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山吉 佳代子 院長の独自取材記事

学芸大学メンタルケアクリニック

(目黒区/学芸大学駅)

最終更新日:2020/04/01

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東急東横線学芸大学駅西口から徒歩2分。「学芸大学メンタルケアクリニック」と書かれたドアを開けると、淡い色調で統一された清潔感あふれるシンプルな待合室が出迎えてくれる。「気持ちが沈んでいたり不安な時には、あまり刺激のないシンプルな雰囲気が良いのではないかと思って」と語る山吉佳代子院長。患者の気持ちに沿った診療方針が、院内のインテリアからも伝わってくる。対人関係や職場のストレス、家庭や育児の悩み、思春期の心の問題やその家族のケアなど、女性ならではのこまやかな視点で心の問題に対応。温かく穏やかな人柄、優しい言葉の中にある明確な方向性に信頼を寄せる患者も多い。早めに相談し病気を予防することの重要性、家族のサポートを含む山吉院長独自の診療に対する思いなどを聞いた。
(取材日2015年8月6日)

患者とその家族のメンテナンスを重視した治療を

開業までの経緯を教えてください。

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病院勤務を続けた後、現在も提携関係のある「学芸大学ファミリークリニック」で心療内科の診療を担当し、2年ほど勤務していました。その中でいろいろな患者さんのニーズが見えてきて、自分なりのやり方、ペースで診療したいと思ったので、2012年11月に独立する形で開業しました。以前のクリニックは内科、小児科も標榜していたので、体の不調を訴えて来られる方の中にメンタルの問題を抱えた方がたくさんいらっしゃいました。また、ご家族で通院されている方を見ていると、患者さんの生活環境や家族関係が症状に関係しているのではないかと思うことがよくありました。

生活環境や家族との関係とは具体的にどのようなケースがあるのですか?

児童、思春期のお子さんはメンタル面での不調が、体にあらわれやすいため、小児科を受診したお子さんのメンタル面の診療をする機会も多かったのですが、診療していく中で、患者さんだけでなくご両親のケアが必要だと思うようになりました。お子さんだけでなく、患者さんの生活環境を整えることや、家族など身近な人に対するケアが治療に役立つことを実感しました。ご高齢で介護を必要とする方の場合は介護をしている方のケアや、うつ病で休職している方も家族のケアが必要だったりします。

家族のケアは治療の上でも大切なのですね。

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患者さん自身やご家族のご希望があれば家族のケアを積極的にしていきたいですね。ただ、ご本人が希望されない場合には控えます。患者さんご自身が家族に自分の病状を説明してほしいという場合もあれば、お子さんが受診されたけど、話を聞いてみると親御さんの方も心身のバランスを崩していたり、家族関係や、仕事のことで悩んでいることがわかったりします。一人の患者さんの症状を糸口としてご家族のケアを行うことで、ご家族が患者さんの症状を理解し、環境を整えてくださることで状態が良くなることもあります。若い方だったら友人や恋人のサポートも大切なので、患者さんが希望されればお話することもあります。患者さんとご家族のケアということになると、私一人で対応できないことも多く、臨床心理士によるカウンセリングを導入するケースもあります。

予防レベルにも対応。早めの受診が大切

診療で心がけていることは何ですか?

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まずは患者さんにリラックスしていただくことですね。初診の方にはなるべく緊張せず話しやすい雰囲気をつくることを心がけています。それと、患者さんの悩みや生活背景を考えることです。この方はどういう生活をしているのかな、とイメージするとその方に合った対応がしやすいと思います。また診療する中で、この患者さんの長所、強み、治療に生かせることはないか、などを考えたりします。その方が本来持っている力を生かせるようにすることが、自信の回復、症状の回復につながることもあります。それから患者さんが治療を受けて行く中で、不安や疑問に思う気持ちに対してなるべく敏感でありたいですね。私自身、過去に社会人経験があり、医師になる前と後とで医療機関に受診する時の気持ちが随分変わりました。医療関係者でない方が受診するときの気持ちがある程度想像できます。なので、できるだけ配慮していきたいと思っています。

こちらにいらっしゃる患者さんはどういった方が多いのでしょうか?

不安や落ち込み、意欲が出ない、イライラ、会社や学校に行けない、家事ができない、眠れないといった症状で来られる方が多いです。都会で生活する人たちは、子どもから大人まであわただしく過ぎる時間の中で、家事や仕事、学業などに追われ、さらに人間関係でのストレスを抱え、心のバランスを崩しがちです。少し休みたいと思ってもたくさんのことを抱えた状況の中で休むことができずに疲弊し、頑張り過ぎて疲れていることに気がつかず、イライラしてしまったり、体調を崩したり。周囲に相談できずに孤立し、つらい症状が悪化してしまうこともあります。未然に防ぐために心配事や、不調を感じる段階で相談に応じるようにしています。人間関係について相談に来られる方や、家族のケアを重視していることから、ご家族で相談に来られるケースもあります。

受診するタイミングや見極めはどうしたらいいのでしょうか?

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病気かどうかではなく、普段と比べてイライラしがちだとか、疲れがなかなか回復しない、何かいつもと違う、原因がはっきりしない体調不良や気分の不快が続いているという段階で受診していただきたいです。このような場合でも、まず受診していただき、今のまま様子を見ていていいのか、何か対処方法があるのか、急を要する状態なのかどうかを判断します。年代ごとに特有の心の揺れ方や葛藤などがありますので、そんなに心配しなくてもいいですよ、一般的にありがちなことですよ、と伝えることで安心していただけるかと思います。症状や心配事が深刻にならないうちに、早めに受診していただき、予防できればと思います。

地域の中で気軽に相談できる場所でありたい

治療や診療の流れを教えてくだい。

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初診ではなるべく時間をかけて話を聞くことを心がけています。その方の幼少期の様子から職歴やご家族のことなどを細かくうかがう場合もあります。そのうえで現状を評価し、どういった対応、治療が必要か考え、ご本人にも伝えます。薬が必要な場合においても、薬物療法と精神療法はバランスよく行うことが大切です。処方についても、薬に対してどのようなイメージがあるのかを配慮しています。ご家族などに協力していただいたほうがいい場合には、同意の上でご家族に来ていただいて病状の説明をしています。少し時間をかけて自分の気持ちを整理していただいたほうがよい場合は臨床心理士によるカウンセリングを導入しています。双方の状態やニーズ、相談しやすい日時の希望などに応じ、より専門的な家族療法が必要な場合は関連施設のカウンセリングルームをご案内することもあります。

患者さんの年代層はどのくらいの方が多いのでしょうか?

お子さまからご高齢の方まで幅広いです。特に子育て世代の女性が多いです。今、女性は「役割」がすごく多いですね。主婦だけれども仕事も子育てもしっかりやらなきゃ、みたいな。経済的な理由や、自己実現のため、もともとのキャリアなどがあって仕事を持ち、また妻、母としての役割がどんどん増えてくる。男性にはまた違ったストレスがあると思うのですが、役割という点では女性は非常にたくさんのことを求められると思います。忙しい都会の生活では、やらなくてはいけないことをより効率的に処理していくことが求められ、また核家族では、相談者やサポートをしてくれる人もなく、 一人にかかる負担が大きい。同じ女性としてその苦労やストレスが身近に感じられるということもありますね。

今後の展望について教えてください。

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地域の中で気軽に相談できる場所でありたいと思っています。核家族や単身者は特に孤立してしまいがちです。年代問わず、お子さんから高齢の方、そのご家族まで気軽な気持ちで相談に来ていただきたいです。正常か異常かということではなく、いつもと比べてちょっとイライラしているとか、体調が悪い、何かモヤモヤしている状態が続いているときなど、遠慮しないで早い段階で相談してみる、家族がそんな状態なら相談を勧めてみる。心療内科、精神科のクリニックの敷居を低くし、予防的に活用いただけるといいですね。開院前から考えていたように患者さんの生活環境に配慮しながら家族のケアもできる範囲でやっていきたいと思います。

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