マイクロスコープが可能にする
自分の歯を守る精密な根管治療
秋月デンタルオフィス
(福岡市中央区/西鉄平尾駅)
最終更新日:2021/10/25


- 自由診療
徐々に普及が進んでいるものの、扱っているクリニックはまだまだ少ない歯科用マイクロスコープ。「秋月デンタルオフィス」の秋月大院長は、使いこなせるまでに研鑽を要するマイクロスコープを用いた根管治療を得意としている。歯科治療に幅広く活用できるというマイクロスコープだが、中でもその力を最大に発揮するとされる根管治療は、これまでは歯科医師の感覚に頼る手探りの治療だったそう。それがこのマイクロスコープの登場で、「正確性が上がり、従来は抜歯しなければならなかったような歯も治療できるケースが増えています」と秋月院長はほほ笑む。自分の歯を守ることができる可能性を高めたマイクロスコープについて、秋月院長に詳しく聞いた。
(取材日2020年7月7日)
目次
虫歯の再発リスクが低くなり自分の歯を残せることが最大のメリット。口腔内の説明をするツールとしても活用
- Qマイクロスコープとはどのような機械なのですか?
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A
▲診療の質の向上をめざし、先進の機器を導入
手術用顕微鏡といわれている機械で、治療している部分が拡大されて見えるので、細かい治療も精密に行うことができます。当院は約20倍くらいまで拡大視できるものを使用しています。もともとルーペを使って治療していたのですが、それでは視野に限界がありますし、自分が治療している内容を録画できないこともあって、一昨年この機械を導入しました。ただ、使用するにあたっては十分な練習が必要で、使いこなせるようになるまでかなり時間を要します。まだ導入しているクリニックが多くはないので、マイクロスコープの存在を知らない患者さんもたくさんいらっしゃいます。
- Qマイクロスコープが活躍するという根管治療。どんな治療ですか?
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A
▲1回目の治療でいかに精密に治療するかがポイント
虫歯が進行すると、歯の中の神経に炎症が起こります。そして、一度炎症が起きるとなかなか治りません。そうなると神経そのものを取り除く処置が必要となり、そこで行うのが根管治療です。根管治療で重要なのは、最初の治療で悪くなった神経や組織を残さず取り除くということ。虫歯で悪くなった部分の取り残しがあったり、かぶせ物の処置が精密でないと、そこから細菌が入り込み、再び根管内が炎症を起こし再治療が必要となります。再治療になると難易度が格段に上がるため、1回目の治療でいかに精密に治療するかが重要なんです。そのためにマイクロスコープを用いるわけです。
- Qマイクロスコープでの根管治療の回数や期間はどのくらいですか?
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A
▲患者と真摯に向き合い、丁寧にカウンセリングを行う
当院の場合、治療の回数は1~2回ですが、その後も経過を見る必要があるため、早ければ1ヵ月、長ければ半年くらい期間を開けて状態を確認します。治療は1回で終わらせてしまえるのがベストですが、そのためには口を開けている時間が長くなってしまうので、患者さんの負担を考慮して場合によっては2回に分けて行うことも。ただ、仮蓋をして1週間後に2回目の治療を行うとなると、それだけ感染リスクが高くなりますので、そのリスクを減らすためにできるだけ1回で終わらせたいというのが当院の考えです。
- Q治療経過の説明にもマイクロスコープを役立てているそうですね。
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A
▲動画を用いて、口腔内の状況を詳しく説明してくれる
静止画と違いリアルタイムで動画が見られるので、「ここに虫歯があります」と器具で指し、実際に患者さんに見てもらいながら説明ができるのは非常に良い点ですね。なので、私の場合は治療だけでなく、説明ツールとしての利用価値も大きいです。角度を変えて見てもらうことができるため、患者さんにしっかり理解してもらえるというメリットもあります。ただ、ここまでリアルに自分の歯を見るのは、患者さんにとってはかなりのインパクトのようです。歯を大事にしようと思ってもらうのが重要なので、動画で見てもらうことでさらに意識を高めてもらいたいですし、すべて見えるので適切に治療が行われている安心感も感じていただけると思います。
- Q治療や説明以外にもマイクロスコープを使用しているのですか?
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A
▲感染症対策のため、スタッフも全員防護服を着用し診療にあたる
自費での特殊な治療で使用するイメージが強いかもしれませんが、隅々まで見ることができるマイクロスコープの活用の幅は広く、当院ではレントゲンのチェックやメンテナンスにも活用しています。以前はブラッシング指導の時に写真で説明していたのですが、今は歯科衛生士がマイクロスコープを使用し動画に全部録ってそれをお見せしながら行っています。言葉よりも実際に見ることで患者さん自身の理解度は全然違いますね。スタッフたちも他院での勉強会に参加したりとマイクロスコープの活用に意欲的です。やはり触る機会が多いほど研鑽が積めるので、普段の診療で使い慣れていくことでスキルが向上しているのを感じています。
自由診療費用の目安
自由診療とはマイクロスコープを用いた根管治療/5万5000円~11万円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供を行っております。
カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)については、効果・効能に関して個人差があるため、 カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)を用いた治療を行う場合は、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。