坂野 閣紀 院長の独自取材記事
ばんのクリニック
(名古屋市天白区/原駅)
最終更新日:2021/10/12
名古屋市営地下鉄鶴舞線「原駅」より、市バスで10分、島田住宅の南に位置する白を基調とした建物の「ばんのクリニック」は、開院3年目を迎える。同院には、地域のホームドクターとしてだけではなく、胃カメラ、大腸カメラといった検査にも対応。遠方から受診する患者も多いという。院長の坂野閣紀先生の温和な人柄は、「親しみやすく、相談しやすい先生」と患者から親しまれているそう。清潔感あふれる院内で、心地良さを感じながら、坂野院長に、病院の魅力をたっぷりと話してもらった。
(取材日2016年7月27日)
患者がいかに居心地良く過ごせるかを追求した院内
開業に当たりどのようなところにこだわられましたか。
車で来院される患者さんが、車を停めやすい駐車場を広く設けました。また、駐車場には、アーケードを設け、同乗の方が雨の日でも濡れることなく、院内に入れるようにしました。院内の待合室においては、患者さんが少しでも快適な待ち時間を過ごせるよう、明るく開放的な空間にしました。
どのような患者さんがよく来院されますか?
当院は、地域に根差した質の高い医療をめざしており、赤ちゃんから高齢者まで幅広い年齢層の方々にお越しいただいています。お近くにお住まいの患者さんの他にも、胃カメラや大腸カメラを受けられた方のクチコミで、新たな患者さんが遠方から足を運ばれることも多くなりました。また、若い世代の方々を中心にインターネットを見て来院される方々も多いですね。「日本内科学会認定総合内科専門医」でもあり、また勤務医時代、救急外来経験も積んできているので、幅広く診療することができます。風邪、アレルギー症状、生活習慣病、甲状腺疾患、消化器系疾患はもちろん、さまざまな疾患に対応しております。
内視鏡の検査や治療について、豊富な経験があるとのことですが。
そうですね。名古屋第一赤十字病院や小牧市民病院、名古屋大学附属病院では、消化器内科に勤務し、国内でも先端の医療に携わってきました。また、岡崎市民病院では、消化器内科部長、内視鏡センター部長に就任しました。勤務医時代に、数多くの内視鏡検査・治療に携わらせていただき、また国内外の学会で研究発表をしてきたりと、多くの経験をさせていただいたことに感謝しています。この経験を生かし、多くの方の健康を支える事が出来ればと思っております。
検査だけでなく治療も可能な「内視鏡」の魅力
経験豊富な内視鏡検査で、心がけられていることは?
今まで培ってきた経験をもとに、当院では、初期のがんも見逃さない、徹底した内視鏡検査を心がけています。胃がんや大腸がんは早期発見をすれば、開腹手術をせずに、患者さんへの負担の少ない内視鏡での手術が可能です。早い段階で見つけ、治療につなげることが、私の使命であると思っています。やはり、内視鏡検査においては、どのような状態が早期がんであるのか、これは疑うべき所見か否かなどの適切な見極めには、豊富な臨床経験が必要になってきます。また、胃カメラや大腸カメラは、医師のテクニックの面でも、豊富な経験と腕が患者さんへの負担や苦痛を左右します。そういった双方の面でも、当院がお役に立てればと思っています。
どういった方に内視鏡検査を受けてほしいですか?
アルコールを飲む人やタバコを吸う人は、食道がんや肝臓がんになるリスクが増えます。胃がんに関しては、塩分の摂り過ぎが原因で、日本は海外より発症が多くなっています。さらに、慢性胃炎の原因であるピロリ菌が、胃がんの発症に関連していると言われています。年を重ねれば重ねるほど、炎症を経由し、がんになる人が急増するので、やはり50歳を超えた方には胃カメラや大腸カメラを受けていただきたいと思っています。当院では、胃カメラを行う時には、食道も丁寧に観察していきます。また大腸カメラ検査では、ポリープを発見した場合、その場で切除し、日帰り手術ができるというのも、当院の特徴の一つです。名古屋市では、2016年10月から名古屋市在住の50歳以上の方を対象に胃がん検診で内視鏡検査(胃カメラ)ができるようになりました。今まで胃カメラを行う機会がなかった方々も、これを機に、ぜひ、がん検診を受けられることをお勧めします。
内視鏡の他にはどのような診療をされていますか?
さまざまな疾患の症状に応じ、エコーで胆のう、肝臓、すい臓、甲状腺などを診たり、心臓疾患が疑われる場合は、心電図も使用しています。必要に応じで、近隣の関連病院ですばやくCTやMRI検査を依頼し、見落としのない適切な診断、治療を常に心がけています。また、花粉症やじんましんなどのアレルギー疾患の患者さんも多く、中でもスギ花粉のアレルギーをもつ患者さんが大半を占めています。12歳以上の方には、スギのエキスを少しずつ入れ、身体の過剰反応を阻止することをめざす「舌下免疫療法」を取り入れています。少しずつスギの量を増やしていき、慣れさせ、スギに反応しにくい体をつくることで、症状を緩和させることが目的です。
患者一人ひとりに寄り添うことをモットーに
診療の上で、やりがいを感じられるのは、どんな時ですか?
治療が結果として現れる時やがんの早期発見などにより、患者さんが「先生、ありがとう」と言って、喜んでいただける時です。つい先日も、内視鏡検査で早期がんが見つかった患者さんが、治療後に喜びを伝えに家族で来てくださいました。やはり、患者さんの安堵の表情や笑顔を見ると心からうれしく思います。患者さん一人ひとりに寄り添い、信頼関係を築き、適切な医療を通して、患者さんに喜んでいただけるその瞬間が、私の医師として働く原動力になっています。
院長のスタッフへの思いをお聞かせください。
医療の現場では、患者さんの喜びや悲しみ、痛みや苦悩を受容、共感し、相手の立場に立って考えることのできる思いやりの心とやさしさが大前提にあります。当院は、常に患者さん一人ひとりに寄り添い、患者さんからも信頼されるベテラン看護師がそろっています。医師、看護師、受付スタッフが一団となり、患者さんへの思いやりのある丁寧な姿勢や配慮こそ、当院の最大の魅力でもあります。開院3年目になりましたが、素晴らしいスタッフに恵まれていることに感謝する日々であり、これからもさらなる質の高い地域医療をめざし、スタッフとともに「ばんのクリニック」の地域に密着した基盤を築き上げていきたいと思っています。
読者にメッセージをお願いします。
胃の内視鏡も鼻からの検査で丁寧に行っていますので、怖がらずに受けに来ていただきたいです。自分が病気かもしれないということで悩んでいる方は意外に多いようですので、自分ひとりで悩まずに、一度ご相談に来てほしいと思っています。不安なことはサポートできますので、ぜひお気軽に相談してください。皆さまの心のよりどころになれましたらうれしいです。