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生活習慣病が要因となる脂肪肝
肝硬変や肝臓がんへの進展に注意

きらく内科クリニック

(墨田区/両国駅)

最終更新日:2023/11/27

きらく内科クリニック 生活習慣病が要因となる脂肪肝 肝硬変や肝臓がんへの進展に注意 きらく内科クリニック 生活習慣病が要因となる脂肪肝 肝硬変や肝臓がんへの進展に注意
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アルコールを飲む人がなる病気というイメージも強い「脂肪肝」。健康診断などで脂肪肝と指摘を受けていても、そのままにしている人も少なくないかもしれない。しかし、脂肪肝の中にはアルコール摂取とは関係がなく、病気が進行して肝炎や肝硬変、中には肝臓がんになることもあるタイプがあるというから放ってはおけない。「進行する脂肪肝は、生活習慣病や内臓脂肪型肥満とも強く関係があることがわかってきています」と話す「きらく内科クリニック」の院長で日本肝臓学会肝臓専門医でもある都野晋一先生に、アルコール摂取とは関係のない場合の脂肪肝と生活習慣病との関係などについて、詳しく話を聞いた。

(取材日2023年6月16日)

沈黙の臓器といわれる肝臓。症状がないからと油断せず、専門の医師の診断を受けてほしい

Q生活習慣病と肝臓疾患は密接な関係があると聞きました。
A
きらく内科クリニック 肝臓専門医による検査の重要性を訴える都野晋一院長

▲肝臓専門医による検査の重要性を訴える都野晋一院長

生活習慣病には、高血圧や脂質異常症、糖尿病、高尿酸血症などがありますが、いずれも年齢が上がるとともに発症しやすくなり、肥満がベースとなっていることも多くあります。その中でも問題とされる生活習慣病は、いわゆるメタボリック症候群のように、内臓脂肪との関連が高いものだといわれています。そして、内臓脂肪が強く関係しているのが、肝臓に中性脂肪がたまってしまう脂肪肝です。脂肪肝には、お酒を飲む人がなる病気というイメージがあるかもしれませんが、近年、特に肝臓を専門とする医師の中では、お酒をそれほど飲まない人がなってしまう「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)」が注目されています。

Q非アルコール性脂肪性肝疾患は、なぜ注目されているのですか?
A
きらく内科クリニック 明るく清潔に保たれた処置室

▲明るく清潔に保たれた処置室

非アルコール性脂肪性肝疾患は、単純性の脂肪肝と、脂肪肝から肝臓病が進行する「非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)」に分けることができます。単純性の脂肪肝は病気がほとんど進行しない一方で、非アルコール性脂肪性肝炎は、徐々に進行して肝硬変になったり、肝臓がんを発症したりすることもあります。つまり、ただの脂肪肝だからと様子を見ていたら、気がつくと思っていた以上に病気が進行しているということがあるのです。肝臓は沈黙の臓器ともいわれ、病気がよほど進行しないと症状が出てきませんから、非アルコール性脂肪性肝疾患の方は、肝臓を専門とする医師の定期的なチェックを受ける必要があります。

Q単純性と非アルコール性脂肪性肝炎はどうやって見分けますか?
A
きらく内科クリニック 先進機器を活用して検査を行う

▲先進機器を活用して検査を行う

自覚症状や簡単な検査では見分けることができませんので、当院では問診や血液検査の結果のスコアリング、エコー検査、必要に応じてMRI検査などを行い、検査結果を総合的に判断して肝臓の状態を評価します。一般的には、MRIであれば5%ほどの脂肪を見ることでどちらか推測できるのですが、これまでのエコー検査では難しいケースも多くありました。しかし、近年は肝臓の硬さの程度を判定することができるエコー検査機器が登場し、エコー検査だけで推測することもできるようになってきています。当院でも検査を実施していますが、ただ確定診断をするには、いずれの場合も肝臓の組織を少し取って病理検査をする肝生検が必要です。

Q肝臓病を患わないために、日常生活で注意することはありますか?
A
きらく内科クリニック 優しく丁寧に診察をしてくれるので安心

▲優しく丁寧に診察をしてくれるので安心

脂肪肝には生活習慣が大きく関わっていますが、生活習慣には仕事や食事、睡眠、ほかにもさまざまなことがあり、それらのどこかに脂肪肝となる要因があるということになります。人によってそのポイントは違ってきますので、肝臓を専門とする医師と相談しながら問題点を洗い出し、そこにフォーカスして生活習慣を是正する必要があります。私の経験では、20〜40代の働き盛りといわれている人たちには、毎日非常に忙しく働いて夜遅くに帰宅し、食事をしてすぐに眠ってしまう方が少なくありません。このような方たちは、まさに脂肪肝の予備軍ですので、食事のタイミングや睡眠時間を是正することは、どなたにも共通する重要なことだと思います。

Qこちらの医院ではどのような治療が受けられるのでしょうか?
A
きらく内科クリニック 先生と話しながら胃腸の検査ができる経鼻内視鏡

▲先生と話しながら胃腸の検査ができる経鼻内視鏡

まずは検査をして、脂肪肝かどうかを確認します。脂肪肝であれば、血液検査やエコー検査、MRI検査、必要な場合には肝硬度測定なども行い、肝臓の状態をチェックして、非アルコール性脂肪性肝炎であるのかを診断します。検査の結果、非アルコール性脂肪性肝炎で病気が進行する可能性が考えられるのなら、候補となる薬の中から適したものを処方します。同時に、糖尿病などの生活習慣病があればそれを治療しつつ、生活習慣の中から病気になった原因と考えられるものを探し出して、その人に見合った生活習慣に是正していくことになります。また、すぐに治療の必要はないと判断できれば、半年に1回など定期的にチェックをしていくことになります。

ドクターからのメッセージ

都野 晋一院長

健康診断などで脂肪肝と指摘されている人は多いと思います。その中には、ただの脂肪肝だからと様子を見ている人もいると思いますが、症状が進行して、いずれは脳血管疾患や心疾患、さらにはがんによって亡くなる人も少なくありません。しかし、肝臓の病気は気づかないうちに静かに進行して、かなり悪化するまで自覚症状は出てきませんから、脂肪肝と指摘されている方、特に健康診断で何年も続けて脂肪肝と言われている方や、脂肪肝に加えて糖尿病や高血圧、脂質異常症などの基礎疾患を持っている方は、一度は肝臓を専門とする医師の診察を受け、肝臓に本当に問題がないかの判断を仰いでほしいと思います。

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