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金 潤澤 院長の独自取材記事

さいたまクリニック

(川越市/川越駅)

最終更新日:2020/10/29

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関越自動車道川越インターチェンジを降り、国道16号線を川越方面に向かってすぐの閑静な住宅街にある「さいたまクリニック」。2016年6月1日に開業したばかりで、真っ白な外観にアクセントカラーの深い青色が映える。金潤澤(キンジュンタク)院長の専門は、股関節疾患や関節リウマチだ。長年勤務した埼玉医科大学整形外科には、今も客員教授として籍を置いている。安定した大学病院の教授というポジションを離れ、63歳の誕生日を目前に控えたタイミングで開業を決意した院長。開業を決めた理由や、診療に対する姿勢について話を聞いた。
(取材日2016年7月7日)

関節唇に神経が存在することを研究

医師をめざしたきっかけを教えてください。

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祖父がさまざまな会社を経営しており、その一つに病院があったことです。そんな環境からか幼少期から医療に興味があり、医師をめざしました。今では4人兄弟全員が医師であり、その妻や子どもも医師になっています。祖父の病院は大阪にありましたが、今はもうありません。

整形外科を専門にした理由をお聞かせください。

子どもの頃から生物の授業が好きで、自然に外科を志望しました。その中でも股関節疾患や関節リウマチを扱うようになったきっかけは、恩師が股関節を専門にされていたことです。大学では、最近スポーツ選手などを通して話題になった軟骨組織「関節唇(かんせつしん)」の基礎研究をしていました。当時は関節唇に神経があるか不明だったのですが、さまざまな神経があることを発見していったのです。臨床とも密接につながっている分野で、研究の突破口につながりました。世界中でさまざまな関節唇損傷の診断法が考案されていますが、それらの根拠の一つとして私の学位論文がいまだに引用されています。

関節唇損傷の診断は臨床分野でどのように役立ちますか?

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寛骨臼(かんこつきゅう)形成不全の患者は股関節のソケットが浅く、関節唇が補強の役割を担います。関節唇はやわらかい組織なので、この状態で大きな負荷が続くと損傷につながります。そのため、寛骨臼形成不全の患者には基本的に手術などの治療が必要です。これまで原因不明とされてきた股関節の痛みの原因解明につながっているのです。

後進育成後、地域医療に力を入れるために開業を決意

なぜこのタイミングで開業を決意されたのでしょうか?

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一つは大学内における専門分野のグループで後進が育ち、客員教授として多少の関わりを保っていれば、安心して後を任せられる状態になったことです。もう一つは地域医療に力を入れたいと思ったこと。この川越入間地区には、これまで関わってきた病院や長年診てきた患者さんが多くいらっしゃいます。大学病院ではあまりゆっくりと診療できなかった患者さんたちと、より密接に関わりたいという思いから開業を決めました。埼玉医科大学はあまりアクセスが良いとはいえません。患者さんの多くは足が悪いなどの理由から、車で来院されます。そのため、駅からの距離よりも駐車場の広さを重視してここを選びました。もちろんバスも通っているので、公共交通機関でのご来院も可能です。

どのような患者さんが多いですか?

川越は昔ながらの人情味あふれる土地柄で、比較的高齢の方が多い印象です。勤務医時代から引き続き診ている関東一円の患者さんに加え、クリニックから半径2km程度の方が多く、「近くに整形外科ができて便利になった」と喜んでいただいています。私は小学生の頃から大学生時代まで柔道をしていて、つい最近まで柔道部の顧問も務めていました。スポーツ医学に精通しており、その分野での臨床経験も豊富なのでインターネットで調べたというスポーツ選手も時折来院します。サッカーは股関節を傷めやすいスポーツで、その多くが関節唇損傷。手術が必要な症例で、セカンドオピニオンを求めて受診される方もおられます。8割の患者さんはクチコミが受診のきっかけ。クチコミは信頼の証なので、とてもうれしいですね。

休診日を設けず、毎日診療されているのですか?

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地域の皆さんの満足度を高めたいという思いから、休診日を設けませんでした。木曜午前の診療を埼玉医科大学の先生に任せていますが、今は週6日すべて私自身が診療を行っています。診療は楽しいので、あまり休めなくても苦になりません。以前は健康のために1日最低1万歩ほど歩いていましたが、開業して歩く時間がなくなったことに少しストレスを感じています。丈夫に生んでくれた親に感謝ですね。午後から休診の日は、妻と散歩をしたり趣味の美術館巡りをしたりとそれなりに気分転換をしています。

豊富な医学的知識を、クリニックならではの距離感で

クリニックの特色と診療方針を教えてください。

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私は客員教授として今も大学に籍を置いており、これまで培ってきた医学的知識と経験を生かしながら、先進の情報などに基づいた診療を行っています。また、埼玉医科大学の附属病院に所属する医師たちと交流があるため、効果的な病診連携が可能です。手術をはじめ、ここではできない専門的治療が必要な患者さんにも適切なご紹介ができるので、まずはご相談ください。大学では予約制の外来が中心で、一般の外来はほとんど行えませんでしたが、当院では少ない待ち時間でじっくり診療できます。また、クリニックらしくなるべく頻繁に、説明する時間を取っています。気楽に診療できる今のスタイルは、医師と患者さん双方にとってメリットがあるのではないかと思っています。

将来の展望は?

増大する医療費をはじめとして医療制度が非常に混迷していますが、根本的な原因はわかっていません。さまざまな医療改革が進められているものの、どれも的を射ている気がしないのです。地域医療の中で問題点を把握し、いち開業医の立場からできることを模索していきたいと思っています。特定の組織に入ると組織人としての立場が発生し、逆に見えにくくなる部分が出てきたりします。縛りのない外の立場からこそ、わかることもあるのではないでしょうか。できるできないは別にして、日本の医療の未来に貢献することが私の夢です。

ご覧になっている方へのメッセージをお願いします。

多くの病気の発症には、DNAが密接に関係しています。ご家族の病気は自分にも起こる可能性があると意識し、少しでも異常を感じたら早めに受診してください。私が専門とする股関節疾患や関節リウマチの患者さんは、ほとんどが女性です。女性は自分よりも家族を優先して、悪化してから受診されることが多く、治療の適切な時期を逃すことも少なくありません。何も異常なければ受診は必要ありませんが、ちょっとした兆候を見逃さず一度専門家の診断を仰いでください。一番わかりやすいサインは痛みですが、「あぐらがかけなくなった」「正座ができなくなった」「階段の上り下りに手すりが必要になった」など、些細な変化も意外に大切です。早めに受診すれば大事に至らずに済むことも多いのです。開業によって患者さんと密接に関わることで、そういった方の力にもなりたいですね。

患者さんとの関わりに対する考え方をお聞かせください。

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患者さんの中には「近所にこんな人がいるけどどう思いますか」など、ほかの人の状態を訪ねてくる方が本当に多いです。良いおせっかいはしたほうがいいですよね。話を聞けば私も「受診を勧めてください」「それはおそらく放っておいても大丈夫」など、アドバイスができます。付き添いの方のちょっとした相談に応じることも多いですね。そういった患者さんとの関わりは、大学病院ではできなかった貴重な体験。今後もそういう温かな関係性を築いていけるといいと思っています。私は、日本整形外科学会整形外科専門医、日本リウマチ学会リウマチ専門医、日本リハビリテーション医学会リハビリテーション科専門医の資格を持つほか、骨粗しょう症、スポーツ、義肢装具など幅広い分野で経験を深めており、難病の方、身体に障害のある方にも対応し、大学病院と変わらない診療の提供に努めていますので、何でもご相談いただきたいです。

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