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全身性炎症疾患
膠原病と関節リウマチの関係

とうきょうスカイツリー駅前内科

(墨田区/とうきょうスカイツリー駅)

最終更新日:2023/06/15

とうきょうスカイツリー駅前内科 全身性炎症疾患 膠原病と関節リウマチの関係 とうきょうスカイツリー駅前内科 全身性炎症疾患 膠原病と関節リウマチの関係
  • 保険診療

リウマチと聞くと、高齢の罹患者が多いイメージがあるが、実は20~30代でも発症する膠原病である。膠原病には他に、全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群、リウマチ性多発筋痛症、強皮症、多発性筋炎、皮膚筋炎など数多くの種類がある。「とうきょうスカイツリー駅前内科」の河野晋也院長は、膠原病内科を専門とする医師として日々診療にあたっているが、特にリウマチに関しては更年期症状や風邪による関節の痛みなどと間違われやすい上に、膠原病と切り離して捉える患者も少なくないという。そこで膠原病や関節リウマチについての適切な認識や、症状の特徴などについて詳しい話を聞いた。

(取材日2023年6月6日)

関節リウマチは膠原病の一つ。免疫細胞が自身の関節を攻撃して手足の関節の痛みや腫れを起こす

Q 膠原病とはどのような病気ですか?
A
とうきょうスカイツリー駅前内科 多様な症例の診療に携わってきた河野院長

▲多様な症例の診療に携わってきた河野院長

ばい菌やウイルスなどと闘って体を守ってくれている免疫細胞が、ある日突然自身の体の組織を敵とみなして攻撃し始め、全身のさまざまな箇所に炎症を起こしてしまう病気の総称を膠原病と言います。背景には遺伝的なものがあると考えられていますが、手術や出産、ウイルス感染症、交通事故など免疫細胞が活性化するような強いストレスがスイッチとなって発症することが多いようです。しかし遺伝子を持っているすべての人が発症するわけではなく、ストレスを受けても発症しない人もいることから、はっきりとした原因はまだ解明されていないと言えるでしょう。

Q膠原病に罹患するのは女性のほうが多いのでしょうか?
A
とうきょうスカイツリー駅前内科 膠原病は男性よりも女性に多いとされている

▲膠原病は男性よりも女性に多いとされている

疾患によって若干異なりますが、圧倒的に女性のほうが多いと思いますね。その理由もいまだわかっていませんが、更年期あたりに発症する方が多いため、性染色体や女性ホルモンが関与している可能性もあるのではないかと言われています。更年期になると、筋肉や腱を保護する女性ホルモンの一つであるエストロゲンの分泌が低下するため、腱鞘炎など関節の症状が発現しやすくなるのは確かです。しかしそうした症状で来院される方は膠原病ではなく、更年期による症状であることも多いですね。

Q 膠原病とリウマチの違いを教えてください。
A
とうきょうスカイツリー駅前内科 患者一人ひとりに合った適切な治療法を提案する

▲患者一人ひとりに合った適切な治療法を提案する

膠原病は全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、全身性強皮症など多くの疾患の総称です。リウマチも膠原病の一つで、正式には関節リウマチと言います。皆さんがリウマチとよく間違われるのが、指の第一関節が変形するへバーデン結節です。はっきりした原因は不明ですが、一般的には更年期による変化や指の使い過ぎ、加齢性変化などが原因と考えられています。また感染症に伴う関節痛も間違われやすい症例の一つです。基本的に6週間以上続く関節の腫れや痛みがあり、とくに複数の関節が熱を持って腫れて痛いといった症状が、関節リウマチの特徴です。

Q検査や治療はどのように進めていくのでしょうか?
A
とうきょうスカイツリー駅前内科 各種検査機器を導入し、診察に役立てる

▲各種検査機器を導入し、診察に役立てる

まずは血液検査で各種膠原病に対応した自己抗体が検出されるか否かでおおまかに判断します。膠原病は全身炎症性疾患なので、さまざまな臓器に障害が起きていることもあります。ですから肝臓の数値、腎臓機能、尿たんぱくなどのデータのほか、症状によってはCTやMRI、関節超音波検査なども必要です。そうして他疾患の可能性がきちんと除外できた場合には、自己抗体が検出されなくても膠原病の診断にいたることもあります。治療は疾患によりけりですが、基本的には関節リウマチであれば免疫抑制剤や生物学的製剤、JAK阻害剤による薬物療法、臓器障害を伴うような膠原病にはステロイド剤による治療などをメインにすえ、寛解をめざします。

Q予防のために気をつけることはありますか?
A
とうきょうスカイツリー駅前内科 早期発見・早期治療が寛解をめざす上で重要だという

▲早期発見・早期治療が寛解をめざす上で重要だという

膠原病は自己免疫疾患であり、免疫細胞が活性化するスイッチが入ると発症のリスクが高まってしまいます。ですから高熱が出るような風邪をひかない、妊娠出産中にはご家族がフォローするなど、できる限りストレスを避けることが重要です。中には仕事が多忙で睡眠不足が続いたことがきっかけで発症する方もいらっしゃいますので、常に規則正しく健康的な生活を心がけてください。

ドクターからのメッセージ

河野 晋也院長

膠原病は広範囲でさまざまな症状が出るため、ご自身で判断するのは非常に難しい病気です。心配な症状があれば早めに受診することで、身体所見や血液検査などから総合的な診断を受けられます。膠原病には完治というゴールはありませんが、薬物などで痛みや症状のコントロールを図ることで寛解という状態をめざすことができます。関節リウマチに関しては、発症して半年から1年の間に骨が変形する土台が作られてしまうので、早期発見・早期治療が重要です。最近は関節超音波検査も発達しています。特に家族歴のある方は、早めの受診をお勧めします。

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