意外に身近で適応ケースが多い
歯科クリニックの口腔外科診療
おおた歯科・口腔外科クリニック
(堺市北区/三国ヶ丘駅)
最終更新日:2022/01/07


- 保険診療
「歯科口腔外科」と聞くと、病院の診療科あるいは特殊な治療を受けるところというイメージを抱く人は少なくない。自分とはあまり縁がないと考えている人もいるだろう。しかし実際には、親知らずの抜歯をはじめ、多くの人を悩ませる症例を扱い、口の中を良い状態に保つためにさまざまな治療やケアを提供している。中には、不安などを理由に受診をためらうことで、将来的により大がかりな治療が必要となるケースもある。口腔外科を正しく理解して、健康づくりに生かせるよう、口腔外科で診てもらえるさまざまな症例や扱っている治療法について、抜歯や手術など豊富な経験を持つ「おおた歯科・口腔外科クリニック」の太田之博院長に話を聞いた。
(取材日2021年9月1日)
目次
豊富な経験に裏打ちされた診断力を生かし、幅広い口腔外科診療を提供
- Q親知らずは誰にでもあるのですか?
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A
▲キッズスペースつきの待合室
親知らずは正式には第三大臼歯と呼ばれ、本来は上下左右4本あるのですが、中には1本しかない人もいます。早い人なら12歳くらいになると歯の種のようなものがエックス線に映るようになります。17、8歳の時点でエックス線に映らない場合は、その後に生えてくることはまずないと考えていいでしょう。歯茎に埋まって気づかないこともあるので、当院では、メンテナンスで受診された場合もエックス線を撮り、親知らずの状況を伝えるようにしています。真っすぐ生えていて、きちんと歯磨きができ、痛みなどがない場合は残しておくケースもあります。しかし、現代人は歯が並ぶスペースが狭くなっているので、真っすぐに生えないことが多いですね。
- Qやはり抜歯が必要になることが多いのですね。
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A
▲画像を使いわかりやすく説明
親知らずが斜めに生えて手前の歯に当たっている。手前の歯が虫歯になっている。痛みや腫れがあるといった場合は抜歯の対象となります。歯茎に埋まっている歯は、年月とともに抜きにくくなるので、可能なら20代から30代までに抜くことをお勧めします。抜歯の際はまずエックス線撮影を行い、下顎の神経と親知らずの根っこが近い場合は、神経の位置を把握するためにCTを撮影することもあります。抜歯は麻酔下で行うので、施術時の痛みの心配は不要です。麻酔が切れると通常2、 3日は痛みが出ますが、多くの場合鎮痛剤で抑えられるレベルです。当院ではこれまで数多く抜歯を行っており、豊富な症例経験をもとに難症例にも対応しています。
- Q口腔がんも口腔外科で診てもらえるのですか?
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A
▲清潔感あふれる院内
口腔外科で扱うがんは、舌がん、歯肉がん、頬粘膜がんなどです。一般の歯科医院で口腔がんを発見するケースはまれですが、口内炎と思い受診した方の中に一定の割合でがんを疑う方がおられます。口腔がんが疑われた場合は、入院手術が可能な病院の口腔外科を紹介し精査を行ってもらいます。手術が決まれば術前に当クリニックで口腔ケアを行います。口腔内を清潔にしておくことは、術後の傷の治りや入院日数の短縮に役立つと言われており、また口腔内を清潔に保つことは、誤嚥性肺炎や糖尿病、アルツハイマーの予防にも有用です。最近ではウイルス感染の予防にも大切といわれています。
- Q外傷にも対応してもらえるのですね。
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A
▲個室完備
スポーツ時の外力や転倒、交通事故などで歯が折れたり抜けてしまったりというケースに対応しています。また、唇や舌、頬の内側が大きく切れた患者さんも対応できます。また、大きな外力に伴い顎の骨折などを認めた場合は手術が必要になることがあるので病院口腔外科に紹介することもあります。もちろん頭部外傷や四肢の骨折等を認める場合は専門医に紹介します。一般的な歯科医院の場合、外傷の診断は難しく最初から大きな病院を紹介することが多いと思います。当クリニックでは、われわれで対応できるケースか病院に紹介すべきかを速やかに判断して、適切な対応を行っています。
- Qそのほかの口腔外科が扱う症例を教えてください。
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A
▲院長の太田之博先生
舌に原因不明の痛みが生じる舌痛症にも対応しています。こうした原因がはっきりしない不定愁訴的な悩みに対して、歯科では「問題ありませんが、心配なら病院に行きますか?」といった対応することが多いのですが、不安を抱えている人は余計に不安になってしまうかもしれませんよね。当院では患者さんの話を丁寧に聞き取り、心配不要なら「心配ありません」とはっきりお伝えするようにしています。また、顎関節症も多いですね。対応としては、痛みを抑えるための薬を処方することもありますし、不快な症状が何度も起こっている、歯ぎしりがあるという方の場合は、マウスピースをお勧めすることもあります。