運動後に残る痛み
スポーツ障害は整形外科で根本的解決をめざす
リバーシティすずき整形外科
(中央区/月島駅)
最終更新日:2022/02/10
- 保険診療
スポーツをした後に、膝や足に痛みを感じたことはないだろうか? 数日経過しても痛みがとれなかった場合は、「スポーツ障害」の可能性があり、放置しておくと慢性化してしまうことも。特に思春期には、成長障害にもつながり得るため、理学療法士が在籍する整形外科で専門的な診断と処置を受けることが重要だという。スポーツ障害にかかわらず、運動指導を中心とした処置を行う「リバーシティすずき整形外科」の鈴木秀彦院長に、スポーツ障害の原因や症状、その対処法などを教えてもらった。
(取材日2020年3月12日)
目次
運動後数日たっても痛みがあるときは、安易に自己判断せず整形外科の受診を
- Qスポーツ障害とはどのようなものですか?
-
A
スポーツにおいて発生する障害の総称で、基本的に運動による体のオーバーユース(使いすぎ)が原因です。陸上競技では膝や下腿、テニスでは肘、野球では肩・肘、サッカーでは股、バスケットボールでは膝など、スポーツによって異なった部位に特徴的な障害が起きることが多いです。最近のジョギングブームで、「腸脛靱帯炎」や「鵞足炎」による膝痛、「足底腱膜炎」や「足底筋膜炎」による足底痛を訴える人も増えています。また、「疲労骨折」は同部位に繰り返し動作による負荷が加わることで起きる骨折で、骨が未熟な思春期に生じやすいスポーツ障害の一種です。また思春期には骨端線と呼ばれる発育線に障害が起きることが多く注意が必要です。
- Qスポーツ障害を発症したら、どんな処置をすべきですか?
-
A
まずは休むか運動量を減らしてみてください。患部が熱を持っている場合は、アイシングするのもよいでしょう。症状が軽ければセルフケアも可能ですが、数日経過しても痛みや違和感がなくならない場合は、整形外科を受診することをお勧めします。スポーツ障害を放置したり誤った処置をしたりしてしまうと、特に思春期では軟骨の障害や骨の変形を来し、成長やスポーツ生命に関わる問題が生じる可能性もあるため要注意です。セルフケアで痛みがある程度落ち着いたとしても、なお残存する場合は安易に「大丈夫」と判断せず、再発を防ぐためにも念のため整形外科を受診したほうがよいでしょう。
- Qなぜ整形外科を受診すべきなのですか?
-
A
スポーツ時に体に痛みを感じると、その手軽さからマッサージや整体を頼ってしまう人も多いと思います。患部を触ってほぐす処置をしてくれるので、なんとなく治ったような気になるのかもしれません。しかし病態によってはその処置がかえって症状を悪化させてしまう可能性があるため、専門家である整形外科でのきちんとした診断のもと、適切な処置を受ける必要があります。部活動では熱心な指導者やトレーナーが、「このくらいなら大丈夫!」と安易に判断してしまうケースがあります。また、保護者や指導者の期待に応えようと無理をしてしまうお子さんもいます。しかし決して無理をせずに、整形外科にご相談ください。
- Qこちらでは具体的にどのような対応をするのですか?
-
A
まずは患者さんの話を聞き、丁寧な触診と必要に応じて超音波検査やエックス線撮影などの検査を行い、病態を適切に把握していくことで、一人ひとりに適した対処法を見つけていきます。当院で特に力を入れているのは、治癒力を引き出すことを重視した理学療法士らの手による運動指導です。ストレッチや筋力トレーニング、運動中のフォームを整えることも運動指導の一環で、必要に応じて、超音波や体外衝撃波治療器などを利用した理学療法をおり混ぜていきます。手術が必要と言われたような方に対しても、当院ではできるだけ手術以外の方法で対処できるようにしています。
- Qスポーツ障害を予防する方法はありますか?
-
A
関節や体幹の支持性を高めるために、日頃から関節の周囲や足腰の筋肉を鍛えておくことが大切です。運動前には、ストレッチなどを中心に十分なウォームアップを心がけてください。ストレッチにより筋の柔軟性を高めていくことで、関節周囲の腱付着部への負担軽減が期待できます。スポーツ障害の大部分は使い過ぎに起因します。しかし、アスリートの多くは休息が必要とわかっていても現実には休めないケースがほとんどです。そのような状況下では競技特性を熟知した上で、局所への負担を少しでも減らすための工夫が必要です。トレーニング方法の変更、フォーム矯正、靴や道具の改良などスポーツ環境を整えることも重要でしょう。