吉田 憲生 院長の独自取材記事
YOSHIDA矯正歯科クリニック
(福岡市中央区/天神南駅)
最終更新日:2021/10/12
福岡市営地下鉄・天神南駅より徒歩1分の場所にある「YOSHIDA矯正歯科クリニック」。吉田憲生(よしだ・のりお)院長が2014年に開院した矯正歯科専門のクリニックだ。矯正法は、歯の裏側に装置をつける舌側矯正の「気づかれにくい矯正」や、透明のマウスピース型の装置を用いた「見えにくい矯正」などに対応。成人、小児ともに一つの手法に限定せず、いくつかある選択肢の中から一人ひとりの歯の状態に合った手法や、開始するタイミングを見極めた上で矯正を行っている。休日は小学生の2人の子どもとの時間を大事にし、「ほぼ家族サービスです」と目を細める吉田院長に、矯正専門の歯科医師になったきっかけや診療方針、クリニックの今後についてなど幅広く語ってもらった。
(取材日2021年1月5日)
大学時代に受けた矯正をきっかけに専門分野を決意
福岡が地元とのことですが、小さい頃はどのようなお子さんでしたか?
小学生の頃は勉強もスポーツもできるほうだったと思うのですが、中学くらいからの思春期はうまくいかないことが多かったような気がします(笑)。その頃は特になりたい職業はなかったものの、父が内科の医師をしていたことや、叔父も医師をしていたりと、身近に医療従事者がいる環境だったことあり、漠然とそういった道に進むのかなとは思っていましたね。そして、先に歯科医師になった兄の影響も多少受け、同じ歯科医師をめざすことに。しかし、現実はそう甘くはなく、予備校にも通いましたし、その時にこのままではだめだと思い、ようやく本腰を入れて勉強を始めた記憶があります。
そして福岡歯科大学へ進まれたのですね。
ええ、浪人時代もありましたから、大学生活は友人と飲みに行ったり楽しかったですね。勉強に関しては、基礎から始まり3年生になると臨床もありますので、徐々に興味が深まっていきました。その中でも矯正の分野はかなり興味を持ちました。この分野は、疾患を治すというより、現状をより良くする目的のほうが強いですし、虫歯治療などとは視点が違いますので、そこも面白みを感じた部分ですね。実は私自身、歯並びが悪かったので大学時代に矯正を受けたんです。尊敬する先生に出会えたのがきっかけだったのですが、それが矯正を深く学びたいと思うことにも大きく影響しました。実際に自分が矯正をしたことで、歯列矯正を行うことの意義を実感できたので、進むならこの分野だと思ったんです。
矯正をされる前は歯並びに関してコンプレックスをお持ちでしたか?
小さな頃から歯並びが悪いのは自覚していましたから、人前であまり笑えないというか、でこぼこした歯を見られたくないという気持ちはありましたね。実際に矯正をしたのは20代になってからでしたけど、気にせず笑えるようになったのが自分の中ですごく大きかったです。そういった経験は診療にも生かせますし、何よりも患者さんの気持ちが理解できますのでね。成人して歯列矯正を行う方は、悩まれた時間が長い分、心の傷が深い方も多くいらっしゃるんです。あと、装置をつけている時の痛みや不安に対するアドバイスも経験をもとにお伝えできるのも、矯正を受けたからこその強みだと思っています。
大事なのは歯の状態に合った矯正法を見極めること
大学ご卒業後は、同大学の矯正歯科に入局されたとお聞きしました。
ええ、大学ではさまざまな症例を診させてもらいました。歯並びも噛み合わせの状態もまったく同じ方はいませんし、専門性の高い分野ですので、臨床のカリキュラムもしっかり組まれていました。当時はその一つ一つをこなしていくのが大変だった記憶があります。治療計画を立てる部分も多く学びましたし、実習は徹夜になる日もありました。医局ではそのような日々を過ごし、その後は矯正専門のクリニックで5年ほど勤務した後、2014年に開院というのがこれまでの流れになります。
利便性の良いこの場所を選ばれた理由もお聞かせいただけますか?
もともと独立は考えていなかったのですが、クリニックに勤務している時に意識が少しずつ変化して開院を決意したんです。この場所を選んだのは、当時勤めていたクリニックが天神にあったのと、やはり天神という場所は立地的に人が集まる所であることが大きな理由です。院内は落ち着いた雰囲気にしたかったので、白をベースに少しでも開放感のある空間になるよう、設計士の方に相談しながら進めました。実際に開院してからの患者層は、男女問わずお子さんから大人まで幅広いですが、その中でも大学生や社会人の20代から30代の女性が多いように感じます。当院のホームページを見て来られる方も多いですね。
こちらでは、いくつかある矯正法の中でも舌側矯正を得意とされているそうですね。
これは歯の裏側に装置をつける矯正法で、ニーズも高いです。大学時代は歯の表側に装置をつける技法を学んでいたので、そちらも得意なのですが、勤務医時代に勉強会へ参加する機会があり、当時は本当にたくさん足を運びました。舌側矯正もそうですし、そこで学んだことを今生かしています。技術的には歯の表側より裏側につけるほうが難しいのですが、特に前歯が出ている方の場合は、歯が内側に入りやすい舌側矯正が向いていると思います。矯正にはワイヤーだけでなく、マウスピース型の装置を用いたものなど、いくつか手法がありますが、大事にしていることは、まず歯の状態を診て、その方に合った矯正法をご提案すること。状態によって向き不向きというのがありますから、必ずしも舌側矯正がベストとは限りません。なるべくご希望に沿った矯正を心がけますが、矯正の専門家として別の方法が良いと思う場合は、理由もしっかりお伝えするようにしています。
デジタル技術と昔ながらの手技を融合した歯科医療を
実際に矯正をされた経験がおありなので、患者さんとのコミュニケーションも取りやすいのでは?
それはありますね。装置をつけた時の違和感や痛みというのは、自分も経験しているので、「痛い時はうどんや豆腐を食べていました」など、当時のことをお話しすることも。個人差があるので一概には言えませんが、自分が経験していることで、その分伝えられることは多いと思います。ただ、技法によってかかる時間も変わってきますし、痛みや違和感にも差がありますので、重要なのは、やはり歯の状態に合った矯正法を見極めること。もちろん、患者さんのご希望もありますので、それを踏まえた上でいくつかの方法をご提案しますし、選択しやすいようにそれぞれのメリットとデメリットも必ずお伝えするようにしています。
お子さんの矯正を検討されている親御さんも多いと思います。
矯正歯科、小児歯科を行うクリニックは数多くありますし、歯科医師によって費用も方法もさまざまですから、どこで受けたらいいのか迷われる方は多いと思うんです。そこで大事なのは、しっかりと状態を診てもらった上で、提案された内容に納得できるか否か。少しでも引っかかる点があれば、遠慮せず納得できるまで説明を受けていただきたいと思います。一番多いのは、いつ矯正を始めたらいいのかという相談。早い時期に始めるほうが良いと思われている方が多いのですが、状態によってはそうとも限りません。私の小学4年生の娘も歯並びが悪いのですが、あえて今は何もしていません。噛み合わせによって早くしたほうが良い場合もあれば、顎の成長など様子を見たほうが良い場合もありますので、まずは今の状態を診てもらうことが大事だと思います。当院は無料相談も行っていますので、迷っておられる方はご活用いただければと思います。
では最後に、院長が思い描く今後のクリニック像についてお聞かせください。
今、情報発信の一つとしてSNSも利用しているのですが、これはスタッフが交代で書き、それぞれアップしてくれているんですね。最終的なチェックはしますが、内容はスタッフに任せています。交代で順番に書いてもらうほうが内容も広がりますし、私があれこれ指示するよりも面白いものになると思っているので。今後もそのスタンスは変えず、スタッフとの信頼関係を大事にしていきたいと思っています。あと、歯科もデジタル化に向かっています。そういった新しいものも積極的に導入しつつ、デジタルでは再現できない昔ながらの技術というのも大事にしていければと。デジタル時代といっても、なくしてはいけない手技というのは必ずあると思っているので、新旧のいいところをうまく融合しながら、質の高い歯科医療が提供できるクリニックでありたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とは表側矯正/75万円~、舌側矯正/95万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/45万円~、小児矯正/45万円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。