関根 悠三 院長の独自取材記事
せきね歯科医院
(京都市右京区/西京極駅)
最終更新日:2023/04/11
右京区西京極にある「せきね歯科医院」。地元出身の関根悠三院長が、「病気ではなく、病人を診る」をモットーに掲げて、性格や生活スタイルがそれぞれ異なる患者に親身に対応。日々研鑽を重ねて誰もが安心して受診できるクリニックづくりに尽力する。プライベートでは学生時代にサッカー部に所属し、現在もサッカーが趣味だという関根院長。現在も地域のリーグなどに参加し、地域の人たちとのふれあいを大切にしているそうだ。同院の治療の特色や院内におけるこだわり、今後の目標について話を聞いた。
(取材日2023年3月9日)
モットーは「病気ではなく、病人を診る」
先生が歯科医師をめざしたきっかけはどんなことでしたか?
私が医療関係の仕事に携わりたいと思ったのは、医師だった父の影響です。父が仕事から帰宅後に自宅でエックス線写真を見ている姿や、本を読んで勉強をしている様子を見て、自然と医療業界に興味を持つようになったんです。父が京都新町病院に勤めていた頃、家族と祇園祭を見に行くついでに父に会いに行ったことがありました。白衣を着てネクタイを締めている父を見て子ども心にかっこいいなと思ったことを覚えています。そんなこともあり、小学生の頃には自分も医師になりたいと思うようになりました。結果的には歯学部に進むことになったわけですが、歯科医師として日々さまざまな悩みや症状を持つ患者さんの診療にあたるうちに、一人ひとりに全力で寄り添い、時には親身になりすぎてしまう自分の性格は、歯科医師に向いているなと感じるように。ある時そのことを父に話すと、同じことを父も感じていたようで、歯科医師の道を選んで良かったと思いましたね。
開業までの道のりを教えてください。
徳島大学歯学部卒業後は同大学病院で勤務し、その後は京都市内の歯科医院に長く勤めて研鑽を積みました。もともと将来は自分の歯科医院を開業しようと考えていたので、諸々の準備が整った2014年に、一人ひとりの患者さんに丁寧に寄り添うような歯科医院をめざして開業したという次第です。この辺りは私が生まれ育った地元ですが、最初から地元で開業しようと考えていたわけではありません。場所選びをしていた時に地元の友人から「この辺りにはいい歯医者が少ない」という話を聞いたことから、じゃあ自分が地域の人たちを支えられるようなクリニックをやっていこうと思ったんです。
診療に対するお考えをお聞かせください。
「病気ではなく、病人を診る」が私のモットー。歯科医師と患者ではなく、「人と人」として付き合うことを何より大切にしています。当たり前ですが患者さんは一人ひとり、考え方や職業、生活スタイルなど違うものです。「病気を診る」のであれば、歯科医師としての立場から、主訴に対しての適切なアプローチ方法は考えられますが、患者さんがどれくらいの治療を求めているのか、といった考えはさまざまで、経済的・時間的な制約、持病の有無など事情も異なります。当院では、「病人を診る」ことで、その方にとっての最適なゴールに導いていくことを目標にしています。それには患者さんとたくさん会話をすることがとても重要。そのため診療を通じて、仕事や生活スタイルなどについてもなるべくお聞きします。患者さんを知る上で、私だけではなく、受付スタッフや歯科衛生士との雑談もヒントになることは多いですね。
一人の人間として、目の前の患者に誠実でありたい
院内ではどのようなことにこだわっていますか?
力を入れているのは清潔な環境づくりです。その一つとしてうがい用の水、手洗い用の水にはオゾン水を使っています。患者さんにとっては目に見えない部分だからこそ、「これでいいだろう」ではなく、「きちんと行いたい」というのが私の考え。「自分がされて嫌なことを患者さんにも絶対にしない。当たり前のことを、ちゃんと当たり前にやる」というのが当院の指針です。また、ベビーカーの小さなお子さん連れの方や車いすの方にとっても訪れやすく居心地のいいクリニックにするために、全面的にバリアフリー仕様にしています。誰もが安心して治療を受けられる歯科医院でありたいですね。
勉強会にも積極的に参加されているそうですね。
私はすべてに関して「もし自分が患者さんの立場だったら」という基準で考えています。だからこそ、診療も院内環境づくりも、患者さんの目には見えない部分もちゃんとしたい。歯科医師としてというより一人の人間として、目の前の患者さんに対して誠実でありたいんです。治療に関して言うと、患者さんそれぞれに合ったゴールにたどり着くためには知識と技術が欠かせませんし、その人にとって適切な治療を確実に、根拠をもって提供したいので、勉強会に参加して研鑽を重ねています。そうした私の姿を見てくれているからか、当院のスタッフが「先生の治療を受けたい」と言ってくれることも。小さな町のかかりつけ医だけれど、地域の方々が求める治療を丁寧に確実に提供するプロフェッショナルでありたい。愛読書の、あるプロ野球監督の著書に描かれているような、ひっそりと咲いているけれども、でも美しく凛とした月見草のような存在になれたらと思っています。
治療において大切にしていることは何ですか?
予防に重点を置いた治療を大切にしています。例えば虫歯は、「治す」といっても元に戻るわけではなく、あくまでも金属などで補って元の形に修復しているだけなのです。そしてどんなにいい素材でも自分の歯にはかないません。少し話は変わりますが、「Floss or Die」という言葉を聞いたことはありますか? 「デンタルフロスをしますか?それとも……?」という、予防先進国のアメリカで掲げられているスローガンです。それに比べると日本ではまだまだ予防への意識は低いと思いますね。70代・80代になって入れ歯をすることになった方々から、「若い頃から気をつけておけば良かった」という声もたくさん聞きます。そんな後悔をしないためにも、歯ブラシやデンタルフロスを使ってご自身で日々しっかり歯を磨くこと、そして定期的な通院でプロのメンテナンスを受けることで、できる限り自分の歯を残すようにすることが大切です。
地域の相談所、寄合所のようなクリニックをめざして
機器はどんな物がありますか?
広範囲の3D撮影が可能な性能にこだわった歯科用CTを導入しています。精密な診断が可能で、根管治療や歯周病治療、親知らずの抜歯など、さまざまな症例に対応可能です。一般的に町のクリニックでは、親知らずの抜歯が必要になると別の医療機関で、となる場合も少なくありませんが、知らない先生にいきなり歯を抜かれるのは不安なものですよね。当院ではこちらの歯科用CTを活用し、私が責任を持って対応します。余談になりますが、歯科用CTを置く部屋は通常無機質になりがちですが、当院では床に畳のような素材を採用し、壁紙も他の部屋とは少し違った雰囲気の物にしました。ちょっとした遊び心も大切にしているんですよ。
患者さんと接する際に心がけていることは?
歯科医院に行くこと自体がネガティブなイメージを持たれがちですが、それが通院のハードルになってはいけないと感じています。「あの先生だったら怖くない」と思ってもらい、歯科医院に通うことに対するネガティブな気持ちを払拭したいのです。そのため患者さんが親しみやすい雰囲気づくりを心がけています。いかに心理的なハードルを下げるか、ということを常に考えていますし、人対人としての付き合いができたらと思っています。ちなみにお子さんの多くは私と話しやすいようで、ある小学生のお子さんと話をしていると、そのお母さんが「友達みたいに話してすみません」とおっしゃられたことも(笑)。こちらは全然構いませんし、歯科医師に対するイメージは将来の歯の健康につながっていきますから、友達と思ってくれるのはむしろ最高なこと。歯科医院は怖くないと知ってもらって、笑顔で帰ってもらえたらうれしいですね。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。
この地域の中で歯科医院として親しまれるのはもちろん、相談所・寄合所的な存在になっていきたいと考えています。例えば「歯ブラシを買ったんだけど、これでいいのかな」など些細なことを気軽に聞けるような相談所、そして「こんなことがあったんだけど、ちょっと先生聞いて」と特別な用事はなくてもふらりと立ち寄れる、寄合所のようになっていきたいですね。治療においては、地域の方々が求める多様な治療を丁寧に確実に提供できるプロフェッショナルをめざして、今後も努力していきます。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/44万円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。