大西 一男 院長の独自取材記事
大西内科クリニック
(神戸市灘区/王子公園駅)
最終更新日:2026/01/14
王子公園駅から歩くこと5分。神戸でも古い商店街として知られる水道筋商店街の一角に「大西内科クリニック」はある。同地域の中核病院・神戸労災病院で院長を務めた大西一男先生が、同病院を退職後、生まれ育った地域の健康のために尽くしたいと2014年に開業したクリニックだ。大西院長は日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会循環器専門医資格を持ち、病院勤務時代に培ってきた経験と知識を地域に還元しようと、心電図検査、エックス線検査装置、超音波検査装置など各種設備をそろえた。診療ではエックス線やエコーの画像だけでなく心臓超音波検査の心臓の動画も見せながら、わかりやすい診療を心がけているという。そんな大西院長に、これまでの道のりとこれからの診療について、じっくり話を聞いた。
(取材日2019年7月25日)
地域とともに生きるホームドクター
どのような経緯で開業されたのですか?

神戸労災病院に長く勤めていましたが、定年を迎えましたので、その年の2014年に開業しました。同年代の先生の中には引退してゆっくりと自分の時間を過ごす人もいるけれど、私は特に趣味もなくて、仕事を辞めるという選択肢はなかったですね。私はこの近くで生まれ育ったので、クリニックのある水道筋商店街は幼い頃から慣れ親しんだ場所なんです。このビルは昔、仏壇屋さんがあって、お線香を買いに来ていました。うちは祖父も父も医師で、祖父が開業したのが大正時代の1914年。その後を引き継いだ父は1966年、私が高校3年生の時に亡くなりました。開業医として働いていた父の姿を小さい頃から見ていたので、医師を志したのはきっとその影響でしょう。なじみのある場所で開業して、地域医療に何がしかの恩返しができるのはありがたいことですね。
開業して5年になりますが、勤務医時代と比べていかがですか?
勤務医時代と比べると、やはり自由度は高いですね。例えば、診療時間から診療方針まですべて自分で決めるのですから、責任は大きいですが、その分やりがいも大きいですね。自分のペースで仕事ができますし、患者さん一人ひとりに目が届きます。もちろん、勤務医時代の経験も今の診療に大きく生かされています。いろいろな部署があってそれぞれ長がいる環境だったからこそ、ふだんから現場の担当者や若い先生とコミュニケーションを取る機会も多く、そこで築き上げたネットワークは現在の医療連携においてとても役立っていますね。
クリニックのコンセプトやこだわっていることは何ですか?

「誰からも信頼される医院」「地域の皆さまとともに生きるホームドクター」をめざしています。そのためにも診療では、病状をできるだけわかりやすく説明して、理解していただけるようにしています。開院にあたって、心電図検査、エックス線検査、超音波検査装置をそろえ、電子カルテも導入しました。エックス線画像もその場で見て説明するようにしています。その他、心電図や治療経過のグラフも、診察室のモニターで患者さんと一緒に確認できますし、心臓超音波検査の心臓の動きも動画で、診察室で見ていただけるように画像管理システムを導入しました。
ともに年を重ね、40年以上の付き合いのある患者も
患者さんの年齢層、目立つ疾患や症状について教えてください。

内科全般を診ていますので、近隣の幅広い年代の方が来院されます。糖尿病や高脂血症・高血圧などの慢性疾患は、高齢の方が多いですが、近隣のマンションにお住まいの学生さんや若いお勤めの方、商店街の方も多くいらっしゃいます。若い方の症状で多いのは、発熱、咳、腹痛やインフルエンザなどですね。病院に勤めていた頃からずっと通ってくださる患者さんもおられます。そういう方の多くは、循環器疾患や慢性の疾患で通院されています。
勤務医時代からの長いお付き合いの患者さんもおられるそうですね。
勤務医の時からずっと診ている患者さんは40年以上のお付き合いになりますね。お互い若い時からともに年を重ね歩んできましたね。このように長く通ってくださっている患者さんでは、心エコーや心電図の長期間の変化などを勉強させていただくことができました。こういった臨床経験は当院の診療にも生かしていますよ。病院だと、100人、1000人の検査結果や症例を集めたデータは出せるのですが、長期にわたって1人の患者さんを観察し続けることは、なかなか難しいのです。私のことを信頼して通い続けてくださる方に感謝し、これからも末永くお付き合いできればいいなと思っています。
患者さんと接する時に心がけていることはありますか?

当院に来院していただいた患者さんには、ほっと安心して帰っていただければ、と思っています。そのため、当院の診察はゆったりしていると思いますよ。心療内科的に話を聞くことも多いですね。皆さん、仕事や家庭などで、いろいろなストレスを抱えていらっしゃるので、話を聞くことは大切です。薬の処方も過不足なく、必要最低限にしています。病院は専門分野に特化しているので、われわれクリニックとしては一人ひとりの患者さんの病気だけではなく、食生活や生活習慣も含めて、心身全体を診ることが大切だと考えています。
これからも地域の人々の健康のために力を尽くす
これまでの医師人生を振り返って、思うことはありますか?

私が神戸大学医学部を卒業したのが1973年で、CTもエコー検査もなかった時代です。卒業後、大学病院には入局せず、先輩の誘いで神戸労災病院で働き始めました。ちょうどその頃は検査機器がどんどん開発され、診療も進歩していった時代。神戸労災病院でも、エコーなど開発されたばかりの新しい機種を導入し、積極的に先進の医療に取り組んできました。また、当時は日本内科学会の専門医制度が始まったばかりで、神戸労災病院は兵庫県下でこの制度に取り組んでいる5つの病院の一つだったんです。5年かけて内科学の9つの分野の勉強をして試験を受けました。ちなみに私の認定番号は87番なんですよ。医学の進歩を目の当たりにして、昔のことから新しいことまで、たくさん経験して、いい勉強をさせていただきました。今もいろんな場面で役に立っていますね。
院外の活動も多く、お忙しい毎日だそうですね。
平日の昼間は、いろんな所に行って仕事をしています。福祉施設での医療支援、介護保険や行政のお手伝い、検診など、結構忙しいんですよ。病院にいた時と同じくらい働いているかもしれません(笑)。また、労災病院の性格上、じん肺や石綿関連疾患の臨床・研究にも以前から関わっていましたので、今でも産業保険関係の仕事も多いのです。これといった趣味がないので、何もしないでのんびり過ごすのが常でしたが、最近、西国三十三所のお寺巡りをしようと始めたところです。
最後に、クリニックの今後の展望についてお聞かせください。

クリニックのロゴマークにも描いていますが、「Our Health Our Clinic」がモットーです。私も含めて「地域のみんなで元気になっていきましょう」という意味を込めています。長年の病院勤務でひと仕事してきましたから、これからは小さい頃から親しんだこの場所で、地域の健康に貢献していきたいですね。特に心臓病・生活習慣病・メタボリック症候群の予防・治療・管理に、力を注ぎたいと考えています。健康に関することで心配なこと、不安なことがあれば、なんでも気軽にご相談ください。

