小川 集司 院長の独自取材記事
トラスト歯科
(大阪市西区/阿波座駅)
最終更新日:2021/10/12

大阪メトロ千日前線・中央線の阿波座駅から西へ50mほどの距離にあるビルの5階に「トラスト歯科」がある。同じ場所にあったクリニックの院長として勤務していた小川集司先生が2017年に引き継ぐかたちで新たにオープンした歯科クリニックだ。小川院長は歯科口腔外科を専門とする歯学博士であり、大学病院をはじめとする総合病院での診療を経験。同院のリニューアルにあたって自らが理想とする診療を実現するため、マイクロスコープや歯科用CT、滅菌器などさまざまな医療機器を導入。虫歯・歯周病の治療と予防から、噛み合わせ、インプラント治療、矯正まで、患者の多様なニーズに応えて幅広い分野の診療を行っている。開業に至った経緯から診療の特徴、今後の展望などについて、話を聞いてみた。
(取材日2019年10月2日)
10年後でもしっかり噛めるような治療をめざす
それまで院長として勤務されていたクリニックをリニューアルして開業されたそうですね。

そうです。それまで約10年間院長を務めていたクリニックで、長い間診てきた患者さんもいらっしゃいましたので「ここを閉めて別のところで開業します」というわけにはいきませんしね。診療の内容としては、私が歯科口腔外科出身であることから、リニューアル前から噛み合わせの診療には力を入れていましたので、北は富山県、南は沖縄県と、遠方から来院される患者さんもいらっしゃいました。噛み合わせというのは、全身の健康に深く関係していると考えられていて、最近ではメディアでも話題に取り上げられることが多くなってきました。当院では他にも虫歯や歯周病の治療からインプラント治療、難しいケースでの親知らずの抜歯などにも幅広く対応しています。
診療にあたって心がけていることはありますか?
しっかり診断して、その診断に基づいて精密な治療をすることです。プロとしての目線から、患者さんにとって最善と思われる治療など、いくつか方法をご提案し、その中から治療期間や費用なども考えた上で選択してもらうようにしています。ときには「今すぐ治療してほしい」という患者さんもいらっしゃいますが、症状などによってすぐに治療を始められないこともあります。そういったときは、その理由と、当院での治療の進め方をしっかりと説明します。また、患者さんの多くは歯を抜きたがらないのですが、問題のある歯を残しておくと、全身の健康に悪い影響を及ぼすこともあります。抜くべき歯をそのままにしておくと、年単位で考えたときに、他の歯まで悪くなる可能性もあります。そういったことを十分に説明した上で、10年後でもしっかり噛めるような治療を心がけています。また、麻酔の仕方にも工夫して、注射するときも痛みを感じにくいよう努めています。
大学病院での診療経験で生かされていることはありますか?

自分がしたいと思える治療を優先するということですね。それは結果として患者さんにとって最良の治療につながると考えています。また、自分がしてほしい治療を患者さんに対して行うということでもあります。先日も、他院で治療した歯が取れてしまったのでつけてほしいという患者さんがいらっしゃいました。話を聞くと、他の病気で近々全身麻酔の手術をするということでした。患者さんはその前に絶対つけてほしいと希望されていましたが、全身麻酔をした状態で挿管などをした場合に、安定していない歯が外れて体内に落ちたりする可能性もあります。私にも歯科医師としての責任があるので、できませんとお断りしました。それも患者さんのことを考えた上での決断です。
先進機器も入念なプロセスも、すべては安心のため
衛生管理には特に徹底されているとお聞きしました。

口腔外科時代はとにかく清潔ということに徹していましたから、それを体が覚えているんですよ。ブラッシング指導では患者さんに歯ブラシを持参してもらうか、こちらで新しく用意したものを使っていただき、絶対に再使用しません。治療で使うタービンも、患者さんごとに滅菌器で滅菌しています。さらに口腔外バキュームを全部の診療台に取り付け、天井には空気清浄器を設置しています。ここまで徹底している歯科医院は多くはないかもしれませんが、私にとっては最低限必要なものという感覚ですね。
こちらではマウスピース型装置を用いた部分矯正を行っていますね。
奥歯の噛み合わせはそのままに、審美的に気になるゾーンのみの部分矯正を行います。マウスピース型装置であれば透明なので周囲の人からはほとんど気づかれませんし、本格的な矯正より期間が短く、費用も抑えられるのがメリットです。例えば歯並びがコンプレックスになっている患者さんがいたとして、ちょっとしたすきっ歯のために全体矯正をする必要はありません。本人には大きな悩みのこともあるでしょうから、本格的な矯正は無理だと諦めているような方に、この部分矯正は非常にお勧めできます。
治療に際して特に重要なことは何ですか?

患者さんを自分の家族や大切な人と同様にとらえ、安心の治療を提供していくことです。将来にわたってトラブルを起こすことのない治療、10年後にも困らない治療こそが何よりの安心ではないかと私は考えています。当院で一度治療を行った部分は絶対に悪くしたくない。再治療はしたくない。そのためには時間をかけて丁寧な検査や診断を行い、持てる技術を総動員しなければなりません。安心な治療を行おうとすると、こうしたステップが絶対に必要なんですね。単に私の自己満足ではなく、いろんなリスクを排除しようとすると必然的にそうなります。
それの実現のためにこだわられている部分はありますか?
一つは医療機器ですね。当院では歯科用CTはもちろん、24倍率のマイクロスコープを補綴にまで駆使し、とにかく精密な診断や治療を心がけています。歯を削ったところにぴったりと合わせる、いわゆる正確な適合を実現するにはマイクロスコープは欠かせないと考えているのです。また、10年来付き合いのある歯科技工士さんとタッグを組み、補綴物の完成度を極限レベルにまで高めることをめざしています。あと、治療に焦りは禁物です。ブラッシング指導をした上で歯茎の状態を整えてから治療に取りかかることもありますし、インプラント治療でも前準備をしっかりと行うことにより、これまでいわれていた術後の痛みや腫れを最小限に抑えることに努めています。
美容院に行くような感覚で歯のメンテナンスを
スタッフさんとの関係で大切にしていることはありますか?

一番大切にしているのは、診療に対する僕のモットーやコンセプトを理解してもらうことです。最近、優しい先生方が多いようですが、私自身はそんなに優しいほうではないかもしれませんね(笑)。中にはスタッフに対して友人のように接しているクリニックもあるようですが、いつもスタッフに言っているのは「プロとしての仕事をしてください」ということです。その点を理解してくれているスタッフが残ってくれているのではないかと思います。リニューアル前から働いてくれているスタッフとは、10年以上の付き合いになりますね。
リフレッシュのためにしていることなどはありますか?
仕事が趣味のようなものなので、特にはありません。勉強会や学会、講演に出かけたりするのが気分転換になっているかも知れません。先日のニューヨーク大学での勉強会もそうですが、開業してからはそういったことに使える時間が少し自由になりました。コンピューター上でシミュレーションした通りにインプラントを埋入していくシステムなどもすでにありますが、歯科用デジタル系のデバイスとしてはこれからも新しい機器が出てくると思うので、そういった先進的な知識や技術はできるだけ取り入れていこうと思っています。
今後の展望と読者へのメッセージをお聞かせください。

虫歯・歯周病の予防には、定期的なメンテナンスがとても大切です。メンテナンスで来院した時に小さな虫歯があればすぐ処置をするなど、大きく歯を削るなどの治療にならないような状態を維持していくのがベストだと思っています。歯が痛くなってから来たのでは遅いので、その前に治療することが重要なんです。きちんと定期的に歯のメンテナンスをしている人は、まだ少ないのではないかと思います。美容院やネイルサロンで髪や爪の手入れをするのと同じような感覚で、定期的なメンテナンスに来てほしいですね。そういった習慣を定着させて、予防が中心になるような歯科医療界になってほしいと願っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/37万4000円+上部構造13万2000円~
ホワイトニング/1万6500円~
マウスピース型装置を用いた矯正/診査料3万3000円+矯正36万3000円~
オールセラミック/14万3000円~
※価格はあくまで目安ですので、詳細はクリニックへお問い合わせください。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供を行っております。
カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)については、効果・効能に関して個人差があるため、 カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)を用いた治療を行う場合は、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。