吉田 雅樹 院長の独自取材記事
祐天寺おひさまこどもクリニック
(目黒区/祐天寺駅)
最終更新日:2025/01/29

「太陽のように子どもたちを照らす存在でありたい」という願いを込めて、2016年9月に開業した「祐天寺おひさまこどもクリニック」。東急東横線の祐天寺駅から徒歩5分、駒沢通りに面した待合室には窓から暖かな自然光が差し込み、壁一面に太陽やかわいらしい動物のイラストが描かれている。院長の吉田雅樹先生は、千葉大学医学部附属病院や国立成育医療研究センター、千葉県こども病院などにて、10年以上にわたって経験を積んできた小児科の医師。現在は幅広い症例に対応しながら予防接種にも力を入れており、2024年10月より他院と休診日が重ならないように日曜日の診療も開始。患者家族のライフスタイルに寄り添うスタンスで近隣住民から頼りにされてきた吉田院長に、小児科診療への想いや、開業以来貫いているポリシーを語ってもらった。
(取材日2024年9月14日)
朝8時から診療。土日の予防接種にも対応
診療日に変更があったそうですね。

これまでは休診としていた水曜日と土曜日の午後、そして日曜日の診療を開始しました。それに伴い、月曜日の午後と火曜日、金曜日が休診となります。診療日を変えたのは、近隣の患者さんから「水曜日はお休みの小児科が多くて困る」や、「日曜に子どもの具合が悪くなって大変だった」というお悩みを聞くことが多かったからです。これからは当院がお役に立ちたいと考えています。もともと当院は共働きのご両親を支えたいという想いから、平日は午前8時から診療を開始し、午後は7時まで診療しています。お子さんが、登園・登校前に受診したり、ご両親のお仕事が終わってから受診したりできるように配慮しています。例えばインフルエンザなどの感染症の場合、お子さんの通う園によっては完治後に治癒証明書や登園許可書の提出が必要なこともありますが、朝一番に受診していただければ、その日から登園することもできます。
予防接種にも力を入れていると伺いました。
子どもを授かったばかりの親御さんたちにとって、種類や回数が多い予防接種のスケジュールを組んでいくのは大変なことですよね。当院の場合、初回の接種後に適切な間隔をアドバイスしながら次の予約を取っていただき、さらに予約の前日に「風邪をひいたり、熱を出したりしていませんか?」と確認のお電話を差し上げるようにしています。次の接種が数ヵ月先の場合は、母子手帳に予定を書いています。その場合も、予約を取る時期になるとお電話でご案内するようにしていますよ。ちなみに、診療日をリニューアルしたことで、日曜日にも予防接種や乳幼児健診を受けていただけるようになりました。ぜひご夫婦で参加していただき、お子さんの健康について見識を深めるきっかけにしていただきたいと思います。
スケジューリングのほかに、どのようなサポートをされているのでしょう?

「ワクチンって本当に大丈夫?」などと疑問を持つ親御さんも当然いらっしゃいますので、そのような場合は接種の前に、質問などに丁寧にお答えするようにしています。親御さんのご希望も伺い、きちんと納得いただいてから接種を進めていけたらと考えています。長年、小児科の現場で働いてきましたが、ワクチンがなかった頃と今とでは、まったく状況が違うんですよ。ワクチンの効果を肌で強く感じております。予防接種のことは、ぜひ当院にお任せいただき、安心して子育てに集中していただけるとありがたいですね。
クリニックだからこそ、患者の日常感を大切に
先生が医師を志したきっかけを教えてください。

僕が子どもの頃に通っていたかかりつけ医院の先生がきっかけです。いつも優しく穏やかな笑顔で僕を迎えてくださって、子どもながらに大きな安心感がありました。親にも「ほかの病院は嫌だ、その病院がいい」と言っていたほどです。母親から「将来何になりたい?」と聞かれて、無邪気に「その先生みたいになる!」と答えていましたね。不思議とそれが現実になり、今があるという感じです。その先生のことはいつも心にあったので、先生のように地域密着型のクリニックを開業したいという想いをずっと持ち続けてきました。それが実現できて、大きな喜びを感じています。
初めから小児科を希望されていたのですね。
実は違うんです。僕が憧れていた先生は小児科専門ではなく、年齢を問わず誰でも診てくれる「町のお医者さん」でした。もともと小児科の医師だったらしいのですが、開業してから内科も始めたそうです。なので、僕も先生のようにまずは小児科を勉強してから、内科に移ろうと考えていました。ところが、結局は小児科にどっぷりはまってしまって。小児科が自分の性に合っていたようで、そのまま専門にすることにしました。勤務医時代は小児科の中でも腎臓を専門に、開業後は地域の子どもたちを広く受け入れるため、小児科全般を診療しています。長い臨床経験を生かしながら、かかりつけ医として、子どもたちに寄り添っていきたいですね。ちなみに、クリニックのロゴマークのタヌキはどう見ても私です(笑)。タヌキ先生とゆかいな仲間たちという感じで、皆さまをお迎えしています。
クリニックで患者さんを診ることの魅力は何でしょう?

大学病院などでの10年以上の臨床経験から思うことは、地域のクリニックは日常にあるもので、総合病院は非日常だということですね。患者さんにとっても、クリニックは外来で、病院は入院といったイメージがあるのではないかと思います。医師側からしても、病院では患者さんが仮に非日常の生活になってしまったとしても、まずは病気にしっかりと対応することが第一です。しかし、クリニックでは、患者さんの日常感を壊さないようにすることが大切だと思います。だからこそ、「ちょっと鼻水が出た」や「子どもの成長のことで少し相談したい」といった理由で、気兼ねなく立ち寄れるクリニックであり続けたいですね。
子どもたちを温かく支える太陽のような存在をめざして
先生の診療スタンスについて教えてください。

薬の処方に関しては慎重に考えており、基本的には無駄な薬を出さないように心がけています。必要ない薬を出してお子さんのお体に余計な負担をかけてしまうのは本末転倒です。例えば風邪の場合でも、抗生物質をリクエストされる親御さんがいらっしゃいますが、私なりの理由をご説明した上で、正当な根拠がない限りは処方しません。「どんどん薬を出す」代わりに、患者さんと積極的にコミュニケーションすることで不安を和らげることをめざしていきたいですね。
診察や注射を怖がる子どもにはどんな対応を心がけていますか?
例えば「お口を大きく開けたね、よくできました」などと、診療中に褒めるようにしています。お洋服や持ち物を「かっこいいね」と声をかけることもありますし、できる限りポジティブな言葉を発することでお子さんに安心してもらいたいと思っています。また、当院は私を含めて全員が動物のワッペンがついたポロシャツを着ているので、白衣の先生よりは優しそうに見えるのではないかと(笑)。診療日の変更に伴い、待合室の壁に描かれているイラストも以前に増してポップな雰囲気にリニューアルしました。近所の公園に行くような感覚で気軽に足を運んでいただけたらうれしいですね。
最後に、今後の展望をお聞かせください。

院名にもある「おひさま」は、「太陽のように子どもたちを照らす存在でありたい」という願いを込めて私がつけました。地域の皆さんが気になることがあったら「どうしようかな?」ではなく、「とりあえずクリニックに行こう」と気軽に受診していただけるように、子どもたちとその家族を暖かく支える太陽のようなクリニックをめざしたいですね。また、予防接種や健診なども、安心してお任せいただけたらと思います。心配なことがあれば、何でも声をかけてください。地域密着のプライマリケア医として、総合的にサポートしていきたいと思っています。