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安西 兼丈 院長の独自取材記事

湘南藤沢心臓血管クリニック

(藤沢市/湘南台駅)

最終更新日:2022/06/20

安西兼丈院長 湘南藤沢心臓血管クリニック main

湘南台駅近くに2015年に開業した「湘南藤沢心臓血管クリニック」。「優しさ、歓迎、決して離れない」が花言葉である藤をイメージしたグリーンとピンクのロゴが印象的だ。花言葉のとおり、安西兼丈(ともひろ)院長が笑顔で出迎えてくれた。安西院長は、心臓外科や血管外科、救命救急に長年携わり、幅広い年代の疾患を診ることを得意とする。下肢静脈瘤の治療においては患者に負担の少ないレーザー治療を取り入れており、若い医師に研修を行うほどの技術を持つ。また、エイジングケアにも力を入れ、健康で長く生きるために食生活の改善についてもアドバイスしている。今回は安西院長に、医師の道へ導いた祖父とのエピソードや、医師としての根本にある思いをつくった国際医療活動などたくさん話を聞いた。

(取材日2016年1月15日)

救急医療の経験を生かした全般的な診療と専門性が強み

こちらのクリニックの特長や診療内容を教えてください。

安西兼丈院長 湘南藤沢心臓血管クリニック1

当院の特長は3つの柱で示しています。1つ目の柱は一般の内科・外科。私は開業前、心臓外科と救急医療に携わってきたため、小児科や整形外科など幅広く診ることができるようになりました。この強みを生かし、子どもからお年寄りまでのさまざまな疾患を診て、必要があれば専門の医師や医療機関を紹介しています。2つ目の柱は、専門医療。特に下肢静脈瘤に関しては、レーザー治療を行える数少ない医療機関です。レーザー治療は、血管の外からレーザーを照射するため患者さんに与える負担が少ないことが利点です。

下肢静脈瘤の診察は、どのように進めるのですか?

最初にコーディネーターが患者さんの話を伺います。つる感じがある、だるさを感じるといった普段の様子から「不調はないけれど、見た目が嫌で……」という不満まで、じっくりとお聞きします。コーディネーターを導入した理由は、医師には面と向かって言いづらいことが患者さんにはあるということに、経験の中で気づいたから。コーディネーターがいることで、患者さんにはホテルのような雰囲気でリラックスしていただくことができ、フランクに話をしていただけると考えています。また術後のフォローもするのですが、その中でクリニックに対する意見もいただけるので、改善に取り組みやすいです。診察や診断はもちろん医師が行い、超音波機器などを使って原因を特定します。

3つ目の柱は何でしょう?

安西兼丈院長 湘南藤沢心臓血管クリニック2

自由診療によるエイジングケアです。これは健康寿命を延ばすための施術で、動脈硬化を予防する上でも非常に重要視しているものなのですが、自由診療によるエイジングケアは見た目の改善を目標にしています。しみ、しわ、ほくろなどを除去することができれば、患者さんの気持ちが明るくなって、外出が楽しみになるなど、結局は健康寿命を延ばすことにもつながると考えているんですよ。

動脈硬化の予防はどのように行うのですか?

取り組みは基礎代謝の計算から、食生活をはじめとした生活スタイルの見直し方の提案、減量目標の設定などさまざまです。大事なのは日常生活の見直し。実は私自身もコレステロールや尿酸値などが高い時期があったのですが、生活を見直して数値を改善することができました。自分の経験からも患者さんには予防の取り組みを勧めたいのです。改善は何歳からでもできるはずですから。でも、一人でやるのはつらいので、定期的に来院してもらって医師に改善状況を確認されることで、モチベーションをアップできると思います。

医師という職業は、祖父が命を張ってくれたプレゼント

心がけていることはありますか?

安西兼丈院長 湘南藤沢心臓血管クリニック3

家族を思う気持ちで患者さんを診ることです。私が医師になったのも、お世話になった人や親しい人の治療をしてあげたいと思ったから。それで、幅広い知識や技術を身につけることができる心臓外科や救急医療に進みましたが、技術だけでなく、患者さんに寄り添う気持ちを忘れてはいけないと思っています。「この人の家族はどうしたいと思うだろう」「この方は何を望んでいるだろう」と想像しながら治療にあたっています。

親しい人を治療したいと思うきっかけがあったのですか?

祖父です。寒い冬の日、妹の大きな叫び声を聞いて外に飛び出すと、祖父が家の前で倒れていたんです。私は自然と、妹に心肺蘇生を、母に人工呼吸を、父に救急車の手配を、祖母には近くにいるようにと指示していました。しばらくすると祖父の心臓は動き出したのですが、苦しそうだったので、もう少し心肺蘇生を続けるように妹に言いました。到着した救急車には私と祖母が乗り込みました。ところが、救急車の中では心肺蘇生をしてくれなかったんです。当時高校生だった私は救急隊員に聞くこともできず、病院に着いてから祖父は亡くなりました。その時、「自分が心肺蘇生を続けるように妹に指示しないほうがよかったのか」あるいは「心肺蘇生を続けてくれと救急隊員に頼むべきだったのか」と悩み、自分を責めたんです。それを機に、医師になって人を救えるようになりたいと思いました。

身内の方が医師になるきっかけをくれたのですね。

安西兼丈院長 湘南藤沢心臓血管クリニック4

私にとって医師という仕事は、祖父が命を張ってくれたプレゼントだったと思っています。医師になってから心臓外科の医師になり、大動脈弁狭窄症などの手術を行うようになりました。それから知ったのですが、実は祖父が亡くなった原因が心臓の病気である大動脈弁狭窄症だったんです。また、救命救急に携わる中で、運ばれてくる人には心臓血管を患う人がとても多いことを知りました。自分が医師になってめざした道が、偶然にも祖父の病気も治せるものだったわけです。祖父に導かれていると感じますね。

次世代に伝えたい“人を救う”ということ

院長は、海外での活動にも携わっていますね。

安西兼丈院長 湘南藤沢心臓血管クリニック5

2008年から毎年、1ヵ月ほど国境なき医師団の活動に携わっています。ミャンマーやイラク、イエメン、ナイジェリアなどに行き、現地でのサポートにあたってきました。現地の活動では、感染症の予防や治療のガイドラインはありますが、設備は十分ではありません。でも、みんなで一つのチームとなって最善の対応をすることで、最良の結果が出せるように奮闘しています。その中で、判断力、ナレッジ(知識)、スキルを磨くこともでき、ちょっとしたことに一喜一憂して手が止まるようなこともなくなったのは医師として大切なことだと思います。また、外国人と一緒に過ごす中では、多様性を尊重する気持ちも持てるようになったと思います。

こちらにも多くのスタッフがいますが、マネジメントで大事にしていることはありますか?

当院には「クレド」があります。スタッフが道に迷わないように、つまり常に患者さんを見て仕事をすることができるような指針です。スタッフには私の顔色はうかがわないでほしいんです。「どうせ院長に聞いても、『患者さんの立場になって』という答えが返って来るだろう」と思ってほしい。実際に、そう思ってくれていると思います。例えば、昼休み中の電話は、患者さんにとって当院につながるためのたった一つのツール。留守番電話の設定にして、そのツールを絶つようなことをしていいのか。患者さんの立場になったら、そうはできない。クレドに戻れば、そういう判断を迷わずにできるはずです。もちろん、スタッフに頼るばかりでなく、私もスタッフが働きやすい環境づくりをするために努力する必要があると思っています。

最後に、メッセージをお願いします。

安西兼丈院長 湘南藤沢心臓血管クリニック6

患者さんが困ったら気軽に訪れることができるホームドクターをめざしています。当院の中だけでなく、専門の医療機関と連携しながら、必ず患者さんの力になれるように最善を尽くします。特に下肢静脈瘤の治療では、大学とコラボレーションして若い医師の育成にも力を入れているんです。お悩みの方は、一度ご相談ください。さらに、地域への医療貢献もしていきたいと考えています。最近は地域の学校を訪問し、救命措置を教えるスクールを開催しています。医師が直接出向いて指導することで、医療の世界や身近な人を救う方法を子どもたちに知ってもらいやすいと思うのです。小さい頃の経験は記憶に残りますからね。私たち家族がチームとなって祖父を救おうとしたように、小さい子どもでも人を救えるんです。そのことを子どもたちに伝え、一人でも多くの方を救っていきたいですね。

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