ジョギング後の膝の痛み
整形外科で相談を!スポーツ障害
リバーシティすずき整形外科
(中央区/月島駅)
最終更新日:2016/01/24


スポーツをした後に、膝や足に痛みを感じたことはないだろうか?数日経過しても痛みがとれなかった場合は、「スポーツ障害」の可能性がある。放置しておくと慢性化をきたし、思春期では成長障害を生じうるスポーツ障害は、整形外科で専門的な診断と処置を受けることが必要だ。スポーツ医の資格を持つ「リバーシティすずき整形外科」の鈴木秀彦院長にスポーツ障害の原因や症状、的確な対処法などをお聞きした。(取材日2015年9月18日)
目次
誤った処置が症状を悪化させることも。専門家による正確な診断に基づいた、的確な処置を施すことが大切
- Qスポーツ障害とはどんな病気ですか?
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A
▲専門医による早期診断と適切な治療が早期回復につながる
スポーツをすることで発生する障害の総称で、基本的には運動による体のオーバーユース(使いすぎ)が原因となります。陸上競技では膝や下腿・足、テニスでは肘、野球では肩・肘、サッカーでは股、バスケットボールでは膝など、スポーツによって異なった部位に特徴的な障害が起きます。最近では健康維持のためのジョギングブームで、「腸脛靱帯炎」や「鵞足炎」による膝痛、「足底腱膜炎」による足底痛を訴える人が目に付きます。「疲労骨折」は同部位に繰り返し動作による負荷が加わって起きる骨折で、これも骨が未熟な思春期に生じることが多い、スポーツ障害の一種です。その他、思春期には骨端線と呼ばれる発育線に障害が起きることが多く、注意が必要です。
- Qスポーツ障害が発症したら、どんな処置をすべきですか?
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A
▲病態を的確に把握したうえで最適な治療法を選択
まずは休むか運動量を減らしてみてください。患部が熱を持っている場合は、アイシングするのも良いでしょう。症状が軽ければセルフケアも可能ですが、数日経過しても痛みや違和感がなくならない場合は、整形外科を受診することをおすすめします。スポーツ障害を放置したり誤った処置をしてしまうと、とくに思春期では軟骨の障害や骨の変形をきたし、成長やスポーツ生命に関わる問題が生じる可能性もあり要注意です。セルフケアで痛みがある程度おさまったとしても、なお残存する場合は安易に「大丈夫」と判断せずに、再発を防ぐためにも、念のため整形外科を受診した方がよいでしょう。
- Qなぜ整形外科を受診すべきなのですか?
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A
▲理学療法士による治癒力を引き出す運動療法
スポーツ時に体に痛みを感じると、その手軽さからマッサージや整体を頼ってしまう人も多いと思います。患部を触ってほぐしてくれるので、なんとなく安心してしまうのかもしれません。しかしその処置が、病態によってはかえって症状を悪化させてしまう可能性があります。やはり、専門家である整形外科での正確な診断のもと、適切な処置を受ける必要があります。部活動では熱心な指導者やトレーナーが、「このくらいなら大丈夫!」と安易に判断してしまうケースがあります。また、親や指導者の期待に応えようと無理をしてしまうお子さんもいます。しかし決して無理をせずに、整形外科医にご相談ください。
- Qこちらでは具体的にどのような治療を行うのですか?
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A
▲鍼治療や自己多血小板血漿注入療法などのオプションも完備
まずは患者さんの話を聞き、丁寧に触診をして、必要に応じてレントゲン撮影などの検査を行います。病態を的確に把握することで、最適な治療法を見つけていきます。当院で特に力を入れているのは、治癒力を引き出す理学療法士の手による運動療法です。ストレッチや筋力トレーニング、運動中のフォームを整えることも運動療法の一環です。必要に応じて、超音波や特殊な光線を利用したキセノン光治療などを主とした理学療法をおり混ぜていきます。他院で手術が必要と言われた方に対しても、当院では各種保存療法に加えて、鍼治療や自己多血小板血漿(PRP)療法などのオプションを駆使し、できるだけ手術以外の治療を優先しています。
- Qスポーツ障害を予防する方法はありますか?
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A
▲専門知識を持ったスポーツ好きのスタッフたち
関節や体幹の支持性を高めるために、日頃から関節周囲や足腰の筋肉を鍛えておくことが大切です。運動前には、ストレッチなどを中心に十分なウォームアップを心がけてください。ストレッチにより筋の柔軟性を高め、関節周囲の腱付着部への負担を軽減できます。スポーツ障害の大部分は使い過ぎに起因します。しかし、アスリートの多くは休息が必要と分かっていても現実には休めないケースがほとんどです。そのような状況下では競技特性を熟知したうえで、局所への負担を少しでも減らす工夫が必要です。トレーニング方法の変更、フォーム矯正、靴や道具の改良などスポーツ環境を整えることも重要です。