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野中 玲子 院長の独自取材記事

金町耳鼻咽喉科クリニック

(葛飾区/金町駅)

最終更新日:2021/10/12

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東京メトロ千代田線・金町駅から徒歩1分の「金町耳鼻咽喉科クリニック」は、大正時代から続く歴史ある医院だ。曽祖父の代から数えて6代目という野中玲子院長は、治療を通して患者のQOL(生活の質)向上をサポートしたいと、こまやかで丁寧な診療を提供している。医院の歴史や特徴をはじめ、近年注力している補聴器の相談やめまいの診療についてなど、さまざまな話を聞いた。

(取材日2019年2月21日)

大正から続く歴史ある医院で地域の人々の健康を守る

まずは医院の歴史についてお聞かせいただけますか?

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もともとは曽祖父が当院を開業し、内科の診療を行っていました。曽祖父、祖父、祖母、父、伯母、私で6代目。祖父が割と早くに亡くなった後は、祖母が耳鼻科を運営しながら父と伯母を育てたそうです。そして成長した伯母もまた医師となって耳鼻科を継ぎました。伯母が耳鼻科、父が内科と外科を担当し、1つの建物の中で一緒に診療をしていたことになりますね。数年前に伯母が体調を崩したことをきっかけに私が耳鼻科の診療を受け持つようになり、2013年からは院長に就任しました。内科・外科を受け持つ父と協力しながら、1つの建物に2つの医院がある形で診療をしています。

患者さんの主訴はどのようなものが多いでしょうか?

耳の疾患は難聴、耳鳴りの方が多いです。難聴は原因によって治療が異なるので、診察や聴力検査で原因を明らかにし治療を行っています。突発性難聴は治療の時期を逸すると回復が難しいので、急に聞こえづらく感じたら早期に受診してほしいです。耳鳴りは、眠れない、イライラするような場合には、内服治療を試みます。小児は中耳炎の方が多いですが、中には、おたふく風邪のウイルスからムンプス難聴を発症する方もいるので注意が必要です。こちらはとても治りにくい難聴ですので、おたふく風邪の予防接種をお勧めします。鼻の疾患は花粉症などのアレルギー性鼻炎が多く、スギとハウスダストに対する舌下免疫療法を実施できますので、ご相談いただければと思います。また、睡眠時無呼吸症候群の患者さんも来られます。症状が疑われる場合は、検査機器を貸し出してご自宅で検査していただき、結果次第では酸素療法を受けていただけるようにしています。

院長に就任されて、どのような変化がありましたか?

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ここ30〜40年ほど耳鼻科の機器そのものはほとんど変わっていませんが、診察の方法はかなり変わりました。特に耳の診療は、一昔前までは額帯鏡をつけて診察するのが普通でしたが、今は顕微鏡を使って診察するのが主流です。私が診療を受け持つようになり、設備などと併せて一新しました。それにより、自分では見ることのできない耳の中も、モニターで患者さんご自身にも見ていただけるようになっています。また私の専門は平衡感覚を診たりする神経耳科学なのですが、その知識を生かし、めまいの検査にも力を入れています。眼振といって、目の動きを診ることでめまいの診断をするのは昔からですが、最近ではCCDカメラでモニターに映したものを録画し、その映像を見ていただきながら患者さんに説明をしています。そうすることで、患者さんご本人にも納得していただいています。

一人ひとりに合わせた補聴器の相談にも力を注ぐ

医師の道をめざしたきっかけはどのようなことだったのでしょうか?

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実は中学生の頃に3回ほど入院したことがあったのですが、自分自身が患者さんの立場になってみて見方が変わったというのはありますね。患者さんになって初めて、医師というものに対して感謝の念を覚えたこともありますが、その反面、「自分が医師になったらこうしたいな」というような気持ちが生まれたような気がします。もちろん父の影響もありますが、どちらかといえば伯母の存在のほうが大きかったように思います。子どもの頃の伯母の姿は今も鮮明に記憶に残っています。私自身小さい頃鼻が悪くて、よく伯母に診てもらっていたこともあるのですが、女性医師が絶対的に少なかったその時代に、男性の医師になんら引けを取ることなく働いている姿に、憧れるところがあったのは確かです。

大学に進まれて以降はどうでしたでしょうか?

当時は今と少しシステムが違い、卒業とともにすぐに専門を決めるものだったのですが、大学時代に所属していたテニス部に耳鼻科の先輩方や元教授の先生から入局を勧められる中で、伯母の影響もあり、耳鼻科を専門に選ぶことに決めました。日本医科大学の耳鼻科は、耳鼻咽喉科頭頸部外科といって、悪性腫瘍のような重篤な患者さんが多くいらっしゃいました。中には十何時間もかかるオペがあったり、術後に話す、食べるなどの機能が不自由になるケースがあったり、患部が露出する部分ですので、手術後に美容的な問題を抱えるような患者さんもいらっしゃったりしました。当院ではもちろんそういった治療は行っていないのですが、当時の経験を生かして、重篤な疾患を見逃さず、早い段階で治療を始められるよう早期発見を心がけているつもりです。

補聴器の相談に注力されているそうですが、補聴器について教えてください。

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補聴器は眼鏡と同様に、専門家のもとできちんと検査を受けてから、ご自身に合ったものをご購入されることが大切です。その方にとっては見える眼鏡でも、別の方にとってはそうではないように、その方の難聴の度合いによって、どこの周波数を聞こえやすくすればいいかなど、細かく調整する必要があるのです。また、不快に感じる音の大きさも人それぞれですから、ただ単に小さな音を大きくするのではなく、その方にとって聞き取りやすくなるように設定しないといけません。従来から、補聴器は聞き取る力をサポートするための手段として周知されていますが、近年は認知症の予防にもつながることもあるといった面からも注目されています。

患者目線の診療でQOL向上をサポート

補聴器は認知症予防にもつながるかもしれないのですね。

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音がよく聞こえること自体が脳への刺激となりますし、きちんと聞こえてご家族など周囲の方と適切にコミュニケーションが取れることが精神の安定、ひいては認知症や老人性うつの予防につながるといわれています。一昔前はある一定以上の難聴でないと補聴器は必要ないと考えられていましたが、そういったさまざまな良い効果が期待できることがわかり、最近はある程度の難聴があり、ご本人が望めば、積極的に補聴器をご案内するようにしています。また、難聴がかなり進行してから補聴器を使い始めるよりも、症状の軽いうちから使って慣れていただくほうがその後使いこなしやすいというメリットもあります。

めまいの症状を訴える方も増えているそうですね。

めまいは平衡感覚の異常で生じることが多い一方、ストレスや貧血などの内科的要因から生じる場合もあります。そこで、耳鼻科的要因のめまいなのかを見極めることが重要になります。診断の鍵は眼振という眼球の動きなのですが、ずっと続くものではないのでいらっしゃった時にはすでに所見がないことも多いです。ただ、脳梗塞などの脳の病気なのか、耳鼻科的要因のめまいなのかの判断はできると思うので、その上で眼振があればそれを見せて説明をしています。治療は基本的には、眼振を止めるものではなく症状を和らげるお薬を飲んでいただきます。また、耳の神経の機能が弱っているのを補うため、ビタミンB12や神経の周りの循環を良くするお薬も処方しています。めまいを訴える患者さんは、なかなか周りに理解されず、不安感を強く抱えている方が多いので、よくお話を聞き、丁寧に説明をするようにしています。

読者へメッセージをお願いします。

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私たちの主な役割は、生活の質、いわゆるQOL(クオリティー・オブ・ライフ)の向上を手助けすることだと思います。難聴、耳鳴り、花粉症などは命を脅かす疾患ではないですが、生活に支障が出ますので、快適に過ごしていただけるよう、お役に立ちたいと思っています。また、個々の患者さんの生活様式やご希望に合わせ、最も適した治療を提供できるように心がけています。私自身、子ども時代から手術や入院を繰り返してきたため、通院して待たされる負担や仕事の合間に通院する負担を身をもって感じてきました。医師に対して質問がしづらかった経験もあるので、自分が受け持つ患者さんには遠慮せずに疑問や質問など、何でもぶつけてほしいと思っています。今後はめまいのリハビリテーションを主とした外来の設置も視野に入れています。

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