痛くなくても定期的な受診を
歯を失わないためのメンテナンス
つばさデンタルクリニック
(大阪市生野区/寺田町駅)
最終更新日:2023/06/06
- 保険診療
口腔の健康と全身の健康には相関関係があり、自分の歯が多く残っている人は病気や認知症になるリスクが低いともいわれている昨今、予防歯科の重要性はますます高まっている。実際、痛くなる前に予防の目的で通院する習慣を持つ人が増え、虫歯や歯周病で悩まなくなっている人も増えつつあるそうだ。大阪市生野区にある「つばさデンタルクリニック」の土井博史院長は、定期的な受診で虫歯や歯周病予防をして歯を守ってほしいと予防歯科に注力する歯科医師の一人。子どもから高齢者、また歯科医院を苦手とする人など、すべての人にその重要性を語りかけている。今回はそんな土井院長に、歯が痛くないうちから受診し、メンテナンスで口腔の健康の維持につなげるという予防歯科について、詳しく話を聞かせてもらった。
(取材日2023年4月20日)
目次
自然治癒しない虫歯や歯周病。定期的な受診で早期に発見し、適切な治療で口腔の健康を守ってほしい
- Q歯が痛くなくても受診したほうがいいのでしょうか。
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A
「虫歯(う蝕)は痛いもの。歯周病は歯がぐらぐらになるもの」と思っている人は多いと思います。実はそれは大きな間違いで、初期の虫歯、初期の歯周病にはほぼ自覚症状がありません。またお口の中、特に奥歯は自分で見るのも大変ですから、自分で見つけるのはとても難しいです。そのため、気がつくのは症状がかなり進行してから。痛い虫歯や、歯がぐらぐらになった歯周病は、かなり症状が進行した状態なのです。歯は自然治癒することがないため、そうなると治療は避けられません。治療のためとはいえ、削った歯や抜歯した歯は再生しません。自分の歯を守るためにも、定期的に歯科医師や歯科衛生士のチェックを受けることをお勧めします。
- Qどれくらいの頻度で受診したほうが良いでしょうか?
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A
当院では3ヵ月に1度のペースを推奨しています。このペースなら仮に虫歯や歯周病になっていたとしても、重症化する前に発見し、食い止めることが望めます。しかし、これはあくまでも一般的な話であって、すべての人に当てはまるわけではありません。歯磨きが上手で口腔内が良い状態を保っている人であれば半年に1回という方もいらっしゃいますし、逆に歯磨きが苦手だからと毎月受診してくださる方もいらっしゃいます。予防歯科の目的は、健康なお口の維持ですから、患者さんに合わせたスケジュールをご提案しています。また、無理のあるスケジュールでは続きません。ライフスタイルに合わせた提案もできますので、気軽にご相談ください。
- Q何歳くらいから意識したらいいですか?
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A
何歳からでも大丈夫です。小さなお子さんから高齢の方まで、思い立った時がお口を健康に変えるチャンスです。「もう遅い」ということはありません。もちろん「早すぎる」ということもありません。予防歯科では、それぞれの年齢・状態に合わせた予防ケアができますし、アドバイスも可能です。歯の治療にトラウマがあり、足が遠のいてしまった人も大歓迎です。「しばらく行ってないから恥ずかしい」と思う必要はないんですよ。予防歯科に取り組み始める人と諦めて何もしない人では、この先の「未来」が大きく違います。虫歯や歯周病のないお口で、いくつになっても元気で過ごすために、難しく考えず、気軽に足を運んでいただけるとうれしいです。
- Qメンテナンスはどのようなことをするのですか?
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A
まずは、虫歯や歯周病のチェックを行います。初診時にはエックス線や口腔内の写真を撮影します。もしも虫歯や歯周病があれば、予防の前にまずは治療します。次に歯の汚れを確認し落としていきます。毎日歯磨きをしていても、歯と歯の間や歯と歯茎の間は磨きにくく、プラークや歯石がたまりがちです。自分で取り除くことは難しいため、歯科衛生士が丁寧に取り除いていきます。汚れを取り除けたら、歯の表面をつるつるになるよう磨き、フッ素を塗布して仕上げます。毎日歯ブラシしていても、プロのメンテナンスは大切です。最後に、セルフケアに関するアドバイスやブラッシング指導を行い、その日のメンテナンスは終了となります。
- Q自宅ケアの方法についてアドバイスをお願いします。
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A
毎日歯磨きしていても、なんとなく磨いている人が多いかなと思います。そこで、ちょっと意識を持ってみることをお勧めします。全体的にざっと磨くのではなく、右上、左上、右下、左下、それぞれ表と裏に分けて、その部分ごとに丁寧に磨いてみましょう。それだけで仕上がりが違ってくるはずです。真面目な人ほど力を入れてゴシゴシ磨いてしまいますので、力を抜いて軽くブラッシングするのもポイントです。また、適切な器具を使うのも大切。歯間を清掃するデンタルフロスはY字型のものが使いやすく、虫歯になりやすい奥歯にも適しています。ほかにもお伝えしたいことはたくさんあります。ぜひご来院いただき、アドバイスを役立ててください。