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市販の咳止めでは治らない咳、
長引く咳は医療機関で受診を

百合が丘すみれクリニック

(川崎市麻生区/百合ヶ丘駅)

最終更新日:2021/10/12

百合が丘すみれクリニック 市販の咳止めでは治らない咳、 長引く咳は医療機関で受診を 百合が丘すみれクリニック 市販の咳止めでは治らない咳、 長引く咳は医療機関で受診を
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風邪は治ったと思ったのに、咳だけ何日も残っている。病院に行くまでもないからと、市販の薬を飲んで我慢していたが咳がなかなか治まらない。こんな具合にしつこく続く咳をどうにかしようと、医療機関を受診する人が増えている。市販の薬を飲んでも止まらない咳は要注意。薬が効かないのは風邪による咳ではないからで、放置しておくと気管支喘息に移行する恐れがあり、ある日突然、発作を起こすことも考えられるという。原因は、アレルギー、消化器系のトラブル、喫煙などさまざま。原因に応じた治療を受けない限り、いつまでもその咳が治まることはない。呼吸器疾患やアレルギー疾患も診ている内科医院「百合が丘すみれクリニック」の松浦健太郎院長に、長引く咳の診察・治療から日頃から注意すべきポイントまで聞いた。

(取材日2016年3月23日)

2週間以上続く咳なら、別の病気が隠れている可能性大。原因を突き止めて適切な治療を受けるためにも受診を

Q長引く咳とはどのくらい続くことを言うのですか?
A
百合が丘すみれクリニック 患者の生活環境の相談にものっている松浦院長

▲患者の生活環境の相談にものっている松浦院長

定義としては8週間以上続くと慢性の咳になりますが、2、3週間以上続いたら注意していただきたいですね。風邪などの感染症が原因で起こる急性の咳は、だいたい10日から2週間で治まります。逆に言えば、2週間も3週間も咳が続いたら、普通の風邪が原因ではない可能性が高いということです。風邪が原因なら、基本的には、治療を受けなくてもやがて咳は治まります。しかし、そうした感染症以外が原因なら放置しておくと治りません。咳の出始めたきっかけは風邪やインフルエンザだったとしても、熱が下がり元気になったのに咳だけが残り、市販の咳止めを飲んでも効かないという場合は要注意です。

Q原因はどんなものが考えられますか?
A
百合が丘すみれクリニック 治療、症状について、わかりやすく説明している

▲治療、症状について、わかりやすく説明している

一番多いのは、咳喘息です。咳喘息はアレルギー疾患のひとつで、気管支喘息のようなヒューヒュー、ゼイゼイといった喘鳴のない慢性の咳のことを指します。原因となるアレルギー疾患は、アトピー疾患に関連するアトピー咳嗽(がいそう)、鼻粘膜の膨張で鼻水がのどに落ちて咳の原因になるアレルギー性鼻炎なども考えられます。その他、副鼻腔という鼻の奥の空洞にたまった膿がのどに落ちて咳の原因になる副鼻腔炎。肺がんや結核などの怖い病気。緊張すると咳が出る心因性のもの。喫煙習慣のある方の場合はCOPD(慢性閉塞性肺疾患)。さらに、咳とは一見無関係に思えそうな逆流性食道炎を患っていると、胃酸の刺激で咳が出ることがあります。

Qこちらではどのように診察していますか?
A
百合が丘すみれクリニック 咳やアレルギーについての情報はさまざま。医師に相談を

▲咳やアレルギーについての情報はさまざま。医師に相談を

咳が何日前から何をきっかけに始まったのか、逆流性食道炎が疑われるような胸やけはないかなどを問診で伺い、聴診器で呼吸音を確認しますが、長引く咳はほとんどの場合で呼吸音に異常がありません。この時点で肺炎や肺がん、結核が否定できなければ胸部レントゲンを撮り、必要に応じて採血し炎症反応を確かめます。また、当院は呼吸器内科も標榜していますので、機械を使って呼吸器検査をしたり、息を吐く力をチェックしたりしますね。アレルギーがありそうなら、鼻の粘膜を診たり、場合によっては採血してアレルギー検査を行うこともあります。以上のような診察・検査から総合的に判断し、原因や病気の診断を付けるというのが大まかな流れです。

Q治療についてはいかがでしょう?
A
百合が丘すみれクリニック 患者との対話を大事にしている

▲患者との対話を大事にしている

咳が出る原因に応じた治療を行っていきます。咳喘息なら気管支拡張薬を出したり、アトピー咳嗽ならステロイド剤を処方したり、逆流性食道炎が原因なら胃酸を抑えるお薬を飲んでもらったり、ということですね。ただ、咳喘息とアトピー咳嗽はどちらもアレルギーが原因で、しかも両方が重なって出ている患者さんもいるので、なかなか診断が付けにくいことがあります。お薬にもさまざまな種類があり、例えば咳喘息では、飲み薬、貼り薬、吸入薬のどれにするか、ステロイドを使うかどうかなど、患者さんともお話をしながら選んでいく形です。ステロイド剤に不安を抱く方もいらっしゃると思いますが、吸い薬の場合はほとんど副作用がありません。

Q日常で気を付けられることはありますか?
A
百合が丘すみれクリニック 高齢者から幼児までさまざまな年代の患者が訪れている

▲高齢者から幼児までさまざまな年代の患者が訪れている

風邪やインフルエンザが引き金になることが多いですから、手洗い、うがい、マスクなどの感染症対策は有効です。喫煙の習慣がある方は、タバコをやめるべき。吸っている間は、絶対に咳は治まりません。あとは、咳の出る原因を、取り除けるものなら取り除くことですね。いろいろな検査ができる時代ですから、例えば咳喘息などアレルギーが原因ならアレルギー症状を引き起こす原因を突き止めて、こまめに掃除をするなどで取り除ければそれが予防になります。もうひとつ重要なのは、市販の咳止め薬を飲んで安心しないこと。感染症による急性の咳には効きますが、長引く咳は違う病気ですから治せません。必ず、医療機関を受診してください。

ドクターからのメッセージ

松浦 健太郎院長

咳がいつまでも治まらないと、睡眠が十分に取れなかったり、仕事がしにくかったり、生活に支障が出ることもあると思います。私自身、気管支喘息があり、咳喘息を経験してきましたのでそのつらさは身に染みてわかっているつもりです。なかなか咳が治まらない時は、ぜひご相談ください。長引く咳は、市販の咳止め薬が効かないのがポイント。風邪が原因ではありませんから、薬を飲んでも治りません。たかが咳と放置してしまうと、気管支喘息に移行し発作を起こす恐れもありますので、軽視は禁物です。当院には呼吸器内科・アレルギーを専門とするドクターもいますので、さまざまな角度から原因を突き止め、的確な治療を行っていきます。

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