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河野 晋也 院長の独自取材記事

とうきょうスカイツリー駅前内科

(墨田区/とうきょうスカイツリー駅)

最終更新日:2024/03/06

河野晋也院長 とうきょうスカイツリー駅前内科 main

東京スカイツリーのすぐそば、墨田区向島の「とうきょうスカイツリー駅前内科」は、関節リウマチなど膠原病内科の診療を専門としつつ、一般内科診療も手がける街のかかりつけクリニック。順天堂大学医学部附属順天堂医院膠原病・リウマチ内科とのつながりが深く、2020年から院長を務める河野晋也先生も同大で研鑽を積み、関節リウマチや全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群など多様な症例の診療に携わってきた。「発症したてのリウマチは診断が非常に難しいですが、なるべく早い段階でリウマチと確信できる証拠を探りあてて治療介入していきたい」と話す河野院長に、クリニックの特色や診療で心がけていること、飛躍的に向上したリウマチ治療の現状など、じっくり話を聞いた。

(取材日2023年2月6日)

膠原病内科の専門性を生かしつつ、内科にも幅広く対応

こちらのクリニックは2016年の開業だそうですね。

河野晋也院長 とうきょうスカイツリー駅前内科1

ここはもともと、私が大学病院の研修医時代から親しく、膠原病内科でともに研鑽を積んだ先生が開業したクリニックです。先生が開業して間もない頃から、私も大学病院勤務の傍ら、ここで週に1度診療にあたっていたご縁もあり、2020年に院長としてここを引き継ぐことになりました。クリニックの特色としては、風邪症状や糖尿病、高血圧、高脂血症といった生活習慣病など一般内科の診療を手がけながら、大学病院で長く手がけてきた膠原病・リウマチ内科の専門性を生かし、関節リウマチなど膠原病の患者さんに対する診断・治療を行っています。

どういったご相談で来られる患者さんが多いのでしょうか?

患者さんの約半数が関節リウマチに関するご相談で、その他の膠原病の患者さんも多くいらっしゃいます。一般内科でいらっしゃる患者さんは3割くらいです。膠原病は男性よりも女性に多いとされており、当院にも40~50代の女性の患者さんの姿が目立ちます。この年代の女性は更年期にさしかかってきますから、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの減少によって関節に痛みが出やすい傾向があり、リウマチの可能性も念頭に相談に来られる方が多いですね。

診療にあたって心がけていることはありますか?

河野晋也院長 とうきょうスカイツリー駅前内科2

患者さんの中には、インターネットでご自身の症状を調べる過程で「膠原病」というワードに導かれて当院にたどり着く方、あるいは整形外科のドクターからリウマチと診断されたことをきっかけに来院される方が少なくありません。ですからまずは、「そもそも膠原病ってどんな病気?」というところをしっかり理解してもらえるような、わかりやすい説明を心がけています。膠原病は自己免疫疾患であり、この先どんな治療が必要になるのか。検査を受けて治療を始める場合はどんな薬の種類があって、どんな副作用が考えられるかなど、検査、診断、治療のさまざまなプロセスに関して、データに基づいて細かく説明するように意識しています。

関節のこわばり、腫れなどがあったら早期の受診を

膠原病はどんな人がかかりやすいのでしょうか?

河野晋也院長 とうきょうスカイツリー駅前内科3

遺伝的な背景があるとされていますが、膠原病の原因ははっきりわかっていません。ただし、該当する遺伝子を持っている方がみんな発症するわけではなく、例えば手術や出産、ウイルス感染症など免疫細胞が活性化するような何らかのスイッチが入ったときに発症することが多いと考えられています。あくまでスイッチが入らなければ、発症しないというわけですね。ただし、身近な親族に膠原病の方がいらっしゃる場合には、そうでない方に比べて発症のリスクは若干高くなる可能性があるということは認識しておいたほうがいいでしょう。

リウマチというと、高齢の方がかかる病気というイメージもあります。

それは大きな誤解で、20~30代でも発症します。リウマチは今でこそ治療が発展し、生物学的製剤などを使ってきちんと治療すれば、病気がないのと同じ状態、いわゆる「寛解」の状態をめざせるようになりましたが、そうした治療をまだ受けられない時代を過ごしたご高齢の患者さんの中には、骨の変形が進んでしまっている方も多いんです。そうした外見的な変化が「リウマチ=高齢者の病気」という誤解につながっているのかもしれませんね。リウマチは発症後半年から1年の間に、骨が壊れる土台がつくられてしまいますから、やはり一番理想的なのは早期発見と早期治療。ですから年齢を問わず、朝に手や足の関節がこわばって動かしにくい、指の付け根や手首が熱を持って腫れているといった場合は、できるだけ早めに専門のドクターのいるクリニックを受診することをお勧めします。

近年は検査の精度も飛躍的に向上しているそうですね。

河野晋也院長 とうきょうスカイツリー駅前内科4

一般的には医師による視触診に加えて、エックス線検査で骨の状態を調べ、併せて血液検査を行います。ただし、発症したての最初期であればエックス線画像に異常が現れないケースも多く、血液検査の数値にも異常が見られないなど、診断がつけづらいという現実がありました。しかし私たちとしては、だからといってそのまま様子見するのではなく、なるべく早い段階でリウマチと確信できる証拠を探りあてて、治療介入していきたいのが本音。その点、近年はMRIの画像が鮮明になったり、関節超音波検査によって関節を覆う滑膜の炎症を評価しやすくなりました。そうしたリウマチの検査手法、診断技術の進歩が早期発見のみならず、検査時の見落としを防ぐことにもつながっています。

大学病院との強固な病診連携で患者を支える

ところで、先生がドクターを志したきっかけは?

河野晋也院長 とうきょうスカイツリー駅前内科5

私の父が歯科医師、祖父が医師で、親類にも医師が多くいる家庭で育ったこともあり、物心つく前から自分も医師になるんだという意識がありました。進路を本格的に考え始めた高校時代、私の得意科目が生物で、授業をきっかけに免疫学の本に出会いました。Y字型の抗体が連動して外敵をやっつけるのが美しいなと感じ、強く心惹かれたのを覚えています。その免疫学に深く関わる膠原病内科を専門に選んだ理由の一つは、内科の中でも全身を診られることに魅力を感じたからです。内科では呼吸器だったら肺、循環器だったら心臓と血管というように、特定の臓器を見るのに対し、膠原病は自己免疫性の全身炎症性疾患であるため、どの臓器もしっかり診られなくてはなりません。そうした医師としての「オールマイティーさ」を身につけるべく、努力を重ねてきました。

クリニックでの診療の傍ら、大学病院でも診療にあたっているそうですね。

はい。週に1回、順天堂大学医学部附属順天堂医院の膠原病・リウマチ内科の外来診療を担当しています。順天堂の膠原病内科は長い歴史があり、全国各地から多くの患者さんが来られていますから、勤務医時代から今に至るまで実に多くの症例の治療にあたってきました。そうした経験をもとに、レアケースな症状であっても見落とさない力というか、適切な診断や鑑別能力が身についてきたと自負しています。大学病院のドクターたちとも日頃から顔を合わせる機会が多いですし、当院で確定的な診断はつけられないけれども、リウマチやその他の膠原病の可能性が高い患者さんに関しては、ご希望に応じて速やかに大学病院へご紹介することが可能です。互いに顔の見える病診連携のもと、治療薬の選択などもきめ細かくサポートしていきます。

最後に、読者に向けて一言メッセージをお願いします。

河野晋也院長 とうきょうスカイツリー駅前内科6

近頃はインターネットで検索した情報をもとに、患者さんが自己判断でリウマチだと思い込んでしまっているようなケースもよくあります。当院では他の膠原病の可能性も含めて鑑別しますし、診断後もライフスタイルに応じた治療薬の選択など、柔軟に対応してまいりますので、お1人であれこれ思い悩まずに安心してご相談いただければと思います。リウマチ、膠原病の治療を手がけるクリニックの特性として、当院には免疫抑制剤を使っている患者さんが多く来られているため、感染症の流行が続いている現在は発熱されている患者さんや風邪症状のある方について、オンライン診療で対応させていただいています。一般内科の疾患であっても、詳しい検査が必要な場合は速やかに大学病院にご紹介できますから、まずは受診してみてください。

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