秋月 大 院長、秋月 桂 副院長の独自取材記事
秋月デンタルオフィス
(福岡市中央区/西鉄平尾駅)
最終更新日:2024/09/13

西鉄平尾駅から徒歩5分に位置する「秋月デンタルオフィス」。秋月大院長が2014年に開業し、妻の秋月桂副院長とともに歯科全般の診療にあたってきた。患者に継続して来院してもらうことに重きを置き、写真を使った説明や、歯科医師と患者の垣根を超えた人間同士の関係性の構築を心がけている。また、「子どもからその家族までを診る」という考えのもと、セルフケアの重要性の説明はもちろん、妊活中や妊婦の時期から口腔内をきれいにしておくことの必要性なども伝えている。温和な口調で、息ぴったりな様子もうかがえる秋月院長と桂副院長に、診療方針や今後の意気込みなどを聞いた。
(取材日2020年5月25日/情報更新日2024年5月1日)
検診希望者が多く来院。診療方針に合った土地で開業
秋月院長は徳島県、桂副院長は長崎県のご出身ですね。平尾に開業した経緯を教えてください。

【秋月院長】私たちは徳島大学歯学部の同級生でした。卒後研修で私は徳島大学に残り、副院長は九州大学に行きました。副院長とは20歳の頃からお付き合いしていたので、研修修了後に私も福岡県に行ったんです。開業地にはこだわって、1年以上探しました。実際に町を歩き、スーパーに行くなどして雰囲気を確かめて回る中で、最終的に平尾を選びました。この校区は子育て世代に人気だそうで、当院がめざす「子どもからその家族までを診る」という診療が実現できそうだったことも決め手でした。時がたつのは早いもので、2024年には開業10周年を迎え、節目の年に「医療法人Olive」として再スタートを切ることになりました。医療法人になることで、今後も継続的な歯科治療の提供、地域貢献を行うとともに、雇用を創出し働くスタッフの生活の基盤を支えていきます。
どんな患者さんが多いですか?
【秋月院長】20~40代の患者さんが6割くらい、あとは家族で来る方も多いですね。検診希望が圧倒的に多いです。痛いから来る方もいますが、1ヵ月で数えるほどですね。
【桂副院長】地域には元気な高齢の方が多く、当院に来る方の最高齢は100歳を超えています。先日、100歳になられたお祝いも皆でしたんですよ。100歳で歯が残っているのは、習慣が良い証拠だと思います。健康意識が高い方は、私たちから予防の話をするとしっかり響くように感じますね。
そもそもお二人が歯科医師になろうと思ったきっかけを教えてください。

【秋月院長】私は小学生の頃から徳島大学で歯並びの矯正治療を受け始め、中学校、高校と長期的に通院しました。高校生になって将来を考えた時、歯科医師が一番イメージしやすかったんです。
【桂副院長】小学生の時、知人に英会話を習っていて、その方に医師か歯科医師になればと勧められました。ただ私は結婚と子育てがしたかったので、医師と比べて生活リズムも安定しているかなと考え、歯科医師をめざしました。子どもは今、9歳、7歳、4歳の3人で、全員男の子です。三男もたまに当院に連れてきますが、スタッフが子守りをしてくれます。彼女たちのことは家族みたいに大切に思っていますね。
患者自身が健康を守れるよう、歯の状態を知ってもらう
お二人は歯科医師として歩んできた道が異なります。専門が違うことでメリットも多いのではないでしょうか?

【秋月院長】私は大学卒業後、地域の方がかかる歯科医院に勤めました。専門は根管治療とレジンですが、それ以外も幅広く経験を積みました。副院長とは経験してきた分野が違うので、当院はカバーできる範囲が広いほうかもしれません。二人で一つみたいな感じです。
【桂副院長】私は大学卒業後から長く大学病院で働き、特殊な症例を診てきました。専門はインプラントや審美歯科などです。インプラント治療を受けに当院に来る方は少ないですが、治療を進める中で、周辺の歯の寿命を延ばすために提案することはあります。ただ、インプラントを積極的に勧める考えはないです。また、「インプラントを入れて終わり」では無責任ですので、継続して来院してもらえそうな方にだけお伝えしています。
2024年から医療法人になったとのことですが、改めて診療の理念を教えてください。
【秋月院長】医療法人としての理念は、患者さんが「生涯にわたり食事を楽しむ」ことができるよう、支援拠点になることです。そのためには患者さんがご自身で健康を守れるようになることが一番だと考え、知識と技術の面からサポートしたいと思ってます。まずご自身の状態を知ってもらうことが第一歩ですから、当院では治療を開始するまでに3回来院してもらいます。痛む場合は別ですが、最初に歯の写真とエックス線写真、動画を撮影し、歯周組織検査などを行って歯の資料を取り、紙やアプリでお渡ししています。それから治療計画の相談をするという流れです。その際、当院ではお口全体を一つの単位として診断し、治療計画を立案します。口の中に砂や髪の毛が入っただけで違和感を持つように、お口の中は感覚に優れていますから、1本の歯の治療をするにあたっても全体の視点からバランスを取らないと、大きなずれが生じることもあるからです。
通院を継続してもらうために、工夫していることはありますか?

【桂副院長】経過がわかるように、治療前、途中、治療終わりに患者さんの歯の写真を撮っています。治療やセルフケアの頑張りが目に見えないと、モチベーションを保てないと思いますから。最初は無頓着だった方にも、通院するうちにお口をきれいにする意識を高めてもらえたらうれしいですね。私たちが掃除したからではなく、患者さんの努力があってこその治療であると知っていただくことが大切だと考えています。また、どんな治療であれ歯を削る行為は「人工物での修理」。素材の劣化は避けられませんし、どんなに性能の良い車でもメンテナンスをしないと壊れるように、歯もメンテナンスを継続することが重要です。ただ一言でメンテナンスといっても、治療後に長持ちさせるため、そもそも治療しなくて済むようにするため、疾患の重症化予防のためなど、その目的はさまざま。当院では検査・診断の結果をもとに、患者さんに合ったメンテナンスを提供していきます。
歯の治療だけの関係ではなく人間同士の付き合いを
こちらでは、セルフケアの重要性を強く患者さんにお伝えしているそうですね。

【桂副院長】セルフケアは、ほぼすべての土台になるといっても過言ではありません。歯科の治療は補助的なもので、毎日の歯磨きや食生活が一番で、健康を守ることにもつながるとお伝えしたいです。当院では歯科衛生士が患者さんに寄り添い、歯の話だけではなく食生活や世間話など、会話が弾む姿をよく見かけます。信頼関係を築きながら、セルフケアの仕方や重要性を具体的に伝えてくれています。
【秋月院長】患者さんにまず伝えるのが食生活についてです。極論ですが、子どもは甘い物を食べなければ歯磨きをしなくても虫歯になりにくいです。大人が虫歯になるのは自己責任の部分が大きいですが、子どもは親次第。子どもの頃に食生活の意識を身につけておけば、大人になっても継続できると考えています。
子どもの歯の健康はいつ頃から意識するべきですか?
【桂副院長】妊活中から意識したほうがいいです。胎児は血液で栄養をもらっているので、母親の口腔内が汚れていると、血液の中に歯周病菌が混じり、胎児に影響が及ぶことがあります。また、妊娠すると、女性ホルモンが唾液中に多く分泌されて菌が元気になり、歯周病にかかりやすくなるとされています。口腔内をきれいに保っていれば、歯周病が悪化することはほとんどありません。また、赤ちゃんは母乳を飲む際、口の筋肉や舌を使うので歯並びに影響が出る可能性があります。しかし適切な方法で授乳すれば悪影響を避けることが見込めるので、出産が近づいてきたら授乳方法をレクチャー。その後も離乳食や食べさせ方をお伝えしています。
最後に、読者にメッセージをお願いします。

【秋月院長】親は子どもを優先し、自分の歯には目が向きにくいものです。治療というより、美容院に行くように気分転換がてら歯のメンテナンスや定期検診に来ていただければと思います。早めに来院してもらい、少しの治療で終えられることが、当院にとっても理想ですからね。
【桂副院長】開業して10年たち、治療だけではなく人間同士のお付き合いをしてくれる患者さんが増えたように思います。差し入れをくださる方や、プライベートな話をしてくれる方もいてうれしいです。歯の治療プラスアルファで心を通わせるのが、地域の歯科だと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/45万円、マイクロスコープを用いた根管治療/5万円~10万円 (※症例によって変わります)、床矯正/8万円~(※症例によって変わります)