万木 勝治 院長の独自取材記事
ユルギ歯科医院
(守口市/大日駅)
最終更新日:2024/08/08

中央環状線沿いにある「ユルギ歯科医院」は、大阪メトロ谷町線と大阪モノレール線の大日駅から徒歩6分に位置する歯科医院だ。同院の最大の特徴は、万木勝治院長が1人で運営していること。受付から会計まで万木院長が1人で行うが完全予約制で診療しているため、ほぼ待ち時間なく治療を受けることが可能だという。「1人だからこそ、自分が患者だったらどんな歯科医院に通いたいか、どんな治療を受けたいかといった視点を忘れないようにしています」と笑顔で話す万木院長は、歯科治療に関わるすべての営みを楽しんでいるように見える。今回は、治療に対するしっかりとしたスタンスを持ちながらも、緊張した心をほぐす優しい笑顔で患者と接する万木院長に、診療スタンスや治療法についてじっくりと話してもらった。
(取材日2022年8月19日)
歯科医師として「患者のために」を追求する
歯科医師をめざしたのはなぜですか?

幼い頃から、誰かのために自然に行動する母の姿を見ていたことが、自分の根底にはずっとあるように思います。大げさなことではないのですが、困っている人がいたら自然に手助けし寄り添う母の姿を見て育ったので「自分も誰かの役に立つ仕事をしたい」と思うようになったのも、誰かの役に立つ仕事として医療の道をめざしたのも、自分にとっては自然な流れでしたね。歯科を選んだのは、治療した部分が見え、経過がわかりやすく確認できる分野だと思ったからです。“食べる”という、生きることの根本的な部分に関わることはやりがいにつながると思ったのも大きな理由です。実際に今、歯科医師として仕事をしていて「本当にやりがいのある仕事についたな」と実感する日々を送っています。
大学を卒業されてからの歩みをお聞かせください。
大学で研修医期間を過ごしてから北海道の帯広にある歯科医院で4年間勤務しました。常勤の歯科医師が10人ほど在籍するような大規模の歯科医院で、患者数も多くさまざまな勉強をさせていただきました。特に良い勉強となったのは、インプラント治療やブリッジ、入れ歯など歯がなくなった場合の治療についてです。そこで培った経験は現在も私の歯科医師としての基礎となっており、学べたことにとても感謝しております。その後、宝塚で開業している知り合いの先生のもとで2年間勤務し、矯正治療や噛み合わせ分野のほか、歯科医師としての人間性について多くのことを学べました。患者さんの待ち時間を減らすことについては、例え患者数が多くてもシステムを工夫することで大幅に改善できることに気づかされ、当院でも患者さんを待たせないことはいつも重視しています。
お一人で歯科医院を運営するメリットは何でしょう?

一人ひとりに時間をかけて治療を行える点がメリットです。当院は完全予約制で診療しているので、診療時間は予約いただいた患者さんのための時間として確保しています。すべてを私が行いますので小さなこだわりも徹底できますし、目の前の患者さんにとって「本当に良いこと」をとことん追求することができます。当院の患者さんは年配の方が多く、人生相談や身の上話といった歯科に関係のないことを話すこともありますよ。このようにできるのは1人で運営するメリットだと思います。今後の状況の変化で人を増やすことがあるかもしれませんが、基本的に私は一人ひとりに時間をかけて治療したいので、そのスタンスを崩すことのない運営を心がけていきたいと思います。
基本に忠実に。天然の歯をできるだけ残す
診療における先生のモットーとは?

教科書通り、基本を忠実に守ることでブレない治療を行うことです。例えば、歯の型採りをする場合、粉と水を混ぜて型採りの材料を作ります。混ぜるときの温度などによって仕上がりが変わってくるので当院では、いつ誰がやっても同じ物になるよう機械を使って混ぜ、固まる時間もタイマーを使ってきっちり計ります。なぜなら、それらが入れ歯や詰め物の仕上がりを左右し、目分量でしてしまうと収縮や膨張によって歯にぴったりと合わない補綴(ほてつ)物ができてしまうからです。面倒に思えることでも治療の成果に影響することであれば、基本に忠実でありたいと考えています。その結果、当院で入れたかぶせ物の脱離が原因で再来院される方はほとんどいないのが自慢です。
治療に関する先生の考えをお聞かせください。
とにかく天然の歯を残す方法がないかを最初に考えます。当院ではインプラント治療も行っており、歯を1本だけ失った場合は良い選択肢だと思います。でも当然、インプラント治療にもデメリットがあり、それを理由にインプラント治療を選択されない患者さんもいらっしゃいます。その場合には歯の移植という方法も私は検討します。移植とは、使われていない親知らずを歯が失われた箇所に移す方法です。うまく新しい部分にくっつけば普通の歯として機能すると見込めるので、インプラント治療よりも噛み心地が自然になることが期待できます。
噛み合わせについてはいかがでしょうか?

噛み合わせが良くない「不正咬合」は、学問的な側面から見ると、実はほとんどの人に起こっています。しかし、すべての人が問題に感じているわけではありません。問題なく過ごしている人はそのまま、自然に自分の歯を守っていけば良いと思います。ただ歯並びが原因で虫歯になりやすかったり、噛み合わせが悪く噛みにくいなどの問題を抱えている方は矯正治療を検討したほうが良いです。矯正治療はもちろん「歯並びをきれいに整えることをめざすもの」ではあるのですが「歯にかかる負担を減らすためのもの」でもあります。歯が多数残っているご高齢の方は断然歯並びが良い方が多いです。それだけ歯に対する負担が少ないと歯を失わないで済むということにつながるのです。人生100年の時代、長く健康でいられるには機能的に良い歯並びが必要だと考えます。
将来的な歯のトラブルを見据えて子どもの頃からケアを
子どもの歯科治療に関してはいかがですか?

噛み合わせの咬合(こうごう)誘導を行っています。これは、成長発達期において噛み合わせが悪い場合、成長に合わせて正しい噛み合わせになるように誘導していくという方法です。受け口や出っ歯といった噛み合わせの問題は、大人になってから治療するとなると抜歯を伴う大がかりなものになることも。しかし、小学生くらいから始めていると、抜歯することなく正しい噛み合わせに矯正ができる可能性が高くなります。歯のトラブルは年齢を重ねるごとに増えていきますが、若い頃から治療を始めていれば悪化のスピードを抑えられることも少なくありません。そう考えると、子どもの頃から、将来を見据えて治療を始めることが大切です。
大人の矯正相談も増えているそうですね。
はい。最近はマウスピース型装置を用いた矯正を検討し、歯科に相談に行き検査もしたが、マウスピース型装置では対応できる歯並びではなく、相談に行った歯科はマウスピース型装置を用いた矯正しか対応していないため、検査や診断の費用だけがかかってしまったというお話をよく聞きます。歯科診療には自費診療で検査から治療まで高額なものもありますから、患者さんの生活やご希望をしっかり伺った上で、納得して治療に取り組んでいただくことが大切だと考えています。ちなみに当院はワイヤー矯正も対応しています。マウスピース型装置を用いた矯正だけでは対応できない歯並びについても、ワイヤーで整えた上で、マウスピース型装置を用いた矯正に移行するという計画を立てることが可能ですので、不安のある方はご相談いただければと思います。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

歯科医師というのは、虫歯や歯周病の治療が大切な役目でもあると思いますが、私は「患者さんの生まれ持った財産である、天然歯を大切にするためのサポートを行うこと」が重要ではないかと思います。残念ながら治療のために削った歯は元通りになりません。ですので、なるべく削らず、治療が必要ない、メンテナンスで通院していただける状態をつくることが大切です。当院ではそのような部分をしっかりと患者さんに伝えられるように完全予約制にしております。また、私が一貫して応接から治療まで行っておりますので、担当の歯科医師が変わることに不安などを感じられる方には、当院は適しているのではないでしょうか。小さなお子さま連れの患者さんもお見えになられます。さまざまな方にご来院いただけていることはとてもうれしいですよ。これからも、地域の皆さまの「天然歯」を大切にされるお気持ちをサポートしていきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正(拡大床)/初回1装置5万5000円、以降1装置2万2000円、調整料金 月に1度2200円、成人の矯正/ブラケット矯正:77万円~、マウスピース型装置を用いた矯正:38万5000円~(リテーナー1枚5500円×枚数)、インプラント治療/33万円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。