生涯にわたり健康な歯を守るため
重要となる小児期からの歯列矯正
いのうえこどもファミリー歯科
(奈良市/富雄駅)
最終更新日:2024/07/01


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口腔ケアへの意識の高まりから、子どもの虫歯は年々減少傾向にあるといわれる昨今。しかしながら意外にも、「歯列矯正を要する子どもの数は逆に増えているように感じています」と、「いのうえこどもファミリー歯科」の井ノ上馨之(よしゆき)理事長は話す。その背景には、現代の食生活や生活習慣などが関係しているそうだ。「子どものうちにしかできない対処法もありますから、なるべく早いうちに歯科へ相談に来てほしいです」と話す先生に、小児期の矯正について詳しく聞いた。
(取材日2024年6月7日)
目次
小児期からの矯正で将来のリスク軽減を図る
- Qこちらの小児歯科ではどんな診療やケアを行うのですか?
-
A
▲生活環境なども認識するための口腔内チェック
お子さんに対しては、虫歯のチェックと、歯並びをはじめとする歯や骨の発育チェックを主に行っています。また食べる、話す、呼吸するなどの機能が十分に発達していない「口腔機能発達不全症」が見られるかどうかも合わせて調べます。そのため、歯が生え始める生後8ヵ月くらいから定期的に歯科へ通い、メンテナンスを行うことを推奨しています。虫歯などの口腔トラブルの予防や正しい口腔ケアのためには、早く歯科へ通い始めるに越したことはない、と思っていてください。
- Q矯正に関しては、どのタイミングで始めるべきですか?
-
A
▲小児期からの矯正に力を入れている井ノ上院長
永久歯に生え替わり始める5〜6歳くらいから、予防的に矯正を始めるのが理想です。また、歯並びが悪くなる根本的な原因にも早期に対処しておく必要があります。年齢が上がるほど歯が動きにくくなりますし、もっと年を重ねると虫歯や歯周病の治療を先に行わないといけないケースが増えますから、遅くとも10代前半くらいまでに始めることをお勧めします。最近は虫歯のお子さんは減ってきましたが、やわらかい食事が増えたためか、きちんと噛めずに歯並びが悪くなってしまう子はむしろ増えているように感じていますので、気をつけて見てあげてください。
- Q具体的にはどんな流れで小児矯正を行うのですか?
-
A
▲矯正にも段階的な方法が存在する
まずは「一期矯正」という、乳歯のうちにしかできない矯正を行います。具体的には、舌や口の筋肉をコントロールする、上顎を広げる、あるいは成長を抑制する、下顎を前に誘導するといったことを目的に、骨の成長を利用した矯正を行います。これらの矯正は、8歳前後までに行うことを推奨します。その後、永久歯に生え替わっていく過程で行う「二期矯正」という成人の矯正と同じ方法に移ります。一期は歯を並べる土台をつくるための矯正、二期は歯をきれいに並べていくための矯正です。そのため一期矯正だけで終わることは少なく、親御さんには二期矯正まで必要になると説明しています。
- Qこちらで対応している矯正の種類について教えてください。
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A
▲早期の矯正治療により、負担の軽減も見込むことができる
お子さんの場合は、マウスピース型装置を用いた矯正に対応しています。この矯正法は痛みが少なく、装置も目立ちにくいのがメリットです。症状やご希望によっては、咬合誘導装置を使用することも可能です。成人の場合はワイヤーを使った矯正や、抜歯を伴う難しい矯正にも対応しています。一般的に年齢が上がるほど難易度の高い矯正が必要になる確率が上がりますので、繰り返しになりますが早めの矯正開始が肝心です。
- Q親御さんにお子さんの様子で気をつけてほしいポイントは?
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A
▲保護者や子どもにもわかりやすい説明を心がけている
クチャクチャ音を立てて食べるなど、食べ方が汚い場合はきちんと噛めていなかったり、歯を使わず舌を使って食べていたりする可能性があります。また、口をポカンと開けている子も、舌や頬の筋肉がうまく使えていないことが考えられます。そのほか指しゃぶりなどの癖も歯並びを悪くする原因となり得ますので、日常生活を見ていて気になることがあれば、一度歯科へご相談ください。甘いジュースをよく飲むなど、習慣が口腔環境に影響を与えることも少なくないので、それらを含めてお子さんをよく見てあげましょう。
自由診療費用の目安
自由診療とは一期矯正/41万8000円~、二期矯正/33万円〜、乳歯の反対咬合に対する咬合誘導/6万6000円、成人矯正/77万円~