木村 秀生 院長の独自取材記事
きむら内科外科クリニック
(川口市/西川口駅)
最終更新日:2025/01/21

西川口駅から徒歩6分、産業道路近くの広い道路に面した「きむら内科外科クリニック」は電車でも自動車でもアクセスが良く、明るい雰囲気のクリニックだ。20年以上この地域に住む木村院長は、内科と外科にまたがる幅広い診療分野に加えて、血管外科医として下肢静脈瘤や足のむくみの治療を得意とし、消化器や乳腺・甲状腺の診療も積極的に行っている。このような専門的な治療を求めて、県内外からも多くの患者が訪れるという。最近は、特に女性のQOL向上をめざしてレーザーによるしみの除去にも力を入れている。患者のことを第一に考えて診療に当たる木村院長に詳しく話を聞いた。
(取材日2024年9月12日)
かかりつけ医として幅広い診療に対応するクリニック
開業されたのには、何かきっかけがあったのですか?

私は長い間、大学病院で血管外科を専門にしていました。大学病院では自分の専門以外の病気についてはすべて他科の先生にお任せするというスタイルでした。しかし、地域の病院に移ってからは医師と患者さんとの距離が縮まったせいか、内科と外科の区別なく、患者さんが抱えるいくつもの病気をまとめて一人の医師が診療することが求められました。お話を聞いていると病気だけでなく、家庭や仕事の問題が出てくることがあり、正しく治療するためにはその患者さんの背景まで理解することが必要になります。大きな病院のように臓器別の診療ではなく、一人の人間を丸ごと診る診療をしたいという気持ちが次第に強くなりました。この思いを実現するには地域密着の開業医が最も適していると考えて、自宅からも通いやすいこの場所にクリニックを構えました。
こちらのクリニックの特徴を教えてください。
当院には内科と外科をはじめ、血管外科、乳腺・甲状腺外科、消化器内科とたくさんの診療科があるため、「先生は何人もいるのですか」と聞かれることがありますが、実はたった一人です(笑)。もともと私の専門は血管外科でしたが、地域の病院で胃、大腸、乳腺・甲状腺などの手術や抗がん剤治療、内視鏡検査を行うと同時に、内科系疾患も多く診療してきました。当院は皆さまのかかりつけ医として、内科と外科全般の診療を行うとともに、高血圧や高脂血症、糖尿病など生活習慣病の患者さんには治療と同時に生活指導を行っています。専門的治療として、下肢静脈瘤や足のむくみの治療、乳腺・甲状腺の診療、内視鏡によるがんの早期発見にも努めています。かかりつけ医として内科の慢性疾患はもちろん、急な病気やけがにも対応できると同時に、血管や乳腺、消化器など専門的な診療も同時に受けられることが当院の特徴ではないかと思います。
生活習慣病をはじめ内科の診療についてお聞かせください。

当院はかかりつけ医として、患者さんの生活習慣や家族構成も踏まえて診療し、内科では風邪や肺炎、腹痛といった急性疾患から高血圧、糖尿病、高脂血症、気管支喘息などの慢性疾患まで幅広く対応しています。いくつもの医療機関に通っている方の中には似た作用の薬が重なっていたり、あまり有効ではない薬が長期間処方されたりしていることがあり、特に高齢者はそのせいで体調を崩している場合が少なくありません。当院ではそのような薬を患者さんと相談しながら減らしていきます。生活習慣病に対しては単に薬を処方するだけでなく、資料などを使って、食生活や運動習慣の改善を促すよう心がけています。即日に結果が出る血液検査や超音波検査を利用して、迅速で正確な診断ができるように努めています。
血管外科や乳腺・甲状腺外科など専門的な診療を提供
血管外科ではどのような診療を行うのですか?

下肢静脈瘤と足のむくみの診療に力を入れています。下肢静脈瘤に対しては日帰りのレーザー手術や瞬間接着剤を用いたグルー治療、静脈瘤を固めるための硬化療法など症状に合わせた先進の治療を行っています。足のむくみの原因は心臓・肝臓・腎臓など内臓の機能低下といった内科系の病気と下肢静脈瘤・リンパ浮腫といった血管・リンパ管の病気、薬の副作用、肥満など多岐にわたるため、何科を受診したら良いか迷っている方を多く見かけます。内科の視点と血管外科の専門性を兼ね備えた診療を行うことにより、多く方の足のむくみを解決してきましたので、困っている方はぜひご相談ください。
消化器内科ではどのような検査を行っていますか?
検査の主役は内視鏡(胃カメラ)と超音波検査です。鼻から入る細い内視鏡を用いたり、眠っている間に内視鏡を行うなど患者さんの苦痛に配慮して検査を行います。内視鏡検査ではレーザー光を使うことにより、従来より胃がんや食道がんを早期発見できるようになりました。腹部の超音波検査と迅速な血液検査により、急性胆のう炎や虫垂炎など緊急の治療を要する病気を迅速に診断することが可能です。
乳腺や甲状腺など女性に多い病気にも対応されるとお聞きしました。

乳房の痛みや違和感を感じて不安になる方は多いと思いますが、その大部分はストレスなどによる女性ホルモンのバランス異常が原因です。心配な方は早めに当院を受診して安心していただきたいと思います。特に、若い女性に多い高濃度乳房においても当院では超音波検査で適切に診断し、必要に応じて乳腺の組織を採取する精密検査を行っています。甲状腺腫瘍に対して、乳腺と同様に超音波および組織検査を行うとともに、バセドウ病や橋本病といった甲状腺機能異常に対する治療も行っています。
患者の生活背景まで考慮した診療と健康管理をめざす
医師をめざされたきっかけは何でしたか?

母が病気で亡くなったことが大きな契機でした。私が大学受験の頃、母はすでに体調を崩していたのですが、父は私に心配させまいと母の病名を黙っていました。現役で東京大学理科I類に合格しましたが、母の病状を聞いた後、改めて医師の道をめざそうと思い、翌年に医学系である東京大学理科III類を受験、合格しました。ただ、残念ながら母は私の医学部合格を知る前に亡くなりました。血管外科を専門にした理由は、大動脈瘤破裂など救命に一刻を争うような症例に役に立つ技術を身につけたかったからです。私が留学した米国の大学の研究室は医学に対しての功績がさまざまあり、大変充実した2年間を過ごしました。しかし、自分は研究より手術の方が合っていると感じ、帰国後は外科医を続けました。
診察の際に心がけていることはありますか?
当院を受診された患者さんが誰一人として不利益を被らないよう最大の努力と注意を払って診察をすることです。医療機関に助けを求めて来た患者さんの診断や治療が遅れて重症化することは絶対に避けなければなりません。そのため、当院では丁寧な診察と迅速な検査を行い、適切な治療へとつなげます。痛みや苦しさを訴える患者さんに対してはなるべく早くその苦痛を取り除く努力を行います。当院で手に負えない場合は、速やかに他院へ紹介いたします。このような対応から診察に時間がかかる方が多く、外傷などの緊急処置が必要な方もいらっしゃるため、当院では一般の患者さんにはお待たせすることが多いと思います。ウェブ予約や電話での事前診察を行うなど待ち時間の短縮に努めていますので、ご理解をいただけるとうれしいです。
美容皮膚科の治療にも取り組んでいらっしゃるそうですね。

健康な方がさらなる向上をめざして何かできないかと思い、2023年、美容皮膚科用のレーザーを導入しました。当院が導入したピコレーザー機器は従来のレーザー機器と比べて、小さなダメージでお顔のしみのケアが可能です。私自身も体験しましたが、これによりしみの除去を図り肌質の改善にもつなげられれば、気持ちが前向きになり、健康面でもプラスになると考えています。最近は女性だけでなく、男性の方の施術も増えてきました。美容皮膚科は少し不安という方も、診察や健康診断で普段から受診している当院なら足を運びやすいのではないでしょうか。
最後に、患者さんへのメッセージをお願いいたします。
40歳以上になれば、誰でも生活習慣病や癌などの深刻な病気が隠れている可能性がありますので、毎年、健康診断を受けてください。当院では定期的に通院している方全員に健診結果を持参してもらい、患者さんと相談しながら健康管理に努めています。体調が悪い方、検査結果に異常があった方、皮膚のしみでお悩みの方、どなたでもお気軽に当院へご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは細径内視鏡(胃カメラ)/(鎮静剤不使用)1万3200円、(鎮静剤使用)1万5400円、超音波検査/3850円~6050円、ピコレーザーを用いたしみのケア(スポット照射)/径1mmあたり990円