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小原 功裕 院長の独自取材記事

おばら内科腎クリニック

(富士見市/鶴瀬駅)

最終更新日:2020/06/29

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2020年4月に新築移転した「おばら内科腎クリニック」。元の場所からは、ふじみ野朝霞線の道路の反対側、約100メートル先にある。駐車場は35台分と広く、車での通院も便利。院内に入ると受付から左側には透析室、右側には待合室と診察室2室という構造。待合室は天井を高く取り、大型のガラス窓からは明るい陽光も差し込む開放的な空間となっている。日本透析医学会透析専門医でもある小原功裕院長は親しみやすい先生で、患者にも気さくに話しかける人柄。診療では患者のライフスタイルを重視し、生活の質に配慮しながら、同じ理念を共有するスタッフたちとチームで診療に取り組んでいる。取材では小原先生がめざす診療内容や新しくなった透析室などの施設面、そして今後の展望までを詳しく語ってもらった。
(取材日2020年4月9日)

開放的で過ごしやすく、感染症対策にも配慮した環境

まずはクリニックの概要から伺いたいと思います。

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当院は腎臓疾患と地域のかかりつけ医として内科全般を診る、いわば2本立ての診療を特徴とするクリニックです。私は長年、腎臓や透析治療に専門性高く携わってきましたので、全身をめぐる血液とそこから栄養を補給する各臓器など、必然的にそれらの血液管理・機能管理においても経験を積み重ねてきました。ですから一般内科としても幅広く全身を診る地域のかかりつけ医として、腎臓以外にも糖尿病でも小児科でも、何でも相談できるクリニックをめざしています。今回、クリニックを移転した一番の理由は手狭になったこと。もとはスーパーの建物でしたから、スタッフ動線など使い勝手が悪かったので、いずれ移転したいと考えていて、それがこのタイミングだったというわけです。

移転後の院内の特徴を教えてください。

全体を患者さんとスタッフの動線を考えたレイアウトにしました。透析患者さんは受付からそのまま透析室に行けるようにしたほか、院内感染防止のために天井は高くして、医療機関用の空調も導入して十分に換気できるよう配慮しました。待合室も広い空間にしたので診療に来られる方には開放的で過ごしやすい空間になっているかと思います。色とりどりの椅子やソファーはお子さんにも喜ばれているのでそのままですが、近いうちに特注した長椅子も海外から届く予定です。また車で通われる方も多いので、駐車場は35台分と広めに取りました。なお、引き続き透析患者さん向けの送迎バスも運行していて、半径15キロ圏内の、東は大宮・西は所沢・南は朝霞・北は川越までお迎えに行き、負担少なく通ってもらえるようにしています。

透析室なども大きく変わったそうですね。

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部屋の中央にガラス張りのナースステーションを設けて、それを取り囲むように透析用ベッドを配置しています。ベッドは10床増やし30床にしました。いずれも感染防止のため間隔を空けています。個室も感染防止のための透析室と、在宅透析の方法を身につけてもらうためのトレーニングルームをそれぞれ新設しました。そのほか一般内科では、検査のために他の施設に出向いてもらわずに済むよう、全身の断層画像が撮影できるマルチスライスCTも導入。院内で常勤の診療放射線技師が撮影も含めて対応できる体制になりました。

治療中も負担が少なくリラックスできるように注力

診療の際に気をつけていることは何ですか?

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患者さんが、治療を終えて元気に帰っていただけることをめざしています。病気には、ストレスが何よりも良くありません。透析治療の患者さんは、週3、4回通うことになります。それだけ多く通う場所ですから、可能な限りストレスフリーにして、透析中も時間を有効活用できるような取り組みを導入しています。例えば、運動できるようにトレーニング用の器具を備えたり、リラックスできるような場所を設けたりしています。また、食事を取ることも可能です。こうした患者さん一人ひとりの体調やライフスタイルに合わせた治療スタイルを、当院では「オーダーメイド透析」と呼んでいます。治療中の方から噂を聞いてこのスタイルが気に入ったと、当院での透析治療に切り替えられる患者さんもいますね。

オーダーメイド透析の内容をもう少し詳しく教えてください。

患者さん一人ひとりに合わせて透析時間やその回数を決めるのがオーダーメイド透析です。透析は、一般的に1回につき4、5時間行われます。しかし、体の大きさによって透析時間は変わってきます。例えば、体重が40キロの小柄な人と、100キロの大柄な人で同じ透析時間で良いはずがありません。当院では、患者さんと話し合いながら適切な時間を設定します。長い人は8時間くらい透析を行いますが、当院では時間を有効活用できるようにしています。

在宅透析も行われているそうですね。

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はい。透析を受ける患者さんの年齢が高齢化する中で、在宅透析も注目していただきたいです。これは、文字どおり患者さんの自宅に装置を設置し、ご自身で透析を行う方法です。大きな特徴は、時間の自由度が高く、治療における体の負担を抑えることにつながる点です。例えば、施設で週3日×4時間のところを在宅で週6日×2時間とすることもでき、どちらも透析時間は12時間ですが、1日あたりの透析時間を減らすことで体への負担を抑えることにつながります。ただし現状、この治療法は自己穿刺や医師の教育問題があります。当院では、トレーニングを1~2ヵ月行う中で実際に在宅透析をしている人を見てもらい、自己穿刺のハードルを下げています。始めた患者さんは「簡単ですね。これならできそうです」とびっくりされるんですよ。この治療法をもっと普及させていきたいですね。

「在宅血液透析見守りシステム」の普及に期待したい

内科、小児科なども標榜されていますね。

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当院は透析治療において専門性を高く持っていますが、地域のかかりつけ医としても貢献していきたいと考えています。そのため一般診療ではすべての病気を全身疾患と捉え大人から子どもまで、内科や小児科という枠にこだわらずに診ています。例えば糖尿病なども重篤化すれば透析治療が必要になる病気ですから、早期に治療を開始することが大切です。またお子さんの発熱などにも迅速に対応していますし、睡眠時無呼吸症候群の治療も行うなど、幅広く地域の1次医療機関としての役割を果たしています。もしも専門性の高い治療や検査が必要な場合には速やかに適切な病院をご紹介していくというスタンスです。

フットケアや食事に関する指導も行っているんですね。

月に1回、フットケアの外来を行っています。糖尿病から腎臓を悪くし、透析治療が必要になる患者さんは少なくありません。この過程で足の血行障害が起こると、うおのめやたこなどでも悪くすると足を切断しなければならないリスクがあります。それを予防する意味合いでフットケアを行っています。フットケアの指導は幅広く、靴の履き方や靴のオーダーまで指導することもあります。また、食事指導も行っています。腎臓に負担をかけにくい食事を心がけていただくために食事内容を指導したり、処方箋に沿った制限食を購入してもらったりしています。患者さんのご家族にも説明し、家族ぐるみで治療に取り組んでいただくようにしています。

今後の展望をお願いします。

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私は子どもの頃左手に力が入らなくなった経験があり、その際、親身になって検査してくれた医師に感激して医師の道を選びました。今度は私がその役割を果たすくらいの気持ちで日々診療に臨んでいます。スタッフも同じ気持ちでして、これからもチーム医療で患者さんをバックアップしていきます。その一方で今後、私が期待することは在宅透析が増えて、負担少なく皆さんのライフスタイルが維持できるようになること。そのため当院では「在宅血液透析見守りシステム」の整備に力を入れているところです。これからはオンライン診療も普及していくでしょうし、在宅透析もテレビ電話でサポートできますので、在宅でできる患者さんが増えていくはずです。それもまたオーダーメイド透析の究極な形ですから、なんとか早く普及して広まっていけばいいなと考えています。

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