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大迫 正行 院長の独自取材記事

おおさこ心のクリニック

(横浜市青葉区/あざみ野駅)

最終更新日:2023/04/14

大迫正行院長 おおさこ心のクリニック main

東急田園都市線のあざみ野駅から徒歩5分という便利な立地にある「おおさこ心のクリニック」。「患者さんの発症から回復・社会復帰までを見守りたい」との思いで開業した大迫正行院長は、経験豊富なベテランドクター。患者はもちろん、家族の心のケアにも気を配る。受診をためらいがちな心療内科・精神科において、「気軽さ」「通いやすさ」にこだわり、相談しやすい空間づくりにも注力。若い世代から高齢者まで、さまざまな疾患に対応し、患者一人ひとりに向き合う丁寧な診療が持ち味だ。 2015年6月の開業から8年目を迎え、多くの患者と接したことで見えてきた思いと、今後の展望について聞いた。

(取材日2020年6月23日/更新日2023年1月19日)

一つ一つの悩みに寄り添い、時間をかけて回復へ導く

精神科の医師をめざしたきっかけや、この地で開業された理由をお聞かせください。

大迫正行院長 おおさこ心のクリニック1

外科医だった父を見て育ち、自然と医師をめざすようになりました。学生時代から興味があったのは精神科でしたが、総合的な知識を得るため、まずは内科の道へ。約10年間、内科の医師として、風邪から末期がんまで幅広い診療に携わり、経験を積みました。その後、精神科の勉強を開始。大学病院や精神科病院を経て、江田記念病院では精神科部長、副院長を務めました。やりがいを感じる一方で、臨床以外の業務も多く、「もっと患者さんとじっくり向き合いたい」という思いを抱くように。開業を決意し、2015年6月、当院の開院に至りました。あざみ野を選んだのは、勤務医時代の近隣の先生方との関係に加え、これまでの患者さんを引き続き診療したいという思いがあったためです。

診療において心がけている点をお聞かせください。

患者さんの話をじっくりと聞いて、問題の本質を見つめていくことです。患者さんの抱える症状やストレスは、内容も程度も人によってさまざま。どんな内容でもどんな程度でも、皆さん「困っている」から来院されています。ですから、程度にかかわらず、お困りの症状を和らげるため、最善を尽くすのが私の役割。十分に時間をかけて話を聞き、必要があれば、適切なお薬をお出ししますし、臨床心理士によるカウンセリングを受けることも可能です。

カウンセリングも行っているのですね。

大迫正行院長 おおさこ心のクリニック2

はい。開業当初は行っていなかったのですが、薬物療法や私の行う精神療法を補うかたちで導入しました。毎週の方もいれば、月に2回など、患者さんに合わせたペースでカウンセリングを受けていただきます。初回は1時間程度かかりますが、通常は50分ほど。当クリニックに在籍する3人の臨床心理士がじっくりと耳を傾けますので、リラックスしてお話ししていただければと思います。

ほかにも新しい取り組みがあれば教えてください。

もともと、インフルエンザの予防接種は行っていましたが、新たに帯状疱疹の予防接種も行うようになりました。「なぜ精神科で帯状疱疹の予防接種を?」と思われるかもしれませんが、帯状疱疹はひどい痛みが残ることがあり、それが原因で精神的にまいってしまったり、うつ病を引き起こしたりすることもあるんです。予防接種をすることで、たとえ罹患したとしても重症化せずに済むことが期待できるというメリットがあります。今年で開業8年目。診療を続ける中で新たなニーズに気づき、取り入れてきました。これからも患者さんのあらゆる声に応えられるクリニックでありたいですね。

認知症に至る前段階での発見をめざす

「精神科・心療内科」に加え、「老年精神科」とありますが、高齢者に特化した診療について教えてください。

大迫正行院長 おおさこ心のクリニック3

江田記念病院での物忘れ専門の外来、また、入院・外来問わず認知症患者さんの診療に多くあたってきた経験を生かし、認知症や高齢者の精神疾患に幅広く取り組んでいます。内科などと違い、心療内科は受診しづらいという方が多く、特にご高齢の方にその傾向が強いようです。認知症に限らず、自分が精神疾患であると診断を受けることに抵抗感を持つ方も多いですね。診断イコール、レッテル貼りではなく、「お困りの症状を良くしていく、少しでも楽にしていく」ための道しるべのようなもの。そんなふうに発想を転換していただくと抵抗感が薄れるのではないかと思っています。 当クリニックでは、臨床心理士による「物忘れ」などの認知機能検査を行うほか、認知症の前段階での発見をめざした血液検査も行っています。

血液検査で認知症の発見ができるのですか?

当クリニックで行う血液検査は、認知症の前段階ともいわれるMCI(軽度認知障害)のリスクを判定するMCIスクリーニング検査です。MCIスクリーニング検査は40~50代以上の方にお勧めしています。一度、認知症になってしまうと、現代の医療では薬で進行を遅らせることはめざせても、完治することはできません。しかし、認知症の前段階であるMCIの状態で発見できれば、認知症を発症させずに、元の状態に戻ることも期待できます。MCIの段階での早期発見には大きな意義があると感じていますが、あまり広く知られていないのが現状。周知を図っていきたいですね。

高齢化社会において、心療内科が果たす役割をどのようにお考えですか。

大迫正行院長 おおさこ心のクリニック4

近年、大きな問題となっている「老老介護」を含め、介護をしている方が精神的に疲弊してしまうケースが非常に増えています。 介護する側が疲れてしまうと患者さんにも影響が出てくるもの。ですから、当クリニックでは患者さんの治療はもちろんのこと、介護する方のケアにも重点を置いています。 実際、ご夫婦や親子で通院されている方も多くいらっしゃいますよ。 また、介護保険を利用することにより、デイサービスやショートステイといった社会サービスの利用が可能です。一人で抱え込んでしまう方が多いのですが、「積極的にサポートの手を借りてください」とお伝えするようにしています。当院では診断や治療のほかに、成年後見制度の鑑定や行政、各種社会サービスのご案内も行っていますので、ぜひご相談ください。

安心して通えるクリニックであるために

ご高齢の方だけではなく、幅広い世代の方が来院されているそうですね。

大迫正行院長 おおさこ心のクリニック5

ご高齢の方と若い世代の方の割合は半々でしょうか。うつ病や適応障害、パニック障害といった病気は若い方がかかりやすい病気ですからね。最近はインターネットで自分の症状を検索していらっしゃる方も多いです。自己判断で不安になっている方もいますので、そこは医師としての知識をもって、しっかりと診断していきます。患者さんにとってのゴールは、患者さん自身が「良くなった」と実感できた時。通院されている方ならば「病気が再発、再燃しないように」「一日でも早く元の生活に戻れるように」という2つの柱を意識します。まずは症状の緩和を図りながら、ステップアップを焦らずに繰り返していくことで、患者さんとともにゴールをめざします。

居心地の良いクリニックだと感じました。何か工夫されていることはありますか?

ありがとうございます。ナチュラル系をベースにした「病院っぽくない」内装にすることで、心療内科の受診に抵抗がある方でも気楽に来院してもらえるよう配慮しました。また、患者さんに向けてアンケートを行い、より快適な院内づくりに役立てました。実際に「ほかの患者さんと向き合ってしまうので、待合室のソファーの位置を変えてほしい」という声に対応した例もあります。そのほか、ニーズの多かったウォーターサーバーを設置したり、さまざまなジャンルのBGMを取りそろえたりと、患者さんの声を大切にしています。心療内科は長いお付き合いになることも多いので、少しでも居心地の良い場所にして、患者さんが快適に通院できるよう心がけています。

最後に、受診を検討されている方にメッセージをお願いします。

大迫正行院長 おおさこ心のクリニック6

心療内科は「いつ受診すればいいんだろう」と思った時が「受診する時」です。ストレスの多い時代ですから、受診するのに早過ぎたり遅過ぎることはありません。特に、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、通常よりも不安やストレスを抱えやすいかと思います。「こんなことで行っていいのかな」と躊躇せず、ぜひご相談にいらしてください。 早期受診、早期治療が一番。患者さんが楽になって、毎日を気持ちよく過ごせるよう、スタッフ一同、全力でサポートします。

自由診療費用の目安

自由診療とは

MCI(軽度認知障害)スクリーニング検査/2万3000円

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