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野中 玲子 院長の独自取材記事

金町耳鼻咽喉科クリニック

(葛飾区/金町駅)

最終更新日:2026/07/13

野中玲子院長 金町耳鼻咽喉科クリニック main

金町駅から徒歩1分、「金町耳鼻咽喉科クリニック」はこの地で大正時代から続く歴史あるクリニックだ。現院長の野中玲子先生は、曽祖父の代に開院したクリニックを継承した6代目の院長。「医師と患者さんの関わり方も時代とともに変わってきましたが、診療にあたっては『もし自分がこの患者さんの立場だったら……』という視点を変わらず大切にしています」と、優しく語る。専門のめまいの治療に加え、補聴器の外来での診療や近隣の医療機関との連携にも力を入れる同院。患者の来院時間の偏りを緩和するため、2025年6月よりウェブ予約を導入した。地域の患者を思う姿勢が言葉の端々ににじむ野中院長に、患者を見守り続けてきたクリニックの歩みや、診療のポリシーなどについて聞いた。

(取材日2026年3月24日)

6代続く歴史ある耳鼻咽喉科クリニック

大正時代から6代続くクリニックだそうですね。

野中玲子院長 金町耳鼻咽喉科クリニック1

はい。曽祖父が開業し、内科の診療を行っていたのが当院の始まりで、祖父、祖母、父、伯母と続いて、私で6代目です。祖父がわりと早くに亡くなった後、祖母が耳鼻咽喉科の医院を運営しながら父と伯母を育てたと聞いています。その後、父が内科の医師に、伯母が耳鼻咽喉科の医師になり、一緒に診療していました。数年前に伯母が体調を崩したことをきっかけに、私が耳鼻咽喉科の診療を担当するようになって、内科・外科の診療を受け持つ父と協力しながら、1つの建物の中に2つの医院があるような形で運営してきました。老朽化に伴う施設の建て替え工事を経て、2023年12月からなじみ深いこの場所で診療を再開することができました。

先生が医師の道を志したきっかけを教えてください。

代々続く家業とはいえ、初めは自分も医師になりたいとはあまり考えていませんでした。そんな中、中学生の頃に3度ほど入院を経験して、自分が患者の立場になり、医師という職業に対する見方が変わったことが一つのきっかけになったように思います。同性で医師の仕事をしていた伯母の存在も大きかったですね。

新しくなった院内のこだわりを教えていただけますか?

野中玲子院長 金町耳鼻咽喉科クリニック2

院内は感染予防を意識し、診療室、処置室、吸入器のブースなど移動の際に患者さん同士が交錯したり、1ヵ所に何人もの患者さんが滞留したりすることがないよう配置を工夫しました。24時間換気システムも導入しています。待合室も広めのスペースを確保し、混雑時も患者さんが密集しないよう配慮したり、ベビーカーや車いすのままスムーズに院内に入って来られるようにしたりとお子さま連れからご高齢の方まで安心してご利用いただけるように環境を整えています。

ウェブ予約システムを導入されたそうですね。

ウェブ予約システムは、2025年6月から導入しました。花粉症の時期は特に患者さんが多く、長時間お待ちいただく状況が続いてしまっていたんですね。来院の時間帯も朝や夕方に集中しやすいので、少しでも分散して待ち時間を減らしたいという思いで始めました。おかげさまで評判は良くて、予約のある方は20〜30分くらいで診察が終わることも増えてきました。ご高齢の方には、次回の予約をこちらでお取りしてお帰りいただくなどの工夫もしていますし、メッセージアプリからも予約できるようにしています。さらに、急な耳の痛みやめまいの方のために、朝7時に当日予約枠も設けています。待ち時間の目安がわかることで、一度外出して用事を済ませてから戻っていただくこともできるようになりました。

「見える化」することで患者の安心感につなげたい

診療にあたって心がけていることは?

野中玲子院長 金町耳鼻咽喉科クリニック3

「もし私がこの患者さんの立場だったら、どうしてほしいかな?」ということを常に考えていますね。医療機関は誰しも何らかの不調があっていらっしゃる場所ですから、症状に伴うつらさや不安など、患者さんのお話をじっくり聞くことを大切にしています。また、診察時にファイバースコープなどで撮影した患部の様子を随時モニターに映し出してお見せし、今どんな状態なのか、どんな処置を受けてどう変化したのか、そういった一連の経過を患者さんの目で確認していただくプロセスを欠かさないようにしています。見えない部分の状態や、これまでよくわからなかった処置を「見える化」することで、患者さんの安心感や治療に対する納得感につながればと考えています。

先生のご専門はめまいの診療だそうですね。

めまいは平衡感覚の異常で生じることが多い一方、脳梗塞など脳の疾患に起因するケース、ストレスや貧血などの内科的要因から生じる場合もあります。めまいの検査には、CCDカメラを内蔵したゴーグル型の検査装置を用いて眼球の動きを撮影し、眼球が左右に揺れ動く眼振の有無を調べます。眼振があれば平衡感覚の異常が考えられる他、もし眼振がなくても内耳障害によるめまいの可能性もありますから、原因を慎重に見極めた上で内服治療を行います。めまいの症状が強いうちは体調が優れないため受診しづらく、落ち着いてからでは眼振が確認できないといったケースもあるため、受診のタイミングによっては診断が難しいという特徴があります。

補聴器を専門に扱う外来も行っているのですね。

野中玲子院長 金町耳鼻咽喉科クリニック4

補聴器には音を聞き取る力をサポートするという目的だけにとどまらず、聴力の改善を図ることが、ひいては認知症予防にもつながることから注目されています。当院では補聴器の外来を行っています。ただ、補聴器は種類が多く、資格を持った補聴器店で調整してもらうことが大切なんです。金町の周辺にもいくつかお店はあり、まずはそういうところを利用していただくのが基本ですが、ご自身でお店に行くのが難しい方や、他でうまく合わなかったという方はご相談ください。葛飾区では、65歳から74歳の方を対象に無料で受けられる「耳の健康診査」を行っています。もし検査で補聴器が必要と判断された場合は、区の助成金を使って購入費の補助も受けられます。耳の衰えは気づきにくいので、まずはこうした機会を利用して、ご自身の聞こえの状態を知っていただくことが大切だと思っています。

患者のQOLの向上を手助けするために

近年話題になっているアレルギーの舌下免疫療法についても教えてください。

野中玲子院長 金町耳鼻咽喉科クリニック5

スギ花粉症が国民病といわれて久しいですが、アレルゲン物質を少量ずつ体に取り込む舌下免疫療法に取り組む方の割合が年々高まってきました。治療方法も簡単で、毎朝服薬するだけ。ただし、最低でも3年から5年続けなくてはいけないため、その間、経過観察や薬の処方のために毎月1回通院することを負担に感じる方もいらっしゃるとは思います。期待できる効果には個人差がありますし、必ずしも花粉症の対症療法のお薬を完全に卒業できるわけではないのですが、花粉のシーズンを少しでも快適に過ごしたり、対症療法の薬の量を減らしたりするために有用な治療法だと思います。毎年スギ花粉でお困りの方は、お気軽にご相談くださいね。

近隣の医療機関とどのように連携されているのでしょうか。

患者さんの症状に応じて、それぞれの専門の先生にご紹介する形で連携しています。例えば、めまいで来院された方でも、不整脈や血圧など内科的な原因のこともあるので、その場合は内科の先生にお願いしています。また、アレルギー性鼻炎の方は喘息を併せ持つことも多いので、呼吸器を専門とする医師にご紹介することもありますし、喉に異常が見当たらないのに違和感が続く場合は、食道などを調べてもらうこともあります。逆に内科の先生から耳鼻咽喉科へご紹介いただくこともありますね。それから、2026年の夏頃には同じ建物にメンタル系のクリニックが入る予定なんです。耳や鼻、喉といった感覚器の症状は、実はメンタルの影響を受けることも多くて、耳鳴りやめまいのように見えても、背景に心の問題があるケースもあります。そうしたときに連携できる環境があるのは、とても心強いと感じています。

最後になりますが、読者に向けてメッセージをお願いします。

野中玲子院長 金町耳鼻咽喉科クリニック6

難聴、耳鳴り、めまい、花粉症などは命を脅かすほどの症状・疾患ではないものの、症状のつらさは快適な生活を大きく損なうものです。私たちの主な役割は患者さんのQOLの向上のために手助けすること。患者さんの生活スタイルやご希望に応じて、適切と考えられる治療をご提案します。耳・鼻・喉で何か不調がありましたら、些細なことでも我慢せず、お気軽にご相談ください。