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小宮山 学 院長の独自取材記事

ありがとうみんなファミリークリニック平塚

(平塚市/伊勢原駅)

最終更新日:2020/04/01

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丹沢山系大山を水源とし、平塚市中心部を流れる鈴川のほとりにある「ありがとうみんなファミリークリニック平塚」。院長の小宮山学先生は、専門化・細分化する診療科を横断して、総合的に患者を診る医師だ。朗らかな人柄と豊富な診療経験により、地域住民に親しまれ、信頼されている。小児から高齢者まで患者のニーズ、地域のニーズに応じて、外来診療だけでなく、訪問診療にも対応している。訪問診療では、患者の思いと生活に重きを置いた「看取り」にも力を入れ、QOLの向上に努めている。地域の人々の健康と幸せに真摯に向き合う小宮山院長に、診療に対する思いから将来の展望まで、存分に語ってもらった。(取材日2018年11月1日)

自宅のようにくつろげる、心落ち着くクリニック

木造の開放的で明るい雰囲気が、まるで小学校のようですね。

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パーソナルメディカルホームという、患者さんにとっての医療面での戻るべき場所という概念があり、このクリニックを自宅のように感じてもらいたかったのです。いわゆる病院という雰囲気にはしたくなかったので、自宅や小学校のイメージを意識しました。実際に子どもの来院は多く、夕方にはキッズスペースで宿題をしている子もいます。一方でスタッフの作業効率やコミュニケーションを重視して、院内レイアウトにもこだわりました。診察のための個室はありますが、それ以外は全部オープンスペースです。医師も含めて、個人の部屋も机もありません。常に同じ場所で、それぞれの仕事が見えることで、話し合いながらお互いをカバーできるようにしています。

個性的なクリニック名ですが、どのような思いで名づけたのですか?

命名にはコンセプトが大事だと言われたので、感謝の気持ちを軸にし「ありがとう」をキーワードに決めました。さらに家庭医療を主とする診療所なので「ファミリー」、地域への思いを込めて「平塚」、感謝を「みんな」へという気持ちから、この名前になりました。おそらく、名前が長いとつっこまれたり、間違えて覚えられたりもすると思い「ありファミ」という愛称も決めていたのです(笑)。当院の特徴である「家庭医療を専門とする医師」を知ってもらうきっかけになれば、という思いもありました。家庭医療専門の医師とは日常的な病気やケガを診る、基本的な健康問題を診療する医師のこと。例えば、風邪をひいて内科を受診したとき、ついでに転んでケガしたところや、水虫などもあわせて診るのが家庭医療専門の医師の役割なのです。

家庭医療専門の医師を志した経緯をお聞かせください。

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私の世代は医学部卒業後、8割から9割が大学病院に残り医局に入るのが一般的でしたが、私は進路に悩んでいました。そんな時に見学に行った病院で知り合った先生から、専門化・細分化する診療科を横断して、総合的に患者さんを診るスキルや臨床を学べると教えてもらったのです。そこで当時としては、そのような医師を養成する数少ない病院の一つだった舞鶴市民病院で1年間トレーニングしました。その後は母校の東京医科大学の関連病院で呼吸器内科の医師として勤務したのですが、経験を積んでいく中で、日々の仕事、自分の適性、やりたいことなどを見つめ直したのです。その結果、やはり総合的な診療をやろうと決意し、亀田総合病院で家庭医療専門の医師を養成する研修を受けました。開業を決めたのは家庭医療を専門とする医師として診察しているうちに、自分の思う医療を提供したい、地域医療専門の医師になりたいという自分の思いに気づいたからです。

日常生活まで意識し、患者にとって適切な医療を追求

開業から3年ですが、何か変化はありましたか?

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家庭医療を専門とする医師のいるクリニックとして総合的な診療をする、地域に根づいたクリニックでありたいという、大きな方向性に変化はありません。2人の医師でスタートしたのですが、現在は開業当時より患者さんも増え、常勤の医師が3人、非常勤の医師が3人となり、看護師や事務職員などスタッフも増員しました。規模としては少し大きくなりましたので、その分、患者さんや地域のニーズに応えられる幅が広がっていると思います。以前から在宅医療と介護の連携事業もしていましたが、一歩進んで医療介護の勉強会を主催したり、地域の学校や、さまざまな団体からの講演依頼も、以前よりお受けできるようになりました。当院は平塚市にありますが端のほうなので、伊勢原市、秦野市にも患者さんがいます。そのためこの3市にお住まいの方が内科検診、乳児検診、予防注射などを受けられるよう申請しました。

診療の際は、家庭医療を専門とする医師としてどのようなことを意識しているのでしょう。

目の前の病気だけでなく、将来の健康に向けた診療です。風邪の受診でも予防的なアプローチに踏み込み、本人が気づかないような健康問題を捉えて適切な医療を提供することを強く意識しています。また家庭環境にも気を配り、さまざまな背景から要因を考えて、適切な手段で治療するのです。例えば腰が痛いという患者さんならエックス線検査を行い、骨に異常がなければ湿布を処方して経過を見ますよね。しかし家庭医療専門の医師は、生活の中にも意識を向けて原因を探るのです。よく話を聞き、介護が大変で腰を痛めたとわかれば介護保険を導入して本人の負担を減らしたり、腰に負担のかからない方法をヘルパーさんから指導するように連絡をとったりします。病気や健康のことを中心に診ますが、家族背景、その人の哲学、どう生きたいのかというところまで、普段の会話の中で情報を拾い集めて、オーダーメイドな医療を提供するのです。

訪問診療についてはいかがですか。

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訪問診療は、入院で身体機能が低下して自立できなくなった、あるいは、がんなど難病の末期で最後は家で過ごしたいという方が大半です。また老衰や認知症などで通院が難しくなり、在宅医療に移行するという方も少なからずいます。患者さんにとっては、ずっと診ていてもらった医師に最後まで診てもらえないのは不本意だと思いますし、僕らとしてもしたくない。ですから当院では在宅での緩和ケアを含めて、「看取り」もします。人生の最期を医療の中で迎えるのか、生活の中で迎えるのかで、QOLがまったく違ってくるからです。訪問診療では生活の中に医療があり、特に最期を迎えるという段階においては医療よりも、本人の思いや哲学、生活に重きを置いたほうが、トータルとしてのQOLが高くなります。生活の文脈を大切にし、医師、看護師、介護士、ケアマネジャーなどが、チームで支えるのです。

総合的に診療する医師だからこそ気軽に利用してほしい

お忙しい毎日だと思いますが、休日はどのようにお過ごしですか?

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学生時代は芝居をしていたので、たまに見に行くことはありますが、たいてい休みの日も仕事をしています。院外の活動もしていて、医師会や学会関係で仕事を依頼されることもありますし、勉強会の準備など、診療時間外にやらなければいけないことも多いのです。地域への啓発活動は広い意味で地域の健康を診ることですから、学校での講演会も定期的に行っています。でも、すべてやりたいからしているので、仕事が趣味みたいなものですね。

今後、新しく取り組みたいことなど、将来の展望をお聞かせください。

今考えているのは病児保育です。熱があったりしたら、保育園や幼稚園は預かってくれないので、帰されちゃうじゃないですか。そうなると、お母さんは仕事を休まなければなりません。入院が必要な場合は別ですが、家で見られる範囲の病気のお子さんを預かって、夕方、迎えに来ていただくというのが病児保育です。この院内はスペースがないので、近くで適切な場所を探しているところです。中長期的には、できればもう1人くらい医師を増やして、訪問診療のエリアを広げたいですね。この周辺は訪問診療をしている医師はまだ足りないと感じますし、看取りまではさらに少ないので、そこも広げていきたいと思っています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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最初は、内科や、小児科の医師だと思ってもらっても構いません。普段の診療の中で「これも診てくれるんだ。こんな相談にも乗ってくれるんだ」と、少しずつ家庭医療を認識してもらえればと考えています。ですから、とりあえずは何でも相談してほしいですね。何科専門医師というのではなく、総合的に診療を行う医師ですから「この症状、痛みは何科に行けばいいの?」と考える必要もありません。親戚のお医者さんと世間話をするくらいの感覚で、気軽に利用していただきたいと思います。

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