鈴木 貴之 院長の独自取材記事
鈴木歯科医院
(京都市山科区/山科駅)
最終更新日:2022/08/03

山科駅から5分ほど歩いた先にある「鈴木歯科医院」は、長年この地域で診療を行う歯科医院だ。2022年4月現在はクリニック建屋のリニューアルが進行中で、仮の診療所での診療を行っている。「仮の診療所ですが、歯科用マイクロスコープや口腔内カメラなどの設備を活用し、安心していただける治療を心がけています」と話してくれたのは、鈴木貴之院長。早くより予防歯科を軸とする診療スタイルを取り入れてきた歯科医師の一人だ。患者と向き合うことを大切にし、すべての治療を一人で丁寧に行っている鈴木院長。今回はそんな鈴木院長が診療にかける思いを聞かせてもらった。
(取材日2022年4月26日)
長年にわたって診療を続ける地域密着型の歯科医院
まずはクリニックの特徴を教えてください。

当院は虫歯や歯周病の治療を行いながら、歯を失ってしまった人に対しては入れ歯やインプラント治療を、歯並びを気にされている方に対しては歯列矯正を、といったように歯科診療全般を提供できる体制を整えたクリニックです。しかし一番大切にしているのは「虫歯にならないようにお口の中を整えること」です。そのため、歯を守るためのメンテナンスに注力しています。歯医者さんは「怖い」「痛い」「お金がかかる」と思っている人は多いのではないかと思います。歯科医師としてはちょっと残念ですが、その気持ちはわかります。だからこそ、患者さんには「虫歯にならないようにしよう」とお話しさせてもらっています。虫歯にならなければ、怖いことはないし、痛くもなくお金もかからないですからね。
お父さまから継承されたクリニックだそうですね。
当院を開業したのは私の父で、地域の皆さんに大切にしていただけたおかげで診療を続けることができています。子どもの頃から父が診療する姿を見ていましたので、後を継ぐかどうか悩んだ時期もありました。そこで私自身が歯科医師以外のさまざまな仕事を経験し、その上でやはり継承しようと考え今に至ります。ただ、クリニックの建屋が古くなりましたので全面改築を行っており、現在は仮の診療所で診療を行っています。歯科用マイクロスコープや歯科用CTといった専門的な機器を備えていますので、これまでと変わらぬ診療が十分に行える環境です。衛生管理も徹底していますのでご安心ください。
診療は基本的に院長お一人で行われているのですか?

そうですね、私の他に歯科助手もいますが、治療はすべて私一人で対応しています。そのほうが、患者さんの診療の流れ、全体像が把握できるからです。私自身やるからには責任を持って患者さんの診療にあたりたい、流れ作業的な診療は行いたくないとの思いが強く、一人でやるのが性に合っているんですよね。一般的には歯科衛生士が行う歯科検診や口腔内ケアなども、私が行っています。改装後も、診療チェアを増やす予定で、今までどおり予約枠もゆとりを持たせ、患者さん一人ひとりをじっくり診療できる形式を守っていきます。また今回の改装で、新たに空気清浄機能を搭載した空調設備を導入する予定ですので、患者さんにはより快適に、感染症などに対して不安を覚えることなく診療を受けていただける環境が整うかと思います。
患者に寄り添った予防歯科で、天然歯を守りたい
診療で大切にしていることを教えてください。

患者さんにとって「より良い治療を提案する」ことを最も大切にしています。そこで診療で特に活用しているのが、口腔内カメラです。鏡では捉えにくい、お口の中を画像で詳細に記録でき、記録した画像はチェアの横に備えているモニターに映し出して患者さんに目にしていただきます。お口の中の状態をはっきりと目にすることで、診療に対する意識が変わる患者さんも多いように感じます。百聞は一見にしかずとはよく言ったものですね。「治したい」「維持したい」という気持ちが湧いた患者さんには、患者さんが取り組みやすい方法や定期的なメンテナンスを提案しています。虫歯や歯周病で悩む人が一人でも少なくなればうれしいですからね。
予防歯科を重視し始めるきっかけは何だったのでしょうか?
最初のきっかけは、大学での講義です。歯科治療で用いる素材が、歯や全身に与える影響を学び、中でも一般的に「銀歯」と呼ばれるパラジウム合金を使用することで起こりうるリスクについて知った時はとても驚きました。金属は歯より硬いので、噛むごとに金属が入っている歯はもちろん、対になる歯にもダメージが加わったり、金属の成分がアレルギー症状などを引き起こすことも考えられます。また、今年より保険診療の範囲が変わり、当院でも白い素材を用いた治療を保険診療の中で適応できることも増えたので、今後より審美の面でもお力になれると思います。ただ、どれだけ歯科診療の技術が進歩しても、天然の歯に勝るものはない。大学時代、そして勤務医での経験を通してこの考えが確固たるものとなりました。
定期的な通院が大切なのですね。

そうですね。痛くなくても定期的に通院することで、患者さんの歯の健康を守り続けていきたいと考えています。そのためまめに通院できれば一番いいのですが、なかなか難しいですよね。そんな時はある意味割り切って、年に1度、例えば「誕生日の月には受診して、お口の中の状態を把握しよう」と思ってもらえればいいと考えています。治療も予防も「患者さんのため」のものですから、無理強いしても仕方ありません。患者さんが自分の口腔に興味を持ってもらえるように、少しずつ話していくのも歯科医師の仕事の一つ。興味が持てれば、通院のめんどくささも薄れていくと思います。ですから、説明とコミュニケーションはとても大切ですね。どんなことにもメリット・デメリットはあります。だからこそ、まずは患者さんに寄り添って、一番良い方法を考えるよう努めています。
常に新しい知識を取り入れ歯科診療をアップデート
現在、注力していることはありますか?

予防に対する意識の向上のためにも、ホワイトニングをお勧めしています。ホワイトニングを行うことで、今ある歯を「汚したくない、清潔に保ちたい」といった気持ちが芽生えやすくなるかと思います。口元の美しさは、日常生活やお仕事に良い影響を与えたり、笑顔にも自信がもてるようになったりといい連鎖につながっていくと思うのです。また、当院で導入しているホワイトニングは、食事制限や痛みもほとんどありませんので、気軽に体験してほしいですね。古くなった家具や床も、ワックスを塗ればピカピカに輝いて愛着が湧きますよね。これは歯も同じこと。愛着が持てるよう手入れをしていくことで、ご自分の歯で一生を過ごしてもらいたいです。
歴史のあるクリニックでありながら、新しいことにも挑戦しているんですね。
歯科治療はどんどん進化していますので、知識や技術をアップデートすることは大切だと思います。大げさではなく、どんな治療をするかでその人の歯の寿命が変わり、人生が変わることにも。せっかく歯科医師になったのだから、地域の皆さんの健康により貢献したい。その気持ちがある限り、歯科医師として成長し続けたいなと考えています。今はオンラインでの講習会もありますし、以前に比べたら学ぶことも楽になりました。それに、いろいろな人の考えを聞き、学ぶことは診療と同じくらい楽しいんですよ。これからもたくさん学び、地域の皆さんに還元していきたいです。
最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

お口の環境が、全身に与える影響はとても大きなものです。例えば、狭心症の薬の中には、舌下に錠剤を含むと服用後2分程度で作用していくものがあります。つまり、お口の粘膜から吸収された成分は、数分のうちに体の内部に到達するケースもあると言えるでしょう。治療で用いるさまざまな素材だけでなく、日々のケアで用いる歯磨き粉の成分だって体に影響を与えることが、当然考えられます。もちろん、虫歯や歯周病の原因菌の影響だって、お口の中に限定されるものではありません。それに、歯を守ることは食事の楽しみを守ることにもつながります。単に歯を治す・守るだけではなく、全身への影響をできる限り少なくして、なおかつ「噛める喜び」を守っていけるような治療を、今後もめざしていきます。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/20万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/11万円~、ホワイトニング/1万1000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供を行っております。
カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)については、効果・効能に関して個人差があるため、 カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)を用いた治療を行う場合は、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。