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野渡 正彦 院長の独自取材記事

すくすくあかちゃんこどもクリニック

(藤沢市/善行駅)

最終更新日:2020/11/25

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小田急江ノ島線善行駅から徒歩6分。閑静な住宅街にある「すくすくあかちゃんこどもクリニック」は、2014年10月に開院した新しい小児科医院だ。敷地内に広い駐車場を有し、院内は明るく居心地の良い待合室、子どもたちが喜ぶアニメキャラクターで彩られた診察室と処置室、受付から直接入れる2つの隔離室など、子どもたちへの配慮にあふれている。20数年間、北里大学病院の新生児集中治療管理室で命を守る最前線に立ち、多くの子どもたちの診療にあたってきた野渡正彦院長。優しく穏やかに語る言葉の中に、長年、新生児医療に携わってきた経験量と知識、赤ちゃんと子どもたち、そして子育て中のパパやママへの思いやりを感じられる。小児科医師をめざした経緯、大学病院での経験、今後の展望などを聞いた。
(取材日2015年9月3日)

小児科医師をめざしたきっかけは小学生の時の長期入院

医師をめざしたきっかけを教えてください。

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小学校5年生の時に急性糸球体腎炎で、藤沢市民病院に2ヵ月ほど入院していたことがあり、今思えばその経験が医者をめざす大きなきっかけになったのだと思います。退院後も中学を卒業する頃まで通院していて、当時は「この病気は治らないんじゃないか」とか「悪くなって透析を受けることになるんじゃないか」とか、常に体の不安を抱えていましたね。入院を機に腎臓とは関係なく熱を出したり、体調を崩すことも多くなって、小・中学生時代は学校も休みがちでした。長期入院の間に年齢の違う友達がたくさんできたことや、病気のことでつらい思いをしてきた中で、小児科に対するイメージが何となくできてきて。医者になるなら小児科医師にと決めたきっかけになっていると思います。

長年、一般小児科だけでなく新生児医療を専門としてきたとか。

当時の北里大学のシステムは、大学卒業直後から小児科の医局に入り、医者になって5年間は専門を決めず、病棟を回ったり、関連病院へ出向したりして小児科全般を学び、6年目以降にサブスペシャリティを持つという形でした。小児科の中で特に専門とする分野を持つ感じです。私は、一般小児科で診療しながら、新生児医療をサブスペシャリティにしました。医者になって2〜3年目に休日診療所で勤務する機会があり、そこには内科・小児科を標榜している先生もいました。ある程度大きな子なら、小児科にも詳しい内科の先生が診ることもできますが、生まれたての赤ちゃんには、内科ではなく小児科が対応することになります。新生児には内科では対応できない部分がありますし、小さく生まれた赤ちゃんをギリギリで助けて元気にする、ということを求められる場面も多く、やりがいがあると思ったことが、新生児医療を専門に選んだ理由ですね。

大学病院ではどのような子どもたちを診ていたのですか?

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NICU(新生児集中治療室)で、産まれたばかりの赤ちゃんの蘇生や呼吸循環管理などの救急医療を担いながら、退院した赤ちゃんの発育・発達のフォローをしていました。元気で退院して何事もなく過ごすお子さんもいますが、500グラムで生まれたり、いろんな奇形のあるお子さんだと後々問題が出てくることも多いので、院内の新生児未熟児の外来で定期的に検診をしていって、ある程度大きくなるまで診ていましたね。

新生児集中治療の経験を経て、母子に寄り添う開業医に

開業は当初から視野に入れていたのですか?

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新生児医療ってやっぱり大変なんです。生まれた赤ちゃんが呼吸をしていなければ蘇生処置を行って、数十秒を争う緊急事態でバタバタしている状況です。当直で徹夜して、翌朝から夜まで働くというのは、いつまでもやれることではないだろうという思いはありました。小児科の中でも新生児やNICUの医療はさらに大変で、担い手が少ないのですが、ちょうど後輩達が育ってきて、10年違いの後輩がNICUを引き受けてくれることになり、開院することができました。もともと医者になったのは小児科医師になるためでしたし、頭の中で描いていた小児科は、外来でゆっくりとしっかりと話をするイメージだったので、開院してそれを実現できていると感じます。

診療の中で大切にしていることは何ですか?

お母さんの話をきちんと聞くことです。患者さんが増えてきても、できる限り話を聞いて説明してあげたいですね。それから大学病院で新生児を診ていたときによく考えたのは、赤ちゃんの気持ちです。内科の医師なら自分が病気になったら、寝たきりになったら、がんになったらどうしようと想定することで、患者さんの立場になるということがあると思うんです。ところが、自分が保育器の中に入っていたらどんな気分だろうとか、こんなことされたら嫌だなとか、赤ちゃん目線で考えることって普通はあまりしないと思うんですね。そういう発想自体あまりないけれど、子どもや赤ちゃんの立場だったら、となるべく考えてあげたいのです。

どんな患者さんが多いのでしょう。

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医院名のせいか、新生児が専門のせいか、患者さんは生後間もない子から乳児までが圧倒的に多いです。一度、小学生のお子さんを連れたお母さんに「こんな大きい子診てもらえますか?」と聞かれたことも(笑)。小児科に中学生ぐらいの子が来ると、浮いてしまうような雰囲気はわかりますが、ここは小学生でもちょっと珍しい感じを与えちゃうみたいですね。開院後も市内にある吉田クリニックという産婦人科の非常勤医師として、生後間もない赤ちゃんの検診、新生児チェックを毎週行っています。そちらの医院でも多くの赤ちゃんが生まれていて、産科の先生や助産婦さんとも顔見知りなので、お母さんに「退院したら当院へ来てください」とお伝えしています。産婦人科と連携することで赤ちゃんを生まれた直後から診察して、生後2ヵ月から始まる予防接種を担い、最初からその子の育つ様子を全部診ていきたいというのは開院前から考えていました。

子育てはのんびり、ゆっくりと焦らずに

猫検定3級をお持ちとのことですが、動物がお好きなんですか?

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猫検定3級は自慢ですね(笑)。水道橋にある日大の校舎まで試験を受けに行きました。1級を取るには獣医師レベルの知識が必要だと聞きましたが、3級は検定の本を見て予習すればだいたい取れるみたいですよ(笑)。家では2匹の猫とゴールデンリトリバーを飼っています。開院してから歩かなくなったので、奥さんから「歩いた方がいいよ」と言われて犬の散歩は必ずしています。本当は犬をここにも連れてきたいんですよね。セラピー犬に育てようかと思っています。

セラピー犬はこれからの展望の一つでもあるのでしょうか?

セラピー犬は実現したいことの一つです。後はベビーマッサージかな。生後3ヵ月〜1歳半頃の赤ちゃんをお母さんがマッサージして、母子の絆を深めるというものです。この前、ベビーマッサージに詳しい知人にここで実施してもらったので、今後も続けたいです。また診察室が2つあるので、二診制にして一人の患者さんにかける時間を増やしたいと思っています。それから、在宅医療にも取り組みたいですね。最近は、大学病院のベッド数不足などの理由から、重症心身障害がある寝たきりのお子さんに必要な、人工呼吸器を使ったりチューブで栄養をあげたりといった管理を在宅でするご家庭が増えています。人工呼吸器をつけての通院は大変なので、訪問で診て少しでもサポートしたいです。当院はまだ1歳にもならないので、ようやくつたい歩きといったところ。これから一人で歩いたり、走ったり、いろいろできるようにして、ここならではの特色を出していきたいですね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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気軽なクリニックなので、遠慮せずに小さなことでも相談してください。子育ては「のんびり」が大切で、「こうしちゃいけない」「こうするべきだ」だというのはないので、焦らず、心配事を抱え込まないでほしいですね。医院名の候補にはスワヒリ語でのんびり、ゆっくりのような意味の「ぽれぽれ」もあったんですが、ちょっと奇抜なのでやめちゃったんです(笑)。お母さんには90点、100点の子育てなんて必要ないってよく言うんですよ。60点、70点で十分なので、そんなに頑張りすぎないでと。小児科医師で精神科医師でもあるウィニコット先生が「good motherの必要はない、good enough motherであれ」と言っています。要は程よい母親が一番だと言っているんですね。余裕がないと子育てが楽しくなくなってしまうので、ある程度余裕を持てるようにサポートができたらと思います。

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