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羽尾 貴子 院長の独自取材記事

羽尾皮フ科クリニック

(品川区/荏原町駅)

最終更新日:2023/12/25

羽尾貴子院長 羽尾皮フ科クリニック main

患者とより近い距離間で向き合えるかかりつけ医の強みを生かし、「皮膚が示すサインの翻訳者になりたい」と考えるのは、「羽尾皮フ科クリニック」の羽尾貴子院長。開業を決意したのも、大学病院や中核病院で研鑽を積む中で、皮膚に現れた症状を読みとくことが皮膚科医の役目だと感じるようになったからだという。同院では、皮膚科一般に加え美容皮膚科の診療、糖尿病患者のフットケア、栄養面のサポートまで、皮膚トラブルを解決し健康に暮らすためのさまざまなアプローチを行う。幅広い年代の患者が快適に過ごせるよう、空間デザインにもこだわるなど、通院しやすい環境づくりにも尽力する。早くからオンライン診療を導入してきたのもその一環で、患者の気持ちに寄り添う診療姿勢が印象的だ。そんな羽尾院長に、同院の診療の特徴や展望を聞いた。

(取材日2020年10月6日/再取材日2023年9月26日)

皮膚に現れる体のサインを読みとき健康を支える

まず、開業の経緯を教えてください。

羽尾貴子院長 羽尾皮フ科クリニック1

日本大学を卒業後、同大学の皮膚科学教室を経て、社会保険横浜中央病院で皮膚科医長を務めるなど、約15年間、やりがいのあるチーム医療に取り組んできました。その後、開業医だった父の影響もあって「長く医師として働きたい」「患者さんにとって身近な存在になりたい」という想いが強まり、開業の道を選びました。勤務医時代、「もっと早めに相談いただいていれば重症化を防ぐことができたのに」と悔やむケースも少なくありませんでした。そんな経験から、地域の中で「皮膚が示すサインの翻訳者」として、皮膚に現れる体からのSOSを読み取り、皆さんの健康を守っていきたいという思いが生まれるように。この地域は、住民の方をはじめ、近隣の開業医の先生方もとても温かい人ばかりで、荏原町で開業できて心から幸せだと感じています。

院内のデザインにもこだわりがおありだとか。

開業前に「空間も治療の一つである」という、ある建築士の講演を聞いて非常に感銘を受けたんです。本当にそうだなあと。そこで、院内のデザインはその建築士の方にお願いし、明るくちょっとポップな雰囲気で、壁にはホスピタルアートを飾っています。お一人お一人に丁寧に向き合うという診療スタイルであるがゆえにお待たせしてしまうこともあるので、その間、少しでも恐怖心や不安感を取り除けるような空間にしたいなと考えました。通院が苦手な方にとっても、「あそこなら行ってもいいな」と思ってもらえる場になっていたらうれしいですね。

どのような患者さんが多いのでしょうか?

羽尾貴子院長 羽尾皮フ科クリニック2

乳幼児から90代まで年代問わず、地域の皆さんが通院されています。中には家族ぐるみで来られる方もいますよ。荏原町はファミリー層も多く活気のある町で、幅広い年代の方を診察できるのが楽しいですね。症状としては、お子さんは肌の乾燥やかゆみ、中学生になるとニキビの悩み、中高年はしわやしみの悩み、高齢になると肌の乾燥などさまざまです。最近では、男性の患者さんが増え始めたこともうれしく思っています。

多様な皮膚症状に対応し、栄養面のサポートにも注力

診療面の特徴について教えてください。

羽尾貴子院長 羽尾皮フ科クリニック3

勤務医時代に糖尿病による足病変の患者さんを多く診てきたこともあって、当院でもフットケアに取り組んでいます。糖尿病の方は知覚が鈍くなる傾向があるため、痛みやかゆみを感じにくい上に血流障害によって傷の治りも遅く、潰瘍ができたり、壊疽(えそ)を起こしたりしやすくなります。そこで、近隣の透析クリニックとも連携しながら対応しています。また、首などにできたイボの処置や、ワイヤー法を用いた巻き爪治療なども取り入れています。美容関連の施術としては、しわのケア、さらにアトピー性皮膚炎の光線療法、腋臭症の治療にも取り組んでいます。また、以前から往診やオンライン診療も行っていますので、通院が難しい患者さんにはぜひご利用いただきたいですね。オンライン診療に関しては、2~3ヵ月に1回の対面での診察と組み合わせることで、継続的な治療につなげています。

栄養面のサポートにも取り組んでいるとか。

そうですね。というのも私自身、体のために栄養面に目を向けて食事を取るようにしたところ、心身の変化を実感したんです。そこから、改めて栄養医学について勉強するに至りました。当然のことながら、私たちの体は食べるものでできています。つまり、体に現れる症状は食べ物の影響を受けているともいえると思うんですね。そこで、「疲れやすい」「調子が悪い」という方には、栄養素の過不足を確認しながら、栄養面のアドバイスを行っています。例えば、タンパク質が不足すると肌のハリがなくなったり、鉄分不足だと肌が脆弱になったりと影響が出ることがあります。もちろん薬の力が必要な場合もありますが、体の中からアプローチして生活習慣や食生活を調整するとともに、必要に応じてサプリメントで補い肌や体調を整えることは、ご自身でもすぐ取り組めるだけにとても大切だと思います。

診療する上で大切にされていることを教えてください。

羽尾貴子院長 羽尾皮フ科クリニック4

医師になってから、たとえできることは小さくても自分の力の及ぶ限りのことはしたいと思って治療に臨み、患者さん一人ひとりと向き合ってきました。その上で、何か一つでも「今日はここに来て良かった」と思ってもらえるような診療を心がけています。それが簡単には治らない病気だったとしても、何かしらプラスに思えることがあれば、前向きに治療に取り組んでもらえると思うからです。あとは、私も含めスタッフが幸せに働いていることも大切だと思うので、働く環境づくりにはいつも気を配っていますね。

在宅医療など、地域のニーズにも柔軟に対応

患者さんを診る中で、最近診療面で気になることがあればお伺いしたいです。

羽尾貴子院長 羽尾皮フ科クリニック5

安易に市販薬を使うことで、皮膚科医の目が届かないところでのトラブルが増えているように感じます。例えば、水虫だと思って薬を買って塗ったものの治らないケースなどは、実は水虫ではない場合も。ご自身で判断せず、早い段階で受診していただいたほうが悪くなる前に適切な治療ができることが多いんです。ほかにも、巻き爪など爪のトラブルで受診された方から、どこに行ったらいいかわからなかったという声を聞くことがあります。そういう方々の早期受診につながるような道案内ができたらと思っています。あとは、ニーズの高い美容皮膚科の領域にもっと力を入れたいですね。皮膚は人目にふれるところなので、気になる部分をきれいにすることで気持ちも変化し、「心のQOL」がぐんと上がることもあるのではないでしょうか。だからこそ、気軽に悩みを話していただけるような関係づくりを大事にしていきたいですね。

今後の展望を教えてください。

地域のかかりつけ医として、皆さんから何を求められているかを見極め、必要だと思うものは前向きに取り入れていきたいと思います。特に、栄養面のアプローチには今以上に注力したいですね。繰り返しになりますが、体は食べるものでできていますから、口にするものや食べる順番などについて、皆さんにもっと意識していただけるようアドバイスができたらうれしいです。また、高齢の方を中心とした在宅医療に取り組む中で気づくことも多いです。例えば褥瘡(じょくそう)ケアの必要性を感じたり、介護者の高齢化により通院できない方が少なくないことを知ったり。こうした課題と真摯に向き合い、ご家族やケアマネジャー、訪問看護ステーションと連携を図りながら、地域の医療連携にも尽力したいですね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

羽尾貴子院長 羽尾皮フ科クリニック6

患者さんたちにとって、私は「ドクター」というより「白衣を着た近所のおばちゃん」ぐらいの、近しい距離間の存在でいられたらうれしいなと思っています。「こんなことを聞いたら笑われるかな」「こんなことで受診していいのかな」などの遠慮はなさらずに、ちょっとしたことでも気軽にご相談を。また、健康診断を受けて再検査などの異常がなければそのまま、という方も少なくないと思うのですが、健康診断の結果から読みとくことのできる情報も実はたくさんあるんです。そこで、診察時に検査結果をお持ちいただければ、皮膚に現れている症状と併せて内科的な問題なども推察しながら、複合的に体の状態を診ることもできます。皆さんの健康づくりのお手伝いをさせていただきますので、まずはお声かけくださいね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

巻き爪治療/3850円~、しわのケア/1万9800円~(1ヵ所)

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