足のだるさ、でこぼこ、カサカサ
専門の医師に聞く下肢静脈瘤治療
湘南藤沢心臓血管クリニック
(藤沢市/湘南台駅)
最終更新日:2021/10/12


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痛みやつっぱり、だるさ、かさつきなどが代表的な症状である下肢静脈瘤をご存知だろうか。血液が逆流してしまうことによって血管が拡張してしまうことが原因でおこる病気だ。足に不調を感じるだけでなく、血管が浮き出たりでこぼこしたりと見た目にも影響が出ることもあり、女性は特に気になる症状。この下肢静脈瘤は「手術でないと治せない」と思っている人もいるようだが、実は手術は必須ではないそう。また、早めの対策で悪化を防ぐこともできるという。手術をする場合でも部分麻酔で済み、その所要時間も30分~1時間程度と、意外と負担は少ないようだ。心臓血管外科専門医である安西兼丈院長に詳細を聞いた。
(取材日2016年2月26日)
目次
手術だけではなく、今日からできる治療法もある
- Q下肢静脈瘤とは、どんな症状ですか?
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A
▲湘南台駅すぐ。スタッフは全員女性で丁寧で親切な対応が好印象
下肢静脈瘤とは、さまざまな理由で静脈が拡張してしまうために生じる症状です。多くは表在静脈の弁が壊れ、血液が逆流してしまうことが原因。弁の破壊には体質や立ち仕事などの生活習慣、妊娠・出産によるホルモンが影響していると考えられています。初期の症状は痛みやつっぱり、だるさなどですが、次第に血管が浮き出たり、ぼこぼこしてきたりといった見た目の変化が表れます。かゆみや皮膚炎などを伴うこともあります。見た目に変化が生じるとスカートをはけないなどの悩みも生じる上、適切な治療を受けずに放っておくと症状は悪化します。このような症状が出たら、血管外科で診てもらうことをお勧めします。
- Q治療方法を教えてください。
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A
▲モニターを使って症状や治療についてわかりやすく説明してくれる
治療方法はいくつかあります。すぐに行えるものとしては、腹圧をかけない、マッサージをする、立ちっぱなしの時間を減らすなど「生活習慣の改善」です。また「医療用弾性ストッキングの着用」もすぐに取り組めるものです。これは、足を圧迫することで表在静脈の血液の逆流を抑える治療法です。立って活動している間にストッキングを着用すればよく、悪化を予防する効果があります。根本的に完治させる方法として有効なのは「レーザー手術」です。部分麻酔をかけて行う片足30分ほどの手術で、日帰りが可能です。その日のうちに活動することができ、日常生活での制限もありません。
- Qどんな人が手術や治療を受けるべきですか?
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A
▲術後は個室でゆっくりと休憩がとれる
手術を受けるかどうかの基準は、皮膚炎を起こしているかどうかがポイントとなります。皮膚炎とは、潰瘍壊死や血液が停滞して血栓や炎症が起きる血栓性静脈炎などと呼ばれる症状のことです。また、かがむことができなかったり皮膚がかぶれやすかったりといった理由で弾性ストッキングを日常的に着用できない人にも、手術をお勧めします。さらに、下肢静脈瘤の中でも、でこぼこした状態になる伏在静脈瘤や側枝静脈瘤、血管が浮き出た状態になるクモの巣状静脈瘤や網目状静脈瘤と呼ばれる症状は見た目も気になるでしょうから、手術で治すといいでしょう。手術で完全に消えない痕は、術後のレーザー治療で改善を見込めます。
- Qそういった、足のための皮膚科も併設されていて便利ですね。
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A
▲美容皮膚科併設で見た目もきれいに。ワンストップ診療が魅力
下肢静脈瘤の主な悩みは「痛み」と「見た目」です。「痛み」は術後の比較的早いうちに緩和されますが、血管が浮き出るなどの「見た目」の症状は手術だけでは改善できないことがあります。そこで有効なのが、当院に併設している美容を目的にした皮膚科で行うレーザー治療。保険外診療にはなりますが、厚生労働省の認可がおりた機器を使用しています。再発することが少なく、きれいに治る可能性が高いのがメリットですね。通院回数は、レーザーを当てる量や大きさによって異なります。また、下肢静脈瘤では乾燥など皮膚のトラブルを伴うことが多いので、当院では皮膚科で術後に皮膚の保湿をアドバイスしています。
自由診療費用の目安
自由診療とはレーザー治療/5000円~(術後に静脈瘤の跡を消す場合)