運動後の痛みは我慢せず
早めに整形外科の専門医師へ相談を
リバーシティすずき整形外科
(中央区/月島駅)
最終更新日:2025/08/26


- 保険診療
子どもが運動時にけがや障害を生じたとき、「いつ、どこに相談すればいいのか」を迷う人は少なくない。「リバーシティすずき整形外科」の鈴木秀彦院長は、大学病院などでの22年に及ぶ経験の後、2015年に開業。身体の機能改善を図る運動療法のほか、先端機器を駆使した治療を行い、高齢者の変性疾患から小児のスポーツ障害まで幅広く対応する。「スポーツ後に痛みや不調が続く場合は、我慢せず早めに整形外科を受診することが大切です」と話す鈴木院長。動作は全身の運動連鎖で成り立ち、局所のみの診察では原因が特定できないこともあるため、医師や理学療法士が在籍し、トータルに診てもらえる整形外科を選ぶことを勧めている。鈴木院長に、小児のスポーツ障害の症状や適切な処置法・予防法などについて詳しく聞いた。
(取材日2025年3月26日)
目次
成長期特有の小児スポーツ障害は適切な治療と予防が重要。整形外科で早期相談と適切な検査、診断、治療を
- Q小児のスポーツ障害とはどのようなものですか?
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A
▲成長段階や競技特性を考慮した治療が大切
成長期の子どもに見られる、特有のけがや障害のことです。代表的なものとして骨端線(こったんせん)障害が挙げられます。骨端線は衝撃や圧力に弱いため、スポーツによるストレスで損傷しやすい部分。成長中の骨はやわらかく、衝撃や圧力に弱いため過度な負荷で成長軟骨が引っ張られて剥がれることも。骨の急激な成長に筋肉の柔軟性が追いつかず、筋肉が相対的に固くなるのも一因です。成長度合いや個人差、競技特性を考慮した治療が重要で、早期発見と柔軟性向上のためのケアが予防につながります。治療にはエコーやエックス線で軟骨や骨の状態を確認し、成長の進み具合を見ながら対処していきます。
- Q子どもに多いスポーツ障害の疾患を教えてください。
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A
▲セルフケアで違和感がなくならない場合はすぐに相談を
代表的な疾患は、膝ではジャンパー膝やオスグッド病、肘では野球肘、離断性骨軟骨炎、肩ではリトルリーガーズ肩ともいわれる上腕骨の近位骨端線の障害があります。足部では骨端線の障害がよく見られます。骨がまだ未熟なため、急性の障害として、足首の靱帯の裂離損傷が多く、オーバーユースにより腰椎分離症など疲労骨折を生じることも多いです。スポーツの種目によって、負担がかかる体の部位が異なるため、丁寧な触診とエコーとエックス線写真での確認をすることが重要です。無理をして休養を取らずに競技を続けると症状が悪化し、継続することが困難になることがあるので痛みや違和感を覚えた場合は早期に適切な対応を取るようにしましょう。
- Q子どもがスポーツ障害を発症したら、どんな処置をすべきですか?
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A
▲症状に合った機器を併用し理学療法士がリハビリテーションを行う
まず痛みのないよう固定、挙上して氷で冷やすことが重要です。受診前に、痛めた状況や痛みがいつ始まったかを整理し、医師に正確に伝える準備をしましょう。お子さんだけでは伝えきれない場合もあり、保護者がサポートすることも大切。受診後は、医師の指示を守ることが重要です。痛みが治まったからと無理に運動を再開してしまうと、症状が悪化することがあります。例えば、野球肘で投球禁止期間の指示を守れないケースもあるため、保護者や指導者は見守りながら適切に休養を取るようサポートしてください。医師と理学療法士の指示に従い、リハビリを行うことで、早期回復と再発予防が望めます。
- Q子どものスポーツ障害を予防するためにできることはありますか?
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A
▲他職種が一丸となり、チームで患者をサポート
子どものスポーツ障害を予防するには、まずお子さんの小さな訴えを聞き逃さないことが大切です。痛みを感じても親御さんに伝えられない場合があるので、敏感に気づいてあげてください。また、親の期待が大きすぎると、子どもがつい無理をしてしまうことも。痛みがあるのに競技を継続してしまうケースが少なくありません。何かしらの異変や違和感があれば、無理をさせずに休養を取ることの重要性を認識しサポートしましょう。スポーツを楽しむためには、適切な休息とケアが欠かせません。家庭内やチームで適切な環境を整えることで、お子さんが安全にスポーツを楽しめる基盤をつくれるでしょう。
- Qこちらのクリニックの特徴を教えてください。
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A
▲誰でも気軽に相談することができるクリニックをめざしている
当院では、医師と理学療法士が密に連携し、質の高い小児スポーツ障害の診療とリハビリに努めています。理学療法士16人をはじめ多職種のスタッフがチームワークを重視した診療を行っている点や、診察室とリハビリスペースが仕切りのない一体型で医師と理学療法士がスムーズに連携できる点も特徴です。エコーを使って動きを確認しながらのリハビリも可能で、体外衝撃波装置は集束型・拡散型の2種類を備え、幅広い疾患に対応。非常勤医師には大学病院に在籍する医師もいるので、専門的かつ体系的な治療にも尽力しています。広いリハビリスペースや豊富な医療機器を整備し、適切なケアを行っています。