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安藤彰啓 院長の独自取材記事

あんどう歯科口腔外科

(千代田区/神保町駅)

最終更新日:2019/08/28

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古書店街として知られる神田神保町。この街に2015年の5月に開業した「あんどう歯科口腔外科」は国内で唯一口腔顔面痛治療を専門とするクリニックで、安藤彰啓院長は日本で数名しかいないという米国口腔顔面痛学会の専門医の資格を取得している。「口腔内やその周囲の原因不明の痛みを抱え、歯科に限らずあちらこちらの病院をさまよっている患者さんは実は少なくありません。しかし痛みには必ず原因があります。その原因を特定することで必要のない治療を受けて遠回りすることなく、少しでも早く痛みに苦しむ人たちを苦痛から解放してあげたいと思い開業しました」と語る安藤院長に、日本ではまだなじみの薄い口腔内科の治療内容について、じっくりとお話を伺った。
(取材日2015年7月6日)

口腔内科とは口腔顔面痛の痛みを治療するための専門科

歯科口腔外科というクリニック名は珍しい印象を受けるのですが。

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そうですね。実は当クリニックは歯科医院ではあるのですが、いわゆる通常の虫歯治療などはしておらず、口腔顔面痛治療を行う口腔内科を専門としています。ですから本来は歯科口腔内科と名乗りたいところなのですが、口腔内科は欧米ではすでに歯科の診療科目の1つとして確立されているものの日本ではまだ標榜することが許可されていないので、クリニックの名称としては口腔外科を標榜させていただいています。

口腔内科というのは耳慣れない診療科ですが。

病気に対する治療法には、ガンの摘出手術に代表される、いわゆる体にメスを入れて病気の原因を取り除く外科的アプローチと、高血圧症や糖尿病の治療などに代表される、投薬を中心として体を切らずに病気にアプローチする内科的治療法があります。歯科というのは抜歯にしても、虫歯を削るにしても、どちらかといえば外科的アプローチによる治療が中心です。しかし口腔内科では、虫歯や歯周病以外の原因で起きる口腔内やその周囲の疾患に対して、内科的アプローチを中心とした治療を行います。具体的な症例としては、舌の神経痛とも称される舌痛症や、唾液の分泌量の減少により口の中が常に乾いた状態になりヒリヒリとした痛みが伴うこともある口腔乾燥症、口腔粘膜疾患、神経性疼痛、そして顎関節症などが対象となります。口腔粘膜疾患や神経性疼痛を治療するための診療科だと考えていただくとわかりやすいかもしれません。

開業されたばかりだそうですが、開業のきっかけをお聞かせください。

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大学卒業後、大学病院の研修医を経て南カリフォルニア大学歯学部の口腔顔面痛・口腔内科センターにて診療を行い、米国口腔顔面痛学会の専門医のライセンスを取得しました。帰国後は父の歯科医院で勤務医をしていたのですが、私が口腔顔面痛の専門医であることから他の歯科医院から原因のわからない顔面や口腔内の痛みに苦しむ患者さんが数多く紹介されてくるようになったんです。ならば口腔顔面痛治療の専門クリニックを立ち上げた方がより多くの痛みに苦しむ患者さんを救えると思い、2015年の5月に開業しました。実は米国口腔顔面痛学会の専門医の資格を取得しているのは日本ではまだわずか6人しかおらず、他の先生方は大学病院や総合病院の勤務医をされているため、口腔顔面痛治療を専門として独立開業しているクリニックは、国内ではまだここだけです。

痛みには必ず原因がある。それを特定するのが口腔内科医の役割

どのような症状の患者さんがいらっしゃるのでしょうか。

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一番多いのは、虫歯や歯周病による痛みを疑い、一般の歯科医院を受診するも、治療をしても痛みがまったく改善されず、結局痛みの原因がわからなかったために歯科医に紹介されて来たという方で、全体の9割ほどがそうした患者さんです。残りの1割の方は、ホームページなどを見て自力で探して来たという方ですね。こうした慢性の痛みに苦しむのは女性の割合が高いので、患者さんも30代以上の女性が中心です。クリニックの特性上、地域にお住まいの方に限らず広く関東一円や、中には沖縄や北海道から通ってきている患者さんもいらっしゃいます。実は神保町に開業したのもそうした遠方から電車を乗り継いで来院される患者さんを意識してのことで、ここは地下鉄も3線乗り入れていますし、JR線の駅からも徒歩圏内で利便性が高いですからね。また、診察の結果歯科以外の疾患が痛みの原因であると判明する場合も少なくありませんが、神保町は近隣に大学病院も多いため、病診連携が取りやすい土地柄である点も見逃せませんでした。

診療の流れを教えていただけますか。

ほとんどの患者さんが原因のわからない痛みに苦しんでいらっしゃるので、来院された場合にはまずは1時間〜1時間半をかけてじっくりとカウンセリングをさせていただき、そのお話やレントゲン検査などを元に痛みの原因を特定します。痛みの原因は多岐に渡りますが、主に神経障害が原因である場合には当クリニックでそのまま治療に入ります。もし、他の疾患などが原因として疑われる場合には、患者さんの通院の利便性の高さなども考慮しながら適切な専門科につなぎます。当クリニックの治療では薬物療法や注射が中心になりますが、必要に応じて顎回りのストレッチをして血行を良くするなど、理学療法的な治療を取り入れる場合もあります。1回で痛みがとれたという患者さんもいらっしゃれば、2回、3回と治療を重ねてから効果を実感される方もいらっしゃいます。

痛みの原因というのはきちんと特定することが可能なのでしょうか。

ほぼ診断がつきます。というのも原因不明の痛みというものはなく、痛みにはなにかしら原因があるからです。痛みの原因には大きく分けて3種類あります。まずはなんらかの原因で傷を負ってしまった場合に代表される物理的なケガの痛み、そして鬱などの症状の1つとして表れる心因性の痛み、そして神経障害を原因とする痛みです。物理的な痛みは視覚的にとらえることができますし、心因性の痛みの場合はカウンセリングなどで特定することが可能です。ところが神経障害を原因とする痛みの場合、視覚的に捉えることができない上に、痛みというのは非常に個人の感覚による部分が多いため、一番診断が難しく、医師には高い専門性が求められます。

痛みの原因がわかるだけでも患者さんは安心しますよね。

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皆さん長い間原因不明の痛みに悩まされてきて、なにか重篤な疾患があるのではないか、もう一生治らないのではないかと不安な気持ちを抱えている場合がほとんどなので、原因を特定し、治療の方向性を明確に示すだけでも安心されることが多いですね。また痛みの原因を特定できれば、さまざまな診療科を訪ね歩いてそのたびに実は必要のない治療を受けるといったことを防ぐこともできます。先日もあるご高齢の患者さんで、痛みがあるからと4本抜歯し、それでも症状が改善されずに歯科医院からの紹介でこちらに来たという方がいらっしゃいました。カウンセリングの結果脳疾患が疑われたので、MRIが撮影できる病院をご紹介して検査をしてもらったところ、やはり脳腫瘍が発見されたという事例がありました。この事例の場合、もし抜歯をする前に痛みの原因をはっきりと特定できていたならば、抜歯をする必要はなかった可能性もあります。歯は一度抜いてしまうともう元に戻すことはできませんし、さらにはインプラント治療などが必要になるため多額な費用も必要になります。口腔内科・口腔顔面痛という診療科をもっと広く知っていただき、こうした患者さんを1人でも減らすことができればと思っています。

抜歯をしてしまうその前に一度相談に来てほしい。

口腔内科に取り組んだきっかけを教えていただけますか。

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我が家は、私を含めて4代続いて歯科医師という家で、学生の頃から学校が休みの間は父のクリニックの手伝いをしていました。その中で歯の痛みから解放されて父に感謝する患者さんたちを見て、人を痛みから解放してあげられる歯科医の素晴らしさに気付き、自然と歯科医をめざすようになっていました。実は私は小、中、高校とインターナショナルスクールで学んでいたので海外の方との交流も多かったのですが、海外の歯科医師と交流する中で、日本ではまだ認知度の低い口腔内科・口腔顔面痛という専門分野があり、痛みに苦しむ多くの患者さんが救われていることを知りました。歯科医になるにしても、なにか特徴的な取り組みをしたいと考えていたこともあり、アメリカに渡ってこの分野を専門的に学んでみる決心をしました。

数少ない専門医の1人として日頃取り組んでいることはありますか。

より多くの患者さんを苦しみから救ってあげるためにも、まずは口腔顔面痛を治療する口腔内科という治療分野があることを、歯科医の中に広げていきたいと考えています。そのため現在は各地のセミナーに呼ばれて講演会を行ったり、当クリニック内でもセミナーを開催しています。将来的には専門の勉強会を立ち上げたいと考えています。

最後に読者の方にメッセージをお願いします。

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日常的に痛みを抱えていると、外に出たり、人に会うのもつらくて家に引きこもりがちになり、結果として気分がふさいでしまうなど精神面に与える影響も少なくありません。歯やその周囲に長年痛みがあり、歯の治療をしても痛みが改善されなかったり痛みの原因がわからといった場合には、是非一度相談に来ていただきたいですね。また、歯の痛みが原因で抜歯を勧められた場合など、どうもそれほどひどい虫歯ではないのではないか、どうしても抜歯は避けたいといった場合にも、実際に抜歯をしてしまう前に、セカンドオピニオンをとるような気持ちで、一度痛みの専門医の診断を受けていただければと思います。

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