知らないと後悔する性病
種類や症状を理解し、自分の体を守る
つのだ泌尿器科クリニック
(福岡市中央区/別府駅)
最終更新日:2023/02/28
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デリケートな悩みであり、なかなか相談しづらい性感染症。しかし、放置すると命に関わる病気を引き起こす可能性や、妊娠・出産に影響を及ぼす恐れがある。若い世代を中心に、これまで多くの性感染症の患者を診察してきた「つのだ泌尿器科クリニック」の角田雄一院長は、「近年、性の多様化によって感染リスクは増している」と警鐘を鳴らす。特に、ここ数年は国内で梅毒患者が急増し、その数は1万人以上。国が注意を呼びかけている状況だ。梅毒は感染しても症状が出にくいことも多く、感染に気づかず受診が遅れたり、パートナーにうつしてしまったりする場合もあるという。「少しでも不安があれば、すぐに検査を受けるべき」と角田院長。性行為を介して、誰にでも感染する恐れがある性感染症の種類や症状、治療法について話を聞いた。
(取材日2023年1月12日)
目次
「もしかして?」そう思った時が検査のタイミング、自分の体や大切な人を守ってほしい
- Q性感染症の代表的な種類を教えてください。
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A
多いのは淋病、クラミジア、梅毒、性器ヘルペスの4つ。この他、尖圭コンジローマやカンジダ症、口唇ヘルペスや後天性免疫不全症候群、いわゆるエイズもあります。こうした性感染症は、性行為によってウイルスや細菌が性器などに付着し感染するもので、性行為の経験があれば誰でも感染する可能性があります。性器と性器の接触だけでなく、性器と口のオーラルセックスやキスなどで感染する場合もあります。特に最近は性の多様化が進み、同性同士や不特定多数との性行為も特別ではなくなっているため、それに伴い感染リスクも高まっています。症状が出ない、または軽いというパターンも多く、感染に気づかないこともあり注意しなくてはなりません。
- Q感染するとどのような症状がありますか?
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A
特に多い4つの性感染症についてお話ししますと、淋病やクラミジアは、男性の場合であればおしっこをする時に痛みがある、尿道から膿が出るといった症状があります。女性の場合は症状がないことがあり、それが怖いところでもあります。性器に水疱ができたり、足の付け根のリンパ節が腫れたりするのは性器ヘルペスの症状です。体の免疫力が下がっているときに、症状が出やすい傾向にあります。梅毒の場合もヘルペスに似た症状が出ることや、全身に発疹ができることがありますが、こちらも症状が出ないことが多い。どの病気も自然に治ることはなく、医療機関での治療が必要です。
- Q最近は、特に梅毒が流行していると聞きました。
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A
はい。梅毒の流行の背景には、先ほどお話しした性の多様化が関わっているといわれています。また、感染していても症状が出ないことも多いという特徴も原因の一つで、気づかずに他の人にうつしてしまっている場合があるようです。性行為が活発な20代から30代の若い世代を中心に感染が広がり、国内の患者の数は1万人以上に上ります。今症状がなくても、将来、重大な疾患につながりかねない危険な病気です。感染を予防する方法としては、複数の相手との性行為は控えること、性行為の際に必ず避妊具を使うことなどが挙げられます。性行為の前に、お互い性感染症の検査をしておくことも大切です。
- Q病院を受診せずに放置した場合、どのようなリスクがありますか?
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A
ウイルスや細菌が体に入るわけですから、放置しておくと熱が出たり、敗血症をはじめ命に関わる症状や病気を引き起こしたりする恐れがあります。女性は症状が出にくいので、知らない間に炎症が進み、不妊の原因になる恐れもあります。感染の不安や、性器の痛み・違和感を感じたその時が検査のタイミングです。恥ずかしいことはありません。できるだけ早めに受診してください。女性に関して言うと、婦人科で検査しなくてはならないというイメージがありますが、決してそんなことはありません。泌尿器科では男女どちらの検査も可能です。当院にも女性の患者さんが多くいらしていますので、安心して来院していただけると思います。
- Q検査の流れや実際の治療のイメージを教えてください。
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A
排尿痛、尿道から膿が出るなど排尿の症状がある場合は、検尿をしていただき炎症の有無と細菌の種類を確認します。女性の場合は膣の中に菌がいることが多いので、膣の分泌液を採取して検査します。また、男女共通して喉に感染することがあるため、うがいをした液を調べることもあります。結果は2~3日でわかります。治療はそれぞれの性感染症に適した抗生剤や抗ウイルス薬を処方します。治療終了後に再検査を行い、そこで陰性になれば治療終了です。ただし性器ヘルペスはウイルスの活動を抑えるのみでウイルス自体は残存するため再発する可能性があります。疲れや不眠や生活リズムの乱れなどによる免疫力の低下がヘルペス再発の原因となります。
自由診療費用の目安
自由診療とはブライダルチェック(精液検査+性感染症5項目)/約1万5000円