小出 貴照 院長の独自取材記事
歯科オーラルクリニック エクラ
(日進市/星ヶ丘駅)
最終更新日:2024/08/30
愛知県日進市の住宅街に位置する「歯科オーラルクリニック エクラ」。院内は白を基調としており明るく清潔感がある。小出貴照院長は、通いやすい雰囲気を意識して院内を設計したという。診療では、開業当初から全身の健康につながる予防歯科に着目。歯に関する情報発信も積極的に行っており、歯科医師やスタッフから、さらには待合室や診療室のモニターを使って多くの情報を提供している。虫歯や歯周病を繰り返さない歯科治療を心がける小出院長に、クリニックの特色について語ってもらった。
(再取材日2024年6月11日)
訪れるだけで歯に関する的確な情報が得られる場所に
こちらのクリニックを設計するにあたり、こだわった部分はありますか?
歯科クリニックに苦手意識を持つ方が少しでもリラックスできるよう、あえて歯科クリニックらしくない内装にしました。照明や空間だけでなく、においにもこだわっています。また患者さまのプライバシーに配慮して、診療スペースはすべて個室。治療や予防など診療の目的に合わせ、院内を6つの空間にゾーニングするなど、「また行きたい」と思えるクリニックづくりを心がけています。スタッフは歯科医師や歯科衛生士のほかに、管理栄養士や保育士という専門性を持ったスタッフが在籍しているのも当院の特徴です。待合室と診療室のモニターでは、歯に関する説明動画を毎月内容を変えて流しています。歯の治療に関する疑問点や予防歯科の大切さなど、来院するだけで歯に詳しくなれますよ。
院内感染防止のため、取り組んでいることを教えてください。
患者さまに安心して治療を受けていただくために、滅菌ゾーンをオープンにして処理を見ていただけるよう、「滅菌ゾーンの見える化」を行っています。また、院内で使用する水や空調にもこだわっており、どちらもオゾンのシステムを導入しています。オゾンは除菌力に優れていますので、感染防止対策として取り入れています。患者さまの健康を大事にしていきたいという思いで、環境を整えました。
診療における特徴はありますか?
すべての患者さまを対象に口腔内の細菌検査を行っていることが当院の特徴です。虫歯菌や歯周病菌などがどれくらい潜んでいるのかを、患者さまに顕微鏡を使って見ていただきます。実際に菌の様子を見ると、定期的に歯をケアしたいという意識が高まると考えています。また、唾液成分のチェックも行っています。これにより、虫歯や歯周病、口臭などの口腔トラブルのリスクや対策方法がわかります。また、50歳以上の方にはオーラルフレイル検査も実施します。当院では8年も前から行っている検査で、口周りの筋肉や舌が問題なく動いているかを調べ、対策をすることで、進行を緩やかにすることをめざします。
歯科医院は健康を維持するために通う場所でもある
予防歯科についての小出先生の考えをお聞かせください。
長く歯を維持するためには、口腔ケアを行うと同時に、菌をコントロールしていく必要があると考えています。科学的かつ詳細な検査で菌の状態を調べて、除菌をしていく。言葉にするとシンプルですが、歯科医療でできることはたくさんあります。定期的に口腔ケアをしてクリーニングをすることはとても大事ですし、患者さまが正しい情報を得ることも大切ですね。それから口周りの筋肉コントロールも必要です。特にお子さまは口周りの筋肉が弱いと、口が常に開いている状態になります。口が開きっぱなしだと歯並びが悪くなったり、酸素がうまく取り込めず勉強の集中力低下につながったりもするんです。また50歳以上の方はオーラルフレイルの症状で、口腔筋機能の低下により咀嚼や嚥下する力が弱くなっていきます。どちらも早期から口腔筋機能をコントロールすることで、歯だけでなく全身の病気予防にもなるのです。
歯科治療のためだけでなく、健康のためにも通ってもらうということでしょうか。
健康のために、患者さま自ら定期検診や、歯石除去、クリーニングに来ていただけるような歯科医院をめざしていきたいです。皆さん虫歯になったら削って治療して、また虫歯になってと繰り返しがちですよね。それはなぜなのかと考えなければいけません。そのためにも、気づける場所が必要です。痛くなってから来るのでは遅いですから、早期発見・早期治療への取り組みを行っていきたいですね。予防歯科は歯科衛生士が主に担当します。彼女たちは予防のエキスパートとして、食生活に関する問診票から、患者さまの食習慣や口腔内トラブルのリスクを分析。管理栄養士も在籍しており、栄養に関する個別相談ができます。管理栄養士による離乳食教室のイベントも開催しており、他にもさまざまなイベントを企画しています。今後も各分野の専門家から、どんな食生活がどんなトラブルを引き起こすかを説明・アドバイスして、患者さまの健康をサポートしています。
そのほか、クリニックで行っている予防のための取り組みはありますか?
昔から虫歯予防というとフッ素が知られていますが、近年ではキシリトールが普及してきました。そして最近では、乳酸菌を用いて善玉菌を摂取することで免疫を高めて健康を維持することを目的とした考え方に注目が集まっています。当院では、虫歯菌や歯周病菌などを減らすためのクリーニングを行うほか、フッ素、キシリトールを用いるだけでなく、乳酸菌などのサプリメントを生活に取り入れることも提案しています。悪い菌を減らして良い菌を増やし、細菌バランスを取っていくという考え方が全身の健康にとっても、大事なことですね。
インプラント治療やマウスピース型装置による矯正も
先生は歯科口腔外科がご専門ということですが、得意な治療は何ですか?
大学病院の歯科口腔外科を経て、インプラントや矯正、審美歯科を中心に提供している大規模な医療法人の歯科医院で10年以上経験を積みました。現在は、他院からの紹介の患者さまを含め、多くのインプラント治療をしています。血液検査などの検査や診断は、大学病院の口腔外科でもたくさん経験してきましたので、インプラント治療の前にはきちんと全身の健康チェックをし、歯科用CTで顎の骨の状態や神経や血管の通る位置も精密に確認して手術に臨んでいます。徹底した衛生管理は当院の軸でもありますから、オペ室も大学病院と同じような基準で無菌状態を維持しています。また、痛みに配慮し、手術は半分眠ったような状態になるように静脈内鎮静法で行います。何より患者さまの安心や安全が第一ですから、先進の医療機器は欠かせません。顎の骨を補うのに有用な歯周組織再生療法も行っているので、難症例でも一度、ご相談いただければと思います。
インプラント治療だけでなく矯正の臨床経験も豊富なのですね。
歯列矯正は、ほぼマウスピース型装置を用いた矯正を行っています。見た目の目立ちにくさや歯磨きのしやすさだけでなく、先進技術で作られた精緻な装置を用いる点もメリットですね。22時間装着の必要がありますが、使用状態を色で判別するインジケーターがあるので、小さいお子さまがきちんと装着しているかどうかもお母さまがチェックできます。また、インプラントの治療技術を活用した矯正にも取り組んでいます。アンカースクリューと呼ばれる歯科矯正用の小さなネジ状のスクリューを歯槽骨に埋め込み、それを基点にゴムやワイヤーをつけて歯を移動させることをめざします。従来のワイヤー矯正に比べると、移動させたくない歯まで動かしてしまうリスクが減ります。スクリューを埋め込むと聞くと怖いと思われるかもしれませんが、ごく小さな穴を開けるだけなので安心してください。
読者へのメッセージをお願いします。
以前、検査で口腔内を見た時に「最近疲れていませんか」と聞くと、驚いてうなずかれた方がいらっしゃいました。口の中で悪玉菌が優位になると、免疫力が低下するんです。口腔内環境が体の健康に及ぼす影響は、医科の先生方の間でも認識されていること。見た目がきれいでも、悪い菌が多ければ再発します。当院では「一度治療した歯は再発させない」というのが、スタッフ間の共通認識。歯科医師ありきで進めるのではなく、歯科衛生士の意見も含めたチーム医療で各患者さまに合ったオーダーメイドな治療を心がけています。より患者さまに合った治療ができるよう、歯科衛生士は10人体制で臨み、女性歯科医師も在籍。どれだけ体にいいものを食べても、口腔環境が悪ければ菌も一緒に飲み込んでしまいますし、嚥下できなければ誤嚥性肺炎にもつながります。虫歯や歯周病予防だけでなく、全身の健康を考えられる歯科医院でありたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置による矯正/66万円~(16~18歳)、88万円~(18歳以上)、44万円~(一期治療を終えた場合)
一期治療/44万円~
表側矯正(クリアブラケット)/88万円
歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正/矯正費用+5万5000円
インプラント治療/1本38万5000円(そのほかに、手術時のガイデッドサージェリー費用が1本につき6万6000円~11万円かかります)
スポーツ用マウスガード/学生 1万6500円~、社会人 2万2000円~
歯周組織再生療法/5万5000円~
ジルコニアクラウン/11万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。