を行っています。なぜお薬の処方だけでは不十分かといえば、患者さんには治療の結果を出してあげることが必要で、そのためには原因をきちんと究明することが大事だからです。人によってトイレに行く頻度は異なりますが、ご自分で気になるようでしたら一度来院ください。

また、院内にて健康セミナーを開催されているそうですね。

内覧会を行った際にセミナーを開催したところ、非常に好評をいただいたので、現在も続けています。もともとは、以前病院に勤めていた頃に診ていた患者さんに町内会の方がいらして、その方から地域住民に向けて健康に関する話をしてほしいと依頼を受けたのがきっかけです。しばらくそれを続けていたのも、地域の皆さんに喜んでいただいたことはもちろん、僕自身も町内会を通して皆さんと仲良くさせていただけたことがとてもうれしかったんですよね。病院の医師のイメージからすると、そうした催しに出向くことが珍しく思われるかもしれませんが、僕には、「医者っぽく構えたくない」という思いがあります。クリニックを出たら僕は同世代の男性と何ら変わりはないですし、むしろそうでありたいと思っています。「えっ、あの人医者だったの?」って思われるくらい、患者さんに親しみを持たれる存在でいたいですね。

患者さんと接する上で、心がけていることはありますか?

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研修医の時に上司に最初に言われたのが、僕の前に来る患者さんは僕より年上で、つまり僕より人生経験が豊富なのだから、その方たちから教えてもらう気持ちで接しなさい、ということでした。以来、僕は目上の方を人生の先輩だと思って接しています。実際に診療をしていると、「先生疲れてない? 大丈夫?」など、患者さんのほうから温かい言葉をかけていただくことも多く、その度に年上の方の相手を見る目や思う気持ちってすごいなって感心させられますね。

患者の意思をサポートする医療を届けたい

患者さんへの温かい思いが伝わってきますが、現在の診療スタイルに影響を及ぼした出来事はありますか?

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やはり母の存在が大きいですね。母は、6年の間に30回ほどの入退院を繰り返していました。思うように体を動かせないにも関わらず、自分のことは人の手を借りずに自分でやりたがる性格だったので、何をするにしてもとても時間がかかりました。けれど、担当の男性看護師はその母の思いを尊重して、いくら時間がかかってもじっと母を待ってあげるんですよね。多忙なはずの看護師が、母のために時間を割いてくれているその姿を目にした時、同じ医療者としてものすごくハッとさせられました。やがて母は亡くなったのですが、霊安室から出棺のお見送りの際に、その日休みの看護師も含め、これまで携わったスタッフの方たち皆来てくださったんです。母にとって病院は自分の生活圏であり、また病院の方たちも母に家族のように接してくださっていたことを改めて感じました。その時胸に感じたことは忘れませんし、今の僕の仕事のスタンスに大きく影響を与えています。

クリニックの今後の展望をお聞かせください。

泌尿器科とは行きづらいところではなく、内科にも外科にも精通している診療科であり、当院については、風邪、生活習慣病、インフルエンザの予防接種といった内科診療を行う他、プライマリーメディカルといって、患者さんのお悩みについて最初に相談できる窓口としてもご利用いただけますので、お困りのことがあれば気軽に足を運んでいただければと思います。今後は外科の医師としての経験も生かし、当院でも可能な手術については行えるよう、環境を整えていきたいと考えています。

最後に、来院される患者さんへメッセージをお願いします。

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治療とは、患者さん本位で行われるべきです。つまり、例えばお悩みの症状が問題のあるものなのかどうかを知って安心したいだけなのか、あるいは生活上問題がなくても気になるから治療をしたいのか、患者さんがご自分の意思を持って医療機関にかかることが大切なんです。ですから患者さんには、名医に診てもらえば大丈夫、という受け身ではなく、医療機関を利用する気持ちをもっとお持ちいただいて構わないと思いますね。そのためにわれわれも、何を求めて患者さんが来院されているかをくみ取り、その患者さんの意思をサポートできる医療を届けたいという思いで、スタッフ一同、取り組んでいます。それは、患者さんの気持ちに寄り添って診療したい、という僕が開院の決意に至った思いであり、今も変わらずに抱いている思いです。そして、当院と関わった患者さんには気持ちの良い思いをしてお帰りいただきたいですし、そのお姿こそが僕にとっての一番の幸せです。

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