40代、50代の女性必見!
「骨粗しょう症」の検査と予防
青葉台たけだ整形外科
(横浜市青葉区/青葉台駅)
最終更新日:2021/10/12


骨粗しょう症は進行すると、ちょっとした衝撃で骨折するばかりでなく、自分の体重の重みで背骨が潰れてしまうこともある。しかし初期は自覚症状がないため、症状が出る前に検査をし、予防に努めることが重要だ。そこで骨密度測定で重要視される、腰椎・大腿骨の測定が可能なDXA機器を導入している「青葉台たけだ整形外科」の武田裕介院長に、その検査法と予防の重要性について話を聞いた。
(取材日2015年2月27日)
目次
自覚症状が出る前の対応で、治療も予防もできる。そのためには少しでも早く、自分の骨の状態を知ること
- Q近年耳にすることの多い「骨粗しょう症」。どんな病気ですか?
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A
▲骨粗しょう症によって「いつの間にか骨折」していることも
骨の強さは「骨密度」と「骨質」で決まります。骨を鉄筋コンクリートの建物に例えると、骨密度がコンクリート、骨質が鉄筋ということができます。この両方が弱くなることで、骨がスカスカになって折れやすくなる、それが骨粗しょう症です。原因は「骨代謝」のアンバランスです。骨には体を支えるだけではなく、カルシウムを血液に供給するという役割があり、これを「骨吸収」といいます。その一方で骨を作る「骨形成」という働きがあり、この一連の代謝を「骨代謝」といいます。このバランスが崩れて、骨吸収が骨形成を上回ると骨が弱くなり、骨粗しょう症になるのです。放っておくと、背骨が自分の体重に耐えられなくなり、気づかないうちに潰れてしまうのです。背骨は前の方から潰れていく傾向があるので、体が前のめりになってさらに負荷がかかり、ドミノ倒しのように骨折が連鎖していきます。その結果、どんどん背中や腰が曲がってしまうのです。
- Q骨粗しょう症になりやすい人の特徴はありますか?
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A
▲遺伝や体質、飲酒、喫煙、ステロイドの服用などが危険因子に
まず、女性では閉経です。女性ホルモンには骨密度を維持する働きがあるので、女性ホルモンが減少すると骨がもろくなるのです。また、骨の強さには遺伝や体質も影響します。そのため血縁者に骨粗しょう症の人や大腿骨骨折の経験者がいる場合は、骨が弱い体質と考えられるので注意が必要です。それから低体重の人。骨は常に負荷がかかっている状態なので対抗するために丈夫になるという性質があるのですが、痩せていると負荷が少ないため骨が軟弱な場合があるのです。またステロイド薬の服用歴や、過激なダイエットをした経験がある人も、骨が弱くなっている可能性があります。タバコを吸う人や、お酒を大量に飲む人も要注意です。喫煙習慣やアルコールの多飲はカルシウムの吸収を低下させる要因ですので、骨密度の減少を招きます。また糖尿病、肝疾患、腎疾患なども骨粗しょう症の危険因子です。
- Qこちらのクリニックでは、どのような治療が受けられますか?
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A
▲DXA機器の測定により、治療の効果を正確に知ることが可能
患者さんの年齢や症状にあわせて、骨吸収を抑制するお薬や骨形成を促すお薬、カルシウム剤、カルシウムの吸収をよくするためのビタミンDを処方したり、ホルモン剤の注射などによる治療を行ったりしています。そのための検査として、骨密度や骨代謝マーカーの測定を行います。多くのクリニックでは骨密度の測定を前腕で行うのですが、それではあまり変化が見られません。そこで当クリニックでは、骨密度の測定器としてDXA機器を導入しています。この機械の特徴は、大腿骨と腰椎の骨密度の測定ができることです。骨粗しょう症でダメージをうけやすいのは大腿骨や腰椎ですので、この部分の測定が重要なのです。また細かい測定ができるので、治療効果が数値によってわかります。骨粗しょう症の治療は短期間で効果が出るものではありませんのでドロップアウトしてしまうケースも多いのですが、この数値を示すことで治療目標ができ、患者さんが長期間の治療を続けることができるというメリットもあります。
- Q普段の生活で、気をつけることは?
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A
▲「若い世代にも骨粗しょう症予防の重要性を教えたい」と武田院長
骨粗しょう症予防の三大要素は、食事、適度な運動、日光浴です。食生活においてはさまざまな栄養素をバランスよく摂ることが基本ですが、特にカルシウム、タンパク質、ビタミンDやビタミンKなどを意識して摂るようにしてください。加えて、適度な運動と日光浴を心がけること。それからアルコール多飲と喫煙も危険因子ですので、改めた方がいいですね。骨粗しょう症の初期は無症状なため、気づかないうちに進行して「いつのまにか骨折」や「ドミノ骨折」を起こしてしまうのです。ですから、痛みなどの症状が出る前に骨密度の検査をしていただきたいと思います。今の骨の状態を知った上で、ご自分に合った骨密度の管理をしていただくことが、治療だけでなく、予防にもつながりますから。