いびきや日中の眠気が発症のサイン
睡眠時無呼吸症候群の検査
さとし耳鼻咽喉科クリニック
(名古屋市守山区/新守山駅)
最終更新日:2021/10/12
- 保険診療
家族やパートナーにいびきを指摘された、朝すっきりと起きられない、日中に強い眠気があり仕事に集中できない……。「さとし耳鼻咽喉科クリニック」の加藤賢史院長によれば、そんな睡眠の悩みや経験がある場合、寝ている間に呼吸が止まってしまう疾患、「睡眠時無呼吸症候群」の可能性があるという。日本では200~300万人患者がいるとも推測される一方、治療を受けずにいる人も少なくない現状があるこの疾患。その特徴や検査・治療法について加藤院長に聞いた。
(取材日2019年6月20日)
目次
大人だけでなく子どもも要注意。早めの受診で健全な睡眠と日常生活を
- Q睡眠時無呼吸症候群とは、どのような病気ですか?
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A
就寝中、断続的に呼吸が止まってしまい、十分な睡眠が取れない病気です。ほとんどのケースでいびきを伴い、空気の通り道である上気道の狭まりや鼻詰まりが原因で起こります。症状はいびきのほか、日中の強い眠気、疲労感、起床時の頭痛、抑うつ感、集中力の低下などがあり、学業や仕事に影響を及ぼします。自覚症状がない人も多いのですが、放っておくと高血圧、狭心症、心筋梗塞や脳梗塞といった重大な合併症につながることもある怖い病気です。また、電車やバスの運転を仕事としている人や通勤などで車に乗る人は居眠り運転や漫然運転から事故を起こすリスクが高まるため、注意が必要です。
- Q耳鼻咽喉科では、どのような診療が行われますか?
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A
専門的なこととしては、上気道の状態をファイバースコープで調べるほか、鼻の通りを良くするための手術や上気道の狭まりの原因となる扁桃腺(アデノイド)の切除を行うこともあります。睡眠時無呼吸症候群には、上気道の閉塞が原因で起こる「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」と、呼吸をつかさどる脳の中枢の異常によって起こる「中枢性睡眠時無呼吸症候群」があり、症例としては前者が圧倒的に多いです。また、特に子どもの場合は扁桃腺の肥大が原因のことが多いため、喉や鼻を専門とする耳鼻咽喉科を受診するメリットは大きいと思います。ちなみに大人の場合は、肥満により首回りの脂肪が上気道を圧迫しているケースも多いです。
- Q子どもの睡眠時無呼吸症候群もあるのですね。
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A
はい。生まれてすぐの頃から無呼吸がある子もいれば、3~4歳からいびきがひどくなったという子もいて割と多いんです。ただ、小児の睡眠時無呼吸症候群を詳しく診ている医療機関はあまり多くなく、大人に比べて受け皿が少ないのが現状です。しかし、小学校に上がってもおねしょが治らなかったり授業中に居眠りをしてしまったりと、発育や学校生活に支障を来す原因の一つになる可能性があります。当院ではお子さんの検査にも対応していますし、必要に応じてより専門的な診療を行っている病院やクリニックを紹介することもできますので、何か気になることがあれば気兼ねなく受診してもらえたらと思います。
- Qこちらで行っている検査・治療について教えてください。
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A
検査は、ファイバースコープによる上気道のチェックや、アプノモニターという小型の検査キットによる簡易検査を行っています。就寝中の呼吸状態や血中の酸素濃度を調べるもので、患者さんに自宅で1~3日分のデータを取ってもらいます。1泊して、さらに詳細に睡眠の状態を調べるポリソムノグラフィー(PSG)という検査もありますが、当院ではできないため宿泊施設のある医療機関をご紹介します。治療は、鼻に装着したマスクから圧縮された空気を上気道に送り込んで無呼吸を防止していくCPAPという方法に対応しています。また歯科に紹介する形になりますが、マウスピースを使って無呼吸の原因となる舌の落ち込みを防ぐ方法もあります。