山田 和弥 院長の独自取材記事
ライラデンタルクリニック代々木
(渋谷区／代々木駅)
最終更新日：2025/03/26
代々木1丁目にある「ライラデンタルクリニック代々木」は2025年で開業10年を迎える歯科クリニック。どんな年齢層の患者にも明るく楽しげな印象を与える外観が特徴で、ガラス張りの窓から見えるカラフルな院内が緊張しがちな患者の心を和ませてくれる。アンティーク感のあるペイントなど随所に山田和弥院長のこだわりが感じられ、歯科医院にありがちな怖さを極力排除し、患者が少しでもリラックスできるようにと考えられたこだわりの空間が広がる。山田院長は大学病院やクリニックで数多くの症例を手がけた経験豊富な歯科医師。笑顔でゆっくりと丁寧に話す姿が印象的で、日々の診療にもじっくりと丁寧に取り組んでいることがうかがえる。そんな山田院長に話を聞いた。
（取材日2025年2月19日）
患者の「心」に刺さっている「串」を抜く
明るくて気持ちの良い空間の歯科医院ですね。
ここに開業する一番の決め手が、この窓の大きさと明るさだったんです。外からある程度院内がうかがえたほうが、患者さまも安心して入ってこられるのではないかと思いましてね。私が感じた代々木の最初の印象は「働く方が多い」ということ。当院の目の前には飲食店が2件ありますが、いつもランチ時には大にぎわい。それを見た時、ここで開業すればその活気を分けてもらえそうだなと思いました。また、北参道や明治神宮も近いので、いい気ももらえそうだなと。実際に開業してみると周辺は住宅地で、お住まいの方も働いている方も多く、幅広い方に治療できるエリアでした。患者層で多いのは40〜50代の男性。内装や外観をポップなイメージにしたので女性が多くなるかなと思っていたので、少し意外でした。
「ライラ」というクリニック名も素敵ですね。
「ライラ」は犬のキャラクターで知られるアメリカの人気漫画に出てくる女の子の名前からいただきました。「ライラ」という音の響きも良くて、気に入っています。その犬は、飼い主の少年が作ってくれた小屋に入らずに屋根の上で寝てしまうなど、少しやんちゃで言うことを聞かないところがあるんです。でもそれには理由があって、犬は前の飼い主に会いたくて仕方がないんです。それで時々わがままな行動を取る。その前の飼い主の名前が「ライラちゃん」なんです。ライラちゃんは、その犬に溺愛されていて、そんな彼女と同じ名前をつければ、きっとこのクリニックも愛されるだろうと思いライラとつけました。
スタッフの方々も丁寧で優しい対応を心がけているそうですね。
私は人との出会いの場面で人は出会った瞬間に決まると思っています。ですから、たとえどんなに疲れていようがだるかろうが、私もスタッフも患者さまを迎える時はにこやかに、と意識しています。基本的なことですが、相手の目を見てしっかりお話を聞く、それが大事だと思います。以前勤めていたクリニックの院長から「患者という字は、心に串と書く。心を串刺しにされた人がドアを開けて入ってくるんだよ。受付に誰もいなかったり忙しそうにしていたりする様子を見たら、患者さまの心の串は刺さったまま。おはようございます、こんにちはなどとあいさつをして、心の串を緩めて抜いてあげることがスタッフと歯科医師の役割なんだよ」と話していただいたことがあります。私はとても感動して、自分が開業したら、絶対にスタッフにも話したいと思っていたんです。ありがたいことにスタッフたちは心の串を抜く努力をしてくれているように感じています。
できる限り削らず神経を抜かずに治療を
診療では補綴分野を得意とされているそうですね。
補綴とはかぶせ物や詰め物を使って治療を行う分野なのですが、大学時代にかぶせ物を作ったり色合いを撮影して歯科技工士さんと相談したりする中で専門的な経験を積みました。大学院では、オーラルセラミックという、金属のかぶせ物のように歯の根元が黒ずむことを回避できる白いかぶせ物について研究をしていました。あとは、今ある自分の歯を大事にする予防歯科の一つとして、小児歯科の治療にも力を入れています。歯ブラシの持ち方から丁寧に指導し、保護者の方にも正しい知識をお伝えしたいと考えています。私にも子どもがいますが、子どもの歯磨きはそう簡単にうまくいきません。時間をかけて根気よく付き合うことが大事。嫌いになられるのが一番良くありませんので。
補綴を専門に学ばれたきっかけは？
補綴治療において、かぶせ物を入れるのは一連の治療の最後。つまり、補綴は治療のアンカー的役割なんです。学生の頃の実習で先生が「歯の中身も歯並びも治療が終わりましたね。じゃあかぶせ物を入れましょうか」と言いながら最後に入れ歯を装着しているのを見て、鳥肌が立ちました。患者さんの喜ぶ表情を目の当たりにして、私もとてもうれしく思ったのを覚えています。「苦労したもんね、ここまで」という気持ちで治療の最後を迎える。治療の終わりというのは、卒業証書をもらう日みたいで、年齢に関係なく誰にとってもうれしいものです。その喜びの瞬間に関わりたい、あらゆる年代の方にこの喜びを提供したいと思ったんです。
補綴治療を行う際に大事にされていることは何ですか？
当院では、最終的な補綴物や入れ歯を入れる前までのステップを丁寧に行うようにしています。最終的なかぶせ物などの前には、「仮歯」という洋服のオーダーメイドでいえば仮縫いのような、リハーサルのような歯をいったん入れます。その段階できちんと噛めるか、違和感はないか、患者さまの要望に沿っているかなどを確認するわけです。ここの工程を端折らずに丁寧に確認を進めることで、最終的な補綴物も満足度の高い患者さまにとって「良いもの」に仕上がると考えています。当院には比較的若い患者さまも多いので、より耐久性なども考えなくてはなりませんから、最終的なアンカーはしっかりした存在でなくてはならないと思っています。
楽しくて安心。そんな歯科医院に
患者さんに愛されるクリニックをめざしておられると伺いました。
当院の患者さまは、比較的ご自分の意見がしっかりある方が多いように感じます。ですから、その思いを丁寧に聞き受け止めることが大切だと思います。「小さいけれど、自分のことをしっかり見てくれて、わかりやすく説明してくれるクリニック」と思っていただければうれしいです。それには患者さまと私が1対1で向き合うことが大事。プライバシーを確保できるよう診療スペースを個室にし、自分の目が行き届く範囲で患者さまを拝見できるよう診察台は2台までに、といった工夫もそのため。というのも、私は美容室で美容師さんとおしゃべりしながらカットしてもらうんですが、その美容師さんが別のお客さんと楽しそうに話しているのを見ると、「あっちのほうが楽しそう」と、焼きもちを焼いてしまうんです。そんな気持ちをクリニックの患者さまに味わってほしくないので、「いつでも自分を見てくれている」と患者さまに思っていただけるよう努力しています。
先生が歯科医師をめざしたきっかけをお聞かせください。
祖父も父も歯科医師で、自宅で開業していました。クリニックの前が通学路になっていて、どうも歯科医院特有の薬のにおいがしたみたいで、学校では「歯医者臭い」なんて言われたことも。図体が大きかったのでいじめられはしませんでしたし、そう言われるのが特に嫌だとも思っていませんでしたね。父のことは「器用だな」と思って見ていました。父からは「プラモデルもできないようなやつにはできない仕事だ」なんて言われたことがありましたし、自分でもできないと思っていました。でも、最後にはやっぱり父や祖父と同じ歯科医師の道に進み、大学では補綴に力を入れました。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
当院は、私とスタッフ2人でやっているこぢんまりとした歯科医院です。だからこそ隅々まで目配りでき、患者さまのこともよく理解できると思っています。そして老若男女、どなたでも気軽に来院できるクリニックでありたいと考えております。忙しい方のために平日20時までやっている曜日もありますし、当院のホームページからいつでもインターネット予約も可能です。気になることがある方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミックの詰め物／4万5000円～6万2500円、セラミックのかぶせ物／7万9000円～14万8000円、メタルフリー入れ歯／10万円～22万円、金属入れ歯／25万円～55万円、クリーニング／5000円～1万円、ホワイトニング／2万円～3万9800円、マウスピース型装置を用いた矯正／39万8000円～
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。
