動悸・息切れ・生理不順・不妊の原因?
内分泌内科の基礎知識
まみ内科クリニック
(ふじみ野市/ふじみ野駅)
最終更新日:2021/10/12


- 保険診療
不妊症や月経不順から更年期障害まで、女性のライフイベントに大きな影響を及ぼす病気が内分泌系(ホルモン)の疾患だ。バセドウ病や橋本病がよく知られた病気だが、ほかにも関節リウマチや糖尿病など、内分泌不全や自己免疫疾患が引き起こす病気は意外に多く、悩める患者も20代から50代の女性に多いという。ふじみ野市に今年オープンした「まみ内科クリニック」の宮地真由美院長は、大病院で長年この分野の担当医を務め、外来医師としてもふじみ野市の中核病院に勤務していた経験を持つ、内分泌内科のエキスパートだ。今回はホルモン異常が引き起こす疾患の正しい理解とともに、その症状から診断のための検査や治療法などを宮地院長に聞いてみた。
(取材日2016年2月27日)
目次
内分泌系の疾患検診は地元で気楽に受けたいもの。妊活前や更年期に、一度チェックしてみては?
- Qまず内分泌内科とはどのような診療科目なのでしょう?
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A
▲院長の宮地真由美先生。「女性の甲状腺専門医師は少ない」と語る
内分泌内科とはホルモンの異常に由来する全身の病気について専門的に診断・治療を行う内科です。人体では脳の下垂体、のどぼとけの下部に位置する甲状腺のほか、卵巣、副腎などがホルモンの分泌に深く関係しています。かなり専門的な分野なので、他の分野のドクターからは、内分泌系は複雑で扱いにくいと思われがちです。症状もさまざまなため、診断がつけにくいところがあります。しかしこの分野を専門に診療しているところで検査を受けて頂ければ、早期診断・治療を受けることができますので、悩んでいたさまざまな症状を速やかに改善することができます。
- Q内分泌系異常では、どのような病気がありますか?
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A
▲さまざまな資料。内分泌系異常といっても、多様な病気が存在する
代表的な病名ではバセドウ病と橋本病がよく知られたところです。男性と女性では1対4の割合で女性に多い病気でして、若い方から高齢者まで年代層も幅広いですね。ただ罹患していても症状が軽微で、気づかない間に2~3年で自然に治ってしまう人もいれば、重症化する人もいて、個人差もかなりあり、潜在的な患者数はかなりの数にのぼるとされています。バセドウ病は甲状腺ホルモンが過剰につくられるために起こる病気でして、動悸、眼球突出、息切れなどの症状。一方、橋本病(慢性甲状腺炎)はバセドウ病とは逆に、甲状腺ホルモンが過少となり、気力の低下や肌荒れ、寒がりになるなどの症状が現れます。
- Qどのような症状が出たら診察してもらうべきでしょうか。
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A
▲広々とした院内。「なにかおかしい?」と思えば専門クリニックへ
動悸や息切れがする、月経不順、そして筋力低下などが共通する症状ですが、若い方でしっかり食べているのに体重が減ってきた、やたら汗をかくなどでしたらバセドウ病、反対に食べていないのに体重が増える、むくみやすい、気力低下などの症状が現れれば橋本病が疑われます。ですから確たる理由もなく、それらの症状が続くようであれば一度、内分泌内科にかかってみてください。また、流産を繰り返す、妊娠しにくいなどの場合も、内分泌系の疾患が隠れている可能性もあります。実際に当院では不妊治療専門の産婦人科の先生からの紹介で来院された患者さんを産婦人科と二人三脚で不妊治療や流早産の予防にあたっています。
- Q専門クリニックで診察・検査を受けるメリットは?
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A
▲大病院と同等の検査機器を備えている
基本的にバセドウ病と橋本病は投薬治療で治せる病気です。検査機器も都内の大規模病院と同じものを備えていますので、こちらで検査から診断をつけ、必要な治療まですべてできます。また検査結果は当日わかりますので、その日から治療がスタートできます。少し前までは一部の大学病院を除いて、検査結果がわかるまでは数日かかっていましたが、現在は検査機器も進歩していますので。さらに都内の大きな病院ですと、外来も混んでいるので毎週通院するとなると患者さんの負担も大きい。その点、地域にあるクリニックはさほどお待たせしないで診療できますし、時間の取り方なども臨機応変な対応が可能です。
- Qスタッフを全員女性でそろえられた理由もお聞かせください。
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A
▲宮地先生の対応に「女性の悩みに寄り添う」という配慮を感じる
内分泌疾患は特に女性に多いので、同性のドクターやスタッフのほうがかかりやすく、全員女性であれば気楽に安心して受診していただけると思ったからです。実際、エコー検査でも触診でも、体のさまざまな部位に触りますので、同じ女性であれば患者さんも気にせずに検査が受けていただけるかと。また当院では検査に習熟した女性の臨床検査技師が常勤していますし、女性の管理栄養士が、糖尿病をはじめとする食事指導も行っています。全員女性なので柔らかい感じで接遇ができており、患者さんも男性ドクターには言いにくい症状も伝えやすいかなと思っています。