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田中 博志 院長の独自取材記事

田中クリニック 内分泌・糖尿病内科

(名古屋市熱田区/神宮前駅)

最終更新日:2021/10/12

田中博志院長 田中クリニック 内分泌・糖尿病内科 main

名鉄「神宮前」駅から徒歩1分という好立地にある「田中クリニック 内分泌・糖尿病科」。長く社会保険中京病院で内分泌代謝科主任部長兼糖尿病センター長を務めた田中博志院長が、これまでに蓄積した知見と経験をフルに生かす専門クリニックだ。院内は、オフホワイトとグリーンを基調にまとめられた温かみのある雰囲気。食事指導用の料理サンプルなども置かれ、患者の生活パターンを聞き、診療に生かしていく工夫がなされている。予約制を徹底しているのも、待ち時間を少しでも少なくすることで患者にかかるストレスを軽減するため。内分泌代謝と糖尿病に特化した専門的なクリックだが、少しでも不安がある人は気軽に来院してほしいという田中先生に話を聞いた。

(取材日2016年5月16日)

糖尿病と内分泌代謝分野を専門として35年以上

2014年6月開院とのことですが、きっかけは何ですか?

田中博志院長 田中クリニック 内分泌・糖尿病内科1

当時勤務していた病院の経営母体が変わるのがきっかけでした。20年以上、社会保険中京病院で内分泌代謝科主任部長兼糖尿病センター長をしていましたが、病院が社会保険庁の管轄下から独立行政法人になり、全員が退職して再雇用されるということになりました。それがきっかけといえばきっかけですね。ここで開院したのは、駅の目の前だからです。糖尿病などの慢性疾患を扱うということは、比較的高齢の患者さんに定期的に通院してもらうということです。ですから、通院していただきやすい場所で、しかも車ではなくて電車などの公共交通機関で来れるのが一番だと思いました。

温かみのある院内ですが、内装もゼロから考えられたのですか?

はい。もともとオフィスだった造りを病院用に改装しました。オフホワイトとグリーンを基調としたのは、待ち時間もくつろげるようにと思ったからです。当院では、まず検査をしてから診察をするので、そういった患者さんの動線も考えて内装を設計しました。また、患者さんの言葉に診療のヒントがあることもあるので、私もスタッフも話しやすい雰囲気づくりに努めています。

検査結果はすぐにわかるものなのでしょうか?

田中博志院長 田中クリニック 内分泌・糖尿病内科2

血糖値やコレステロール、甲状腺機能はすぐに結果が出ます。画像検査などが必要な場合は前に勤めていた「JCHO中京病院」をご紹介します。当院では常に新しい検査結果で診療をすることを大事にしています。前の週の検査結果ではその間に患者さんの状態が変わっているかもしれません。また、少しの数値の変化が患者さんのモチベーションにも影響します。患者さんにとっても、検査の結果を1週間待つより、すぐに結果がわかった方がストレスにならなくてよいのではないでしょうか。そのためにも診察の前に検査をして結果を出し、その日の検査結果で、その日の診断をする、それが当院のスタイルです。

全身の健康に影響するのが、糖尿病などの内分泌系疾患

糖尿病や甲状腺などを専門分野として選ばれたきっかけを教えてください。

田中博志院長 田中クリニック 内分泌・糖尿病内科3

医学部では外科も内科も一通り勉強して、各人が自分に合った分野を選んでいきます。私が内科、特に糖尿病や甲状腺などの内分泌代謝科を選んだのは、数値で評価することで診断がつくこと、そして、その診断に基づいた治療が全身の健康の改善につながっていくことが興味深いと感じたからです。例えば、同じ「10」という数値でも、ストレスがかかっている状態か、安静な状態か、また個人差などで、評価はちがってきます。ここが、他科の先生からみると、「わかりにくい」と言われるところでしょう。甲状腺機能にしても、正常の範囲でもOKと言えない場合があり、難しいのですが、私にとってはわかりやすいというか、興味ひかれるところですし、専門医として力を発揮すべきところですね。患者さんの置かれている状況など、画像などで判断できない領域も考慮して診断していくというのが、私の性に合っているのだと思います。

他科で診断がつかなかった病気が判明することもあるのでしょうか?

高血圧症だと言われて診断したら、先端巨大症だったというのはよくあります。内分泌系は狭い範囲ですが、全身に影響するのです。例えば、糖尿病の合併症などもそうです。根本的なところを治療すると、一見関係ないところも改善してきます。心不全などもそうですね。原因はわかりにくいのですが、きちんと診断すると原因がわかってくる。数値の変化から、診断を思いつくかどうかが勝負です。すべてを検査するのは無理ですから。でも、根本的なところが正確に診断できないと対症療法で終わってしまいます。総合病院勤務時は、1年に一人、来るか来ないかという患者さん、この分野にいなければ一生見ないかもしれない患者さんもいらっしゃいましたね。そういった患者さんの症状に、きちんと診断がついて治療を進められ、喜んでいただけるのがいちばんうれしいところですね。

甲状腺治療についてもお伺いします

田中博志院長 田中クリニック 内分泌・糖尿病内科4

甲状腺の病気は、10~30代の女性に見られ、イライラしたり情緒不安定になったり、体重が変化したりします。検診で甲状腺が腫れていると診断され、インターネットで当院が日本甲状腺学会の認定専門医であるのを知って来院される方が多いですね。甲状腺の専門医が個人クリニックで診療しているのは、名古屋ではまだ珍しいようです。

「10年先の患者さんのQOL」を考える

大病院での勤務と、開業してからで違いはありましたか?

田中博志院長 田中クリニック 内分泌・糖尿病内科5

一人ひとりの患者さんの顔がより一層みえてきて、以前よりもっと患者さんに親近感がわくようになりました。そして、なんとか治したいという気持ちもさらに強くなりました。また、同じ糖尿病でも、患者さん一人ひとりに合った薬の投与や治療法を患者さんと相談しながら決めていきます。小さなクリニックだからできる小回りの利く対応をしていきたいですね。

治療において、大切にしていることはありますか?

より良い治療のためには、患者さんにも努力していただかなくてならないのですが、患者さんの頑張りの方向性がちがう場合もあります。そうならないよう、有意義な努力をしてもらっているかどうかを見るのも、私の仕事だと思っています。例えば、情報が多く、医学的に意味のないことなのに、テレビを見て勝手に薬を中断してしまったり、「体にいい」と、糖尿病の人が糖分の多い健康飲料を飲んでいることもあるので。患者さんが、普段どんな生活や行動をとっているのかは、看護師や栄養士などとのおしゃべりの中でポロっとわかったりするのです。彼女たちとの方が患者さんも話しやすいのでしょう。患者さんがわざわざ医師に訴えないようなケガや深爪なども、糖尿病の人は注意しなければなりません。そういった患者さんの状況を細かく見れるのもスタッフの強み。だから私とスタッフとのコミュニケーションも大事なんです。

糖尿病の患者さんの半数は途中で通院をやめてしまうという調査結果がありますが?

田中博志院長 田中クリニック 内分泌・糖尿病内科6

はい。当院でも重症化した患者さん、来なくなってしまった患者さんには電話をかけて様子をうかがっています。そして、治療法が合うと、ちゃんと結果が出るということを理解していただき、良い結果が出たときには私も一緒に喜びます。数値的に結果が出ると、10年先によいことがある。10年先の患者さんのQOL(生活の質)が変わってくる。そこを理解していただいて、患者さんのモチベーションを上げていく努力をこれからも続けていきたいと思います。

とても専門的で、「この程度のことで受診してもいいのかな?」と思う 人もいるかもしれませんが?

自覚症状はなかなか出ないのが内分泌代謝疾患です。検査しないとわからないことが多いので、不安に思った段階で来ていただきたいですね。糖尿病で手がしびれるということがあって、整形外科に行ったけどこちらを紹介される場合がありますし、逆にこちらから他科の病院を紹介することもあります。他科の病院との連携が、病気の早期発見につながります。「こんなことで病院に行ってはいけないのではないか?」ということはありません。むしろ受診することで、異常がないことがわかれば安心できてよいのではないでしょうか? 気軽に来ていただきたいですね。

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