舌痛症や口の中の痛みの正体とは
口腔顔面痛の原因や治療について
あんどう歯科口腔外科
(世田谷区/等々力駅)
最終更新日:2021/10/12
口腔顔面痛は、あまり聞き慣れない言葉かもしれない。しかし、歯科などに行っても原因はわからない、でも痛みがある状態と言われると思い当たる人もいるだろう。「あんどう歯科口腔外科」の安藤彰啓院長は、その口腔顔面痛が専門で、他院では対処しきれないこれらの症状に対して、内科的アプローチで治療を行なう。認知があまりされていない口腔顔面痛について、その症状や原因、治療方法まで安藤院長にたっぷり話を聞いた。
(取材日2015年9月4日)
目次
口の中の原因不明の痛みは、我慢せずに相談を
- Q口腔顔面痛とは、どんな病気なのですか?
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A
口腔顔面痛とは、口の中や顎などに発生する痛みのことを言います。私が主に診療をしているのは、虫歯や歯周病などの病変がないにもかかわらず、顎の関節や筋肉、口の中や舌、その周辺に原因不明の痛みがある患者さんです。一般の歯科は、外科的治療が中心ですが、風邪をひいたからといって外科に行かないように、痛みに対しても、その原因によっては内科的治療が有効となります。痛みの原因が目に見えないために、お医者さんに理解してもらえず、どこにも異常ありませんと言われてしまう。でも患者さんは、痛いものは痛いので、どうすればよいのか途方に暮れてしまう。口腔顔面痛の患者さんは、このような状態になってしまうことがあります。
- Q口腔顔面痛になる原因は、何かありますか?
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A
痛みの原因は本当に多岐にわたるのですが、比較的多いのは、顎関節症、何もしていないのに舌がピリピリする痛みがある舌痛症、唾液が少ないことで口の中が乾燥して痛くなる口腔乾燥症、神経が過敏になってしまうことで痛みが出る神経障害性疼痛、精神的なものからくる痛みなどがあります。歯の痛みについては、根の治療や歯を抜いたりしたけど痛みが良くならない、一時的に良くなったけど痛みがぶり返してしまった、インプラントを入れた後に痛みが出るようになったなどがあります。原因を突き止めるには、いろいろな情報が必要になりますので、当院ではカウンセリングルームを用意して、しっかりと話しを伺うことができるようにしています。
- Qどんな人が、なりやすいのでしょうか?
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A
統計的には、中高年の女性が多く、当院に来る患者さんも同じ傾向なのですが、その理由は、はっきりしていません。更年期障害によるホルモン異常が要因の1つであることも分かっていますが、それだけが原因ではないことも分かっています。もちろん、男性にも症状が出る事もあります。痛みのキッカケや原因は様々で、診断と治療のためには、多分野にわたる専門的知識が必要となります。そのための教育と研修を修了した者が、私のような口腔顔面痛のスペシャリストとなります。
- Qこちらの医院での治療方法は?
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A
まずは、痛みの原因を探ることが重要になるので、問診を丁寧におこないます。例えば痛みと一言で言っても、電気が走るようなピリッとする痛みだとか、ズキズキする痛みだとか、その種類はたくさんありますし、痛みの種類というのは、原因を突き止める大きな手がかりになります。その後、その原因にあった治療を行いますが、当院では内科的な治療を行いますので、経口薬や注射薬による投薬治療やストレッチなどの理学療法が中心となります。経口薬については、いわゆる一般的な痛み止めではない薬を使ったり、注射は、顔の筋肉をリラックスさせる目的で行ったりします。また痛みの原因を探るために、麻酔薬を使うこともあります。費用ですが、当院は自由診療となり、診察料や検査料、お薬代を含めて、初診で1時間3万円程度になります。
- Q日常生活で気を付けるべきことはありますか?
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A
痛みをあまり我慢しないでください。ずっと我慢をして医者に行かなかったりとか、特に、治療を繰り返しても痛みが良くならないのに、とりあえず同じ場所に通院を繰り返すというのは避けたほうが良いでしょう。と言うのも、痛みというのは、長引けば長引くほど和らぎづらくなってしまうんです。また見た目で腫れているとか、少し赤くなっているとか、何かおかしいなと感じることがあったら、とにかくお医者さんに診てもらってください。問題がない場合も多いですが、大きな病気が潜んでいることもあるからです。痛みというのは、精神的なものが関係していることもありますから、診てもらってなんでもないと安心することも必要です。