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星加 義人 院長の独自取材記事

草加きたやクリニック

(草加市/獨協大学前〈草加松原〉駅)

最終更新日:2024/12/27

星加義人院長 草加きたやクリニック main

「患者さんも、スタッフも、関わるすべての人を幸せにしたい」という理念を掲げ、星加義人(ほしか・よしと)院長が2016年に開業した「草加きたやクリニック」。越谷市立病院の呼吸器科医長として勤務していた星加院長は、県内に気軽に相談できるかかりつけ医や呼吸器専門のクリニックが不足している現状を打開したいと、同院の開業に踏み切った。患者は近隣のみならず遠方から足を運ぶ人も多いという。日本呼吸器学会呼吸器専門医として、また内科医として、大学病院や多くの基幹病院でキャリアを磨いてきた星加院長に、患者、スタッフ、クリニックへの思いを語ってもらった。

(取材日2024年9月11日)

身近なかかりつけ医と呼吸器専門医の両面を担う

開業から8年がたちましたが、クリニックの状況はいかがですか?

星加義人院長 草加きたやクリニック1

近くにお住まいの方は生活習慣病などの疾患で受診されるケースが多いのですが、ホームページを見て事前に調べてくださって、呼吸器専門医に診てもらいたいと受診される患者さんが増えました。呼吸器疾患でお困りの患者さんは増えているのに、呼吸器を専門に診ている医院が少ないと感じています。睡眠時無呼吸症候群ではないかと心配になって来られる方もいらっしゃいますし、風邪だと思っていたが咳が治まらない方も少なくありません。新型コロナウイルス感染症が流行してからというもの、咳をしていると周りに迷惑がかかるからと気にされる方は多く、皆さん呼吸器疾患には敏感になっていらっしゃるようですね。大学病院や総合病院に行くまでじゃないけれど、症状が好転しないので呼吸器内科の医師に診察をしてほしいと、吉川市や八潮市、越谷市など、草加市外からも足を運んでくださる方がいるのはありがたい限りです。

月曜以外は二診体制で診察を行っているとお聞きしました。

当院では呼吸器だけでなく、内科疾患の診察も行っており、当初は院長の私だけで対応していましたが、お待たせしてしまうことも出てきてしまい、申し訳ないなと思っていました。しかし、地域のかかりつけ医として、患者さんに寄り添い、正しく理解してもらえるようにわかりやすくお話をすることは曲げたくはありません。そこで現在は、月曜以外は医師2人の二診体制で診察ができるよう、私と同じ日本呼吸器学会呼吸器専門医である医師を呼んで診察をしてもらっています。母校の順天堂大学医学部附属順天堂医院の呼吸器内科のほか、日本赤十字医療センターの呼吸器内科副部長を勤めている先生など、先進の現場で臨床に携わっている方ばかりです。皆さん呼吸器だけでなく、内科の総合的なキャリアもあり、月曜以外の診察日に来ていただいたほうが混雑は回避されるかもしれません。

咳の原因はさまざまで、見極めることが大切なのですね。

星加義人院長 草加きたやクリニック2

咳の症状一つでも、原因は多岐にわたります。特に1、2週間以内の咳は感染症、呼吸器疾患の両方の可能性があるので診断が難しいのですが、1ヵ月以上続く咳の場合はある程度病名が絞られてきます。まずはエックス線検査で肺の状態を確認してから、呼気中の一酸化窒素の濃度を調べていきます。マウスピース型の検査器具をくわえてふーっと息を吐くだけですぐに数値が出て、その値によって喘息やアレルギー性の炎症かを判断します。お薬も、症状にピンポイントでアプローチするものを処方することで早期の回復を図っています。よく咳が出ていると咳止めを服用すれば治るとお考えの方も多いと思いますが、喘息の場合はそれで咳は止まりません。検査で原因を突き止め、治療していくことが大切なんです。

毎日の生活を見直すことが治療の第一歩

睡眠時無呼吸症候群の患者さんが増えていると伺いました。

星加義人院長 草加きたやクリニック3

睡眠時無呼吸症候群は30~50代の働き世代の男性に多い病気で、睡眠中に何度も繰り返して一時的に呼吸が止まってしまう病気です。血中の酸素が不足するため、眠りが浅くなり、寝不足になってしまって心臓や脳、血管に負担がかかってしまいます。バスやタクシーの運転手さんは、睡眠時無呼吸症候群の検査を2年に1回実施するところが多く、そこで引っかかって受診される方もいますが、自覚症状が現れにくいため、ご本人は病気という認識がありません。ご家族から「いびきがうるさい」と指摘されて来られる方もいらっしゃいます。不規則な生活習慣などが原因に挙げられ、肥満傾向だったり、糖尿病や高血圧を併発していたりする方が検査を受けると、約8割が睡眠時無呼吸症候群と診断されます。私は今までに数多くの患者さんの治療にあたってきましたので、心当たりがある方はぜひ相談にいらしてください。

診療では実践しやすい生活改善のアドバイスを心がけているそうですね。

睡眠時無呼吸症候群や糖尿病、高血圧症などの生活習慣病は、その名のとおり生活習慣が原因なので、食生活や運動習慣を見直すことで改善を図っていきます。しかし、ただ「食事に気をつけてくださいね。運動しましょう」だけではうまく伝わらないので、まずは自分のことから話していきます。私は筋力トレーニングやスポーツが大好きなので、揚げ物を控えたり、タンパク質を取ったり、食べる順番も重要だと理解していますが、知らないがゆえに間違った食生活を送っている方が多いんです。糖尿病の方に普段の食生活を伺うと「果物をたくさん取っています」とか「食事は2食にしています」という答えが返ってくることがあるのですが、果物は糖分が多いですし、食事回数を減らすと逆に血糖値が上がってしまいます。ですので、まずは私はこうしていますよとお話しし、患者さんの食生活をお聞きしてその問題点を丁寧に説明し、正しい情報をお伝えするようにしています。

「かかりつけ医」の役割についてどのようにお考えですか?

星加義人院長 草加きたやクリニック4

具合が悪くてどうしていいかわからないときに「あのクリニックに行けば、あの先生に話せば何とかなる」と思ってもらえるような存在でありたいです。私は呼吸器内科が専門ですが、内科医としてのキャリアも長いので、遠慮せずに頼ってほしいです。内科的な疾患ではなかったり、他の専門の疾患であった場合には他病院に紹介いたします。この場所はもともと別の病院だったのですが、駅前に移転してしまい、近隣の皆さんは困っていらっしゃいました。地域医療を患者さんの一番近くで支え、「なくてはならない診療所」としてあり続けることが当院の使命だと考えています。

優れた医療サービスの提供のために

スタッフさんが働きやすい環境づくりにも注力されているとか。

星加義人院長 草加きたやクリニック5

「クリニックに関わるすべての人を元気で幸せにすること」これが当院の理念です。私たちが仕事にやりがいや誇りを持ち、生き生きと働いていなければ、質の高い医療は提供できませんから、スタッフが働きやすい環境を整えるのは私の役目だと思っています。その一環として月に1回、午後を休診にして、外部講師をお呼びしての勉強会を開いています。患者さんに寄り添い、おもてなしの気持ちを持って適切な対応ができるようにと「接遇」のプロから学んだり、医師に言いづらいことや相談事などを気軽に話せるサポートスタッフを配置したりと、風通しの良い職場づくりに尽力しています。おいしいお惣菜を買ってきて、クリニックでご飯を炊いてみんなで食事をしたりと仲が良いのも自慢です。スタッフの満足度はそのまま患者さんの満足度になると実感しています。

先生がめざすクリニックの姿を教えてください。

リラックスして話ができるよう、和やかな雰囲気で診察するように心がけています。患者さんにとって身近な存在となれるように、心のふれあいを大事にした診療を行っていきたいです。あと、今は待合室のモニターで睡眠時無呼吸症候群や糖尿病について解説したアニメ動画を流して予防への啓発を行っていますが、こうした、皆さんが自分の体に関心を持てるようなきっかけづくりも重要だと思っています。「気軽に相談ができ、治療ができて元気に」はもちろんのこと、これからは病気の予防にも力を入れていきたいです。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

星加義人院長 草加きたやクリニック6

呼吸器疾患は、自覚症状が出づらいので深刻な状態になってから見つかるケースも少なくありません。タバコを吸っていなくても、若くても肺がんにかかる人はいます。リスクや症状の有無にかかわらず、年に1回はエックス線検査を含む健康診断を受けて早期発見に努めてほしいと切に願っています。何も症状がない時こそ、検査を受ける絶好のチャンスです。退職された方や主婦の方は自治体の検診などを利用し、健康であることを確認しに来てもらえたら何よりです。

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