後藤 牧子 理事長、野澤 弘樹 院長、品川 裕利 先生の独自取材記事
さくらクリニック
(福岡市東区/門松駅)
最終更新日:2025/08/04

「さくらクリニック」は県道35号から1本道を入った小高い丘の上にある。同院では、各専門分野の医師が集結し、心療内科、一般内科、肝臓内科、婦人科、漢方内科、産業医学など、専門性の高い医療の提供に努めている。院内のそこかしこに絵画や調度品が飾られ、ラウンジからは山と湖を望める。まるで美術館のような美しいたたずまいのクリニックに、訪れた患者からは「癒やされる」という声がよく聞かれるという。心療内科の後藤牧子理事長、心療内科の野澤弘樹院長、心療内科・婦人科・漢方内科の品川裕利先生に、それぞれの専門性や診療の特徴などについて話を聞いた。
(取材日2025年6月18日)
自然と調和した、癒やしのクリニック
自然豊かで落ち着いた場所ですね。

【後藤理事長】はい。当院は、周りを緑豊かな自然に囲まれた、落ち着いた場所にあります。外観はクリニックというよりも、ガラス張りの美術館のようなイメージでつくりました。やはり、緑や自然のある空間は、それだけで気持ちが癒やされてリフレッシュできると思うんです。「通院するのが楽しみ」「ここに来るだけで癒やされる」「子どもが喜んで行く」といった声を患者さんから聞くと、本当にうれしいですね。消毒のにおいがしたり、医療機器に囲まれていたりすると、どうしても緊張してしまうものです。当院では、皆さんが慌ただしい日常をふと忘れられるような広々とした空間を大切にしています。クリニックの奥にあるラウンジからは湖も見えますので、美しい自然の景色を眺めながらゆっくり過ごしていただきたいと思っています。
主な患者層や主訴を教えてください。
【野澤院長】私の担当する患者さんは20代~50代の働いている世代の方々が中心です。主な訴えとして多いのは、不安感や抑うつ感、眠れないといった、いわゆるうつ病に関連する症状です。特に、職場での人間関係のトラブルが原因のケースが圧倒的に多いと感じています。ときには、家族や友人関係などプライベートなことで悩んでいる方もいらっしゃいますが、やはり仕事絡みのストレスが多い印象です。
【品川先生】私の担当が婦人科ということもあって、30代~60代くらいの女性が中心です。相談の背景にあるのは、やはり職場や家庭でのストレスです。例えば気がめいる、足が動かずに家を出られない、何もやる気がしないといった、典型的なうつの症状を訴えられる方が多いです。
専門の違う医師が複数在籍しているのですね。

【後藤理事長】専門が違えば、同じ患者さんに対しても診療のアプローチが変わります。当院ではそれぞれの専門性を生かしながら連携して診療を行っており、複数の視点から患者さんを支えることができるのが大きな強みです。患者さんの中には、複数の病気や悩みを抱えている方も少なくありません。そういった場合、通常であればいくつかの病院やクリニックをはしごする必要があるかもしれませんが、当院であれば一つの場所で完結できる可能性があります。すべての診療情報が統合されたカルテに記録されているため、情報の共有もスムーズで、より適切な医療を提供できるのもメリットだと思います。
異なる専門を持つ複数の医師による多角的なアプローチ
それぞれのご専門を教えてください。

【野澤先生】私が得意としているのは、職場におけるメンタルヘルスや産業衛生に関する分野です。心療内科の中でも、特に職域に関する悩みや不調を抱える方の支援に力を入れています。
【品川先生】私はもともと産婦人科の医師として、お産を含めた診療に携わってきましたが、現在は更年期や不定愁訴といった婦人科領域からのアプローチが中心です。更年期障害の症状の多くに、実はうつ症状が混じっているケースが非常に多いと感じるようになり、そこから心療内科としての関わりが始まりました。精神科の薬は錠剤のイメージを持たれる方が多く、錠剤を避けたいという声もよく聞きます。そういった方には、漢方薬を提案していますので、治療を受け入れやすくなるのではと考えています。
どのような患者さんに来院してほしいですか?
【野澤院長】うつ病とまではいかないけれど、仕事が精神的につらいと感じながら働き続けている方です。明らかな症状が出ていなくても、「ちょっとメンタル的に厳しいな」と、感じている方にも、もっと気軽に来ていただけるようなハードルの低い心療内科でありたいと思っています。また、土日祝日も開院しており、お仕事やご家庭の都合で平日の通院が難しい方でも、無理なく受診できるような環境づくりを心がけています。
【品川先生】体や心の不調を感じたときに、まず気軽に相談できる場所としての婦人科的アプローチを大切にしています。ですので、更年期あたりの不調から、なんとなく気持ちが沈む、やる気が出ないといった状態にある方に、ぜひいらしていただきたいです。
医師間の連携も意識されていると伺いました。

【野澤院長】それぞれの専門分野を持つ医師3人で協力し合いながら日々の診療にあたっています。患者さんの状態を見て「これは精神的なケアが必要だな」とか、「婦人科的な知見が必要だな」と感じたときには、ためらわずに先生方の力を借りるようにしています。何が患者さんにとって最善の診療になるのかを常に考えるようにしています。
【品川先生】複数の医師が関わっているからこそ、自分では気づけなかった視点に気づけることがあります。例えば、患者さんが別の先生に、「実はこんなことがあって……」と本音をこぼすことがあったら、私のほうでも何か気づくきっかけにできるかもしれませんよね。情報をしっかりと共有することで、患者さんの全体像がより明確に見えてくると思いますし、それがより良い治療につながると思っています。
患者さんとのコミュニケーションで、特に大切にされていることはありますか?
【後藤理事長】診療においては、心と体、両方に寄り添うことを大切にしています。病気だけを診るのではなくて、目の前の患者さんを家族と思い接することを大切にしながら、丁寧にお話を伺い、診療することを心がけています。心の不調や不眠、気分の落ち込みといった症状で来られても、実はその裏に身体的な病気が隠れていることもありますし、きちんと検査しなければわからないことも多いのが実際です。だからこそ、患者さんの話にしっかり耳を傾けて、丁寧に診察することを常に大切にしています。
心と体を守る、地域の小さなクリニックをめざして
心身両面でのアプローチを大切にしているそうですね。

【後藤理事長】心と体のつながりという点では、更年期障害や甲状腺機能の異常など、ホルモンバランスの変化によって心の症状が現れることもあるんです。当院では、こうした内科的な疾患も含めて丁寧に精査し、心身両面からのアプローチを大切にしています。単に気持ちの問題と捉えるのではなく、体の状態から心の変化を読み解ける医療を心がけています。患者さん自身が自分のリズムや心の状態に気づけるよう、日々の診療にあたっています。心の疲れが体からのアプローチで改善が見込めることもあります。
今後に向けてめざしていることを教えてください。
【後藤理事長】当院としては地域の皆さんが安心して通えて、診療が一つの場所で完結できるような小さな病院のようなクリニックをめざしています。その実現のために、専門の異なる複数の医師が在籍し、それぞれの専門性を生かしながら連携して診療にあたる体制を整えています。さらに、男性更年期の治療などの新たな診療領域にも対応できることになりました。今後も、新しい治療にも積極的に取り組み、「何かあったらあそこに相談してみよう」と思っていただけるような、地域に根差したかかりつけ医としての役割を果たしていきたいと思っています。
最後に、読者の方へのメッセージをお願いします。

【後藤理事長】「心療内科に行くほどなのかな」と迷って、受診をためらっている方もいらっしゃるかもしれません。ですが、当院には、「なんとなく眠れない」「気分が少し落ち込んでいる」といった、軽度の症状でお越しになる方もたくさんいらっしゃいます。もし、「なんだかいつもと違うな」と感じたり、内科を受診しても特に異常が見つからないのに体調が優れない状態が続いたりするようでしたら、ぜひ一度ご相談いただければと思います。