川添 正裕 院長の独自取材記事
かわぞえ歯科クリニック
(北名古屋市/徳重・名古屋芸大駅)
最終更新日:2025/04/01

「笑顔でお帰りいただけるような診療を心がけています」と物静かな中にも熱意を込めた口調で語るのは、2016年のオープン以来、地域住民の歯の健康を支えている「かわぞえ歯科クリニック」の院長を務める川添正裕先生。オレンジ色の看板とモダンな外観が目を引くクリニックは、名古屋鉄道犬山線の徳重・名古屋芸大駅から2分ほど歩いた住宅街の一角にあり、一般歯科・小児歯科から顎関節症をはじめとする口腔外科まで、幅広い診療を行っている。近隣住民のかかりつけクリニックとして信頼されている同院を率いる川添院長に、開業までの経緯から診療の特徴、地域住民への思いなどについて話を聞いた。
(取材日2025年3月14日)
「地域に貢献したい」という想いを胸に開業
まず歯科医師になったきっかけを教えてください。

実家がこの場所のすぐ近くで、歯科技工士をしている父が技工所を経営していたんです。ですから小さい頃から歯科にはなじみがあり、自分自身は技工よりも人を相手にするような仕事をしたいと思っていたことから、歯科医師になる道を選びました。大学では保存科で、根管治療を専門的に勉強しました。根の治療はなかなか難しいところがあって、外から見ただけでは状態がわかりにくく、後から症状が出る場合も何年後に出るのか何十年後なのかという判断がしにくいんです。そのため、治療にあたっては手を抜かずに、しっかり治療しておかなければいけないという特徴があります。難しい面もありますが、しっかり勉強させてもらいました。
歯科医師になられてから開業までの経緯をお聞かせください。
大学病院に1年いた後、父の知り合いの歯科医院で3年間ほど勤務医として働きました。そこの先生が口腔外科も手がけていて、中でも顎関節症を得意としていたんです。自分が開業するにあたっても、口腔外科を含む幅広い診療ができるようになりたいと思っていたので、そこでの経験は役に立ちました。その後もいくつかの歯科医院に勤務し、さまざまなことを勉強しました。歯科医師によってそれぞれ考え方や診療方法があることも学びました。そういった経験を重ねた上で「地域のために貢献したい」という想いが強くなり、この地で開業したのです。現在は北名古屋市から各種検診や、保育園の園医、訪問診療を委託していただいており、ここでの診察以外でも地域の皆さんの歯の健康をサポートさせてもらっています。
院内の雰囲気はスタイリッシュで、建物の設計などもこだわりを感じます。

自分のアイデアをラフに描いて、信頼できる建築士さんに頼んで造ってもらいました。こだわったポイントは、すべての世代の方に安心して来ていただけるように土足で入れるようにしたのと、バリアフリーで車いすやベビーカーでもそのまま入れるようにしたこと。また、診療スペースは明るく開放的な雰囲気になるように窓を大きくして、圧迫感がないように天井は高めに、床はすべったりしないようにカーペット敷きに。診療スペースにある真っ赤な収納カウンターは、システムキッチンをイメージして選びました。白色ばかりだといかにも病院っぽい冷たい雰囲気になってしまうので、それは避けたかったんです。診療台のパーティションに木材を使用したのも、そういった理由からです。患者さんが落ち着いた雰囲気の中でリラックスして治療を受けられるように、内装を暖色系で統一して、居心地の良い空間になるように工夫しました。
院内の空間も、診察時間も、ゆとりのあるクリニックに
医療設備に関してこだわったところは?

エックス線装置は、顎関節だけのパノラマ写真が撮れるタイプを選んでいます。また、ヨーロッパ基準であるクラスB規格の滅菌器や、器具の細部の汚れまで徹底的に除去できる超音波洗浄機、治療中に空中に飛び散った粉じんを素早く吸い取る口腔外バキュームなどを導入することで、衛生環境も徹底しています。また、院内に技工室があることも特徴の一つです。最近では院内に技工室がある歯科医院は少なくなってきているようですが、外注するよりも短い期間で作ることができるのが強みですね。入れ歯の修理など、私自身が技工室で作業をすることで即日対応できる場合もあります。
患者さんはどういった方が多いのでしょうか。
やはり近隣の方が多いですね。赤ちゃんから高齢の方まで、幅広い年齢層の方がいらっしゃいます。メンテナンスのために継続して通院されている方も増えてきています。虫歯や歯周病、定期的なメンテナンスまで幅広い症状に対応しているため、「地域の皆さんのかかりつけ歯科」としてお役に立てている実感があり、うれしく思います。さらに顎関節症の治療に関しては、少し遠方からもいらっしゃっています。顎関節症の治療を積極的に手がけている歯科医院は少ないようですので、当院がお困りの方の力になれればと思います。実際にホームページなどでその点をお知りになった上で来院されている患者さんもいらっしゃいます。
患者さんにとって通いやすい環境となるよう心がけていることは?

物理的な通いやすさとして、クリニック前の道路が車の往来が少ないため駐車しやすく、院内の各診療スペースにも十分なゆとりがある点が挙げられます。ベビーカーを利用しているお子さん連れの方や車いすの方なども、ストレスなく来院できるという声を多くいただいております。また、空気清浄機の活用により院内の空気が常に清浄に保たれているので、感染症予防はもちろん、花粉症の方にとっても快適な環境になっていると思います。目に見えない衛生面にも気を配ることで、患者さんがより安心して通えるようにしていきたいですね。さらに、一人ひとりの患者さんとじっくり向き合える時間を確保して診療していますので、その分やや予約が取りづらくなっている点は申し訳ないのですが、不安なことがある方は時間を気にせず遠慮なく診療中にご相談いただけるとうれしいです。
対話を大事にする、地域のかかりつけ医的な歯科医院
診療にあたって心がけていることは何ですか?

患者さんが笑顔でお帰りいただけるような診療を心がけています。「今日の治療は必要だったんだろうか?」と首をかしげながら帰るようなことがないように、治療については十分な説明をするように心がけています。丁寧な説明と治療を提供するために、1人30分、初回は1時間程度の診療時間を確保し、じっくりと相談できる体制を設け、患者さんとの対話をベースにした診療を実施しています。私だけではなく、歯科衛生士含めたスタッフ一同、患者さんと和やかなコミュニケーションをすることを大事にしていますね。また前提として、患者さんが望まない治療はいたしません。例えば抜歯をしたほうがいいと思える場合でも、患者さんが歯を残したいということであれば、ご希望に沿った選択肢をいくつか提示して説明し、その中から選んでいただきます。
選択を迷われる患者さんもいますか?
そうですね。その場で決められないときは、別の治療を進めている間に考えてもらうようにしています。患者さんが迷いやすいポイントは、ある程度決まっているので、その点はあらかじめこちらからよく説明するようにしています。治療の過程で起こり得る負担についても、省略せずきちんと説明します。通常の場合、1回目の診察で治療の道筋は立てられるので、あとは本人の希望に応じて内容調整しながら治療を進めていきます。治療が終わった後も、歯磨きの指導などもしながら、定期的なメンテナンスを通じて歯の健康を維持できるようにアドバイスしています。必要なことはその都度こちらから説明するようにしていますが、患者さん側からも疑問などがあれば、どんなことでも遠慮せず聞いていただきたいですね。
最後に、地域の皆さんへ、メッセージをお願いします。

地域のかかりつけ医的な歯科医院として、患者さんも定着してきましたので、引き続き一般歯科や小児歯科から、顎関節症など口腔外科の分野まで幅広く、地域の皆さんの歯の健康をサポートしていきたいと考えています。歯科医院というと、いまだに「痛い」「怖い」といったイメージを持つ方もいらっしゃいますが、当院はどんな方でも通いやすい、相談しやすい歯科医院であり続けたいと思っています。また、すでにお話ししましたが、院内に技工室があるので、入れ歯をはじめとする技工物をスピーディーに提供できることも強みだと自負しています。すでに症状のある方はもちろん、定期的なメンテナンスで歯の健康を維持したいと考えている方も、ぜひお気軽にご相談にいらしてほしいですね。