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猪俣謙次 院長の独自取材記事

乃木坂 猪俣歯科

(港区/乃木坂駅)

最終更新日:2019/08/28

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オートロック、完全予約制、完全個室。六本木の複合施設にほど近い「乃木坂 猪俣歯科」は、患者のプライバシーを最大限に保つと評判のクリニックだ。ホテルのロビーラウンジを思わせる院内で笑顔で出迎えてくれていたのは猪俣謙次院長。2014年、父の代から一時閉院していたクリニックをリニューアルして開業したという。大学院時代はインプラントに必要な骨の再生手術など、さまざまな臨床症例を経験。現在も他院で受け入れられなかった難症例オペの依頼が絶えない。そんな彼が語る言葉の端々に感じるのは、医療への希望であり、固い信念だ。「すべての人に還元し、社会に貢献してこそ医師」「歯科医師は子どもの患者をトラウマにさせない責任がある」と熱く語る、猪俣先生に話を伺った。
(取材日2015年1月19日)

歯科医師が考える治療計画と、患者の希望。その中間地点で方針を決めるのが医療

オートロック、完全予約制に完全個室治療と、プライバシーの徹底ぶりが窺えます。

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もともとこの猪俣歯科は父が1979年に開業。その後体調を崩して一時閉院していましたが、2014年に私が継いだものです。完全予約制は私の性格上、1人の患者さんとじっくり向き合いたいという思いもあって取り入れました。個室についてですが、これまでの歯科医院でよく見られたパーティションで仕切られているだけの状態だと、患者さんは他の人に聞かれないように、どんどん小声になってしまうんですね。その一方で、お年を召して耳が遠い方には、こちらは大きな声で話さなければいけません。それであればどちらも大きな声で気兼ねなく話せればと完全個室にしたんです。また、スタッフにも聞かれたくないという患者さんもいますからね。結果的にプライバシーを保つ作りになっているというクチコミをいただくことはうれしいです。ただ患者さんを選ぶつもりはまったくありません。医学を学んだのであればそれをすべての人に還元し、社会に貢献するべきだと思っています。

こちらはインプラントを治療の柱にしているのでしょうか?

確かにインプラント治療のために来院される患者さんは大変多く、他院で断られた難症例も手がけてきていますが、インプラントが必ずしも他の治療よりすべての面で優れているとは思っていません。当院では入れ歯治療も行っていますし、一般歯科でいえばほかにむし歯や歯周病治療、審美歯科やホワイトニングにも力を入れています。もちろん自費だけに限定せず、保険治療も行っています。保険の範囲内で可能な治療もたくさんありますから。いずれにしても治療のゴールやその間の治療計画などを、その方が望むことと、私が提供する中間地点に持って行けたらうれしいです。望むようなことばかりをするのが医療ではないと思っていますし、逆に患者さんが満足しなかったら、ただの自己満足に終わってしまいますから。

幅広い診療をされていますが、治療計画を立てる上で、先生が最も大事にしていることは何ですか?

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私の考える歯科医師の使命は主に4つあります。「食べられるようにする」、「力仕事をしたときに踏ん張れるようにする」、「きちんと発音できるようにする」、そして「顎関節症にさせない」ということです。そのいずれにも共通しているキーワード、それは「噛み合わせ」です。噛み合わせの悪さがそれぞれの障害の一因になっていることもあるのです。そんな噛み合わせを診るために、私は患者さんの口の中だけではなくその方が診療室に入ってくるときから観察しています。姿勢や肩の下がり方、顔の歪み、頬のふくらみ、さらには口を開けたときにどちらにシフトしながら開くのか、それとも開きづらいのか細かくチェックしています。ただしわれわれ歯科医師が知らず知らずのうちに噛み合わせを悪くしていることもあります。ある日頭痛や肩こりを訴える患者さんの口の中を診察したところ、患者さんが入れていたかぶせ物の高さが高いことがわかりました。そこで0コンマ何ミリだけ削ると翌日から頭痛、肩凝りがおさまったという人がいました。つまり噛み合わせは人それぞれ個性、個人差があり、理想と言われる噛み合わせが、人によっては合わないこともあるのです。

歯は28本、それぞれ意味があって生えている 

例えば、噛み合わせがひどい場合は歯を失うということも考えられるのでしょうか。

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歯を失う原因の多くはむし歯や歯周病と言われていますが、私が診てきた患者さんを思い返すと、そういった方々ばかりではないのです。もちろん最初の数本を虫歯や歯周病で失うことがほとんどですが、その後ドミノが倒れるように次々と歯をなくすというのは、やはり噛み合わせ、力のバランスがうまくいっていないことが多いのです。とりわけ自分の歯に金属のバネを引っ掛けて固定する部分入れ歯だと、支えている自分の歯を抜こうとする力が働くので最悪の場合、すべて失う。総入れ歯になってしまったという話も聞きます。大人の歯は親知らずを除いて28本ありますが、1本でも欠けたりすると残りの歯が支えることになり、バランスが崩れます。本来は28本それぞれ意味があって生えているんです。「8020運動」といって、80歳になっても20本以上自分の歯を持とうと盛んに言われていますが、原則的にはどれも欠けてはならないのです。

そんな大事な自分の歯ですが、悪くなっても歯科医院に長年足が向かない方もいると聞きます。

麻酔が痛かったなど、その方が幼少時代に歯科医院に行ったときに受けたトラウマが影響しているように思います。ですから開業した私の責務は、せめてこれから長い人生を歩く子どもたちに、歯科医院へのトラウマを植えつけないことです。私は大学院を卒業後、住宅街の歯科医院に3年ほど勤務しましたが、そこはお子さんの患者さんがたくさん来ていました。2〜3歳の子から中高校生までいましたでしょうか。当院にも同じ年齢層は来ますけど、特に幼い子どもたちは泣きじゃくったり、ジタバタして手がつけられないこともある。でも最初は治療にならなくてもいいんです。2回、3回と来院してもらうたびに遊んであげることによって慣れてくる。対して私も、自分をさらけ出さないと子どもは警戒心を解いてくれません。次第に彼らも、この先生にちょっと任せてみようかなと思うわけです。また麻酔注射ですが、麻酔薬の温度や針の持っていき方、粘膜の引っ張り方など細かい技術で無痛を可能にしています。大人の患者さんへの向き合い方も、気をつけています。診察の際もこちらからの言い方一つで感じ方が変わってきますから。緊張をほぐそうとしてざっくばらんに喋りすぎて重く受け止めていただけなかったりと、言葉や雰囲気というのは治療技術以上に難しいものです。

こちらは審美歯科も行っているとのことですが、何を一番に考えていますか?

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まず何を美しいと感じるか、その美的センスは人それぞれです。例えば、かぶせ物の色。天然の歯の色とのバランスを気にされる方が圧倒的に多い一方で、「せっかく入れるならもっと白いほうが良い」と言う人もいます。いずれにしても、お互いの考える「美しさ」についてやり取りしながら決めていきます。色に関して言うと、歯茎の色とのバランスも考慮に入れるべきだと思っています。さらには歯茎の形も大事です。前歯の歯茎を前から見たとき、そのラインが波打っているかそれとも比較的まっすぐか、歯茎の厚さ等は人それぞれ。その形成も慎重に行っていきます。ただ今申し上げてきた審美治療で見落としがちなのが、むし歯です。歯とかぶせ物の境目、つまり“ふち”の部分に隙間ができていたりすると、やがて菌が入ってくることが非常に多いのです。ですからそのふちをピタッと隙間なく合わせるかぶせ物を作ることも重要です。

顎の骨の増骨をともなうインプラントオペ

そもそも先生はどうして口腔外科に進んだのでしょうか。

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父が口腔外科出身だったのです。日本大学時代、私はクラウンブリッジという義歯治療を専門としている先生に出逢い、その道に進もうと思ったのですが、父から「開業したら口腔外科は学べない」と言われたのです。それだけ大変だということでした。そこで東京医科歯科大学大学院に進み、朝から夕方まで診療、さらにその後研究というハードな日々を過ごしました。私が進んだ口腔外科はがん専門、顎変型症の専門、顎関節症専門とそれぞれチームにわかれていたのですが、私が入ったのは骨の再生医療チームでした。インプラントは自分の骨がないと埋入も難しいのですが、自分の骨と人工骨を組み合わせて骨を増やす手術などもチームの一員として手がけてきました。今日も午前中オペをしましたが、一筋縄ではいかないようなインプラントでも対応できるのは、その時代の研鑽があったからこそだと思います。全身疾患がある場合は口の中の外科処置をするときも留意しなければならないこともたくさんあります。例えば骨粗しょう症があれば特定の薬剤を服用していないかのチェックをさらにする必要がありますし、血圧が高ければ簡単に歯を抜くことは難しい。糖尿病であれば感染症対策を施さなくてはならないでしょう。そういう際は精密な検査を受けられる機関をご紹介しています。渋谷にある総合健診施設「PL東京健康管理センター」。ほかの施設にはない高度で多岐に渡る人間ドック検査を行っています。そのほかにも大学病院や一般病院との連携を当院は綿密にとっています。そのため、安全に外科処置を行うことができますし、歯科だけでなく全身の異変に気づいた時は、そういった病院に迅速に紹介することができるのです。

お休みの日の楽しみは何でしょうか。

サッカー観戦でしょうか。小学校から高校まで10年以上ずっとサッカーをやってまして、大学に入ってからはたまに友達と集まってフットサルをしていた時期もあります。今はもっぱらテレビの前での応援ですね。ただ大学の時はストイコビッチという好きな選手がいたので、東京で試合がある時はよく観に行きました。マラドーナやペレといった名選手の名前はよく聞くと思うんですけど、彼らはこういうプレーができたらいいなという理想のプレーを体現する選手。でもストイコビッチはボールさばきにしてもパスやシュートにしても全く思いもつかない美しいプレーをするので、とても魅了されましたね。彼が現役を退いた今は特定のチームではなく日本代表を応援しています。仲間うちで集まってパブリックビューイングとか。最近は応援より、盛り上がるほうがメインでしょうか(笑)。

最後にメッセージをお願いします。

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私が歯科医師を志したのは他でもなく父の影響です。父は治療に関して一切の妥協を許さず、また普通では考えられないような高い材料も患者さんのために使っていました。もちろん患者さんはそういう材料費に関する事情は知り得ない部分ですから、経営のことを考えればいくらでも節約することができるんです。でもそこで、患者さんが喜ぶ顔を想像し、材料費その他にお金をあてられるか。さらにはどれだけ妥協なく治療できるか、後を継いだ私も常に自分に課しています。技工士やスタッフにはいろいろ細かく指示します。彼らからは「注文が多い歯科医師」と思われているのかもしれません。でも他院では噛めなかったのにここで治療したら噛めるようになったという声を聞くたびに、そうした苦労が報われる気がしますし、スタッフにも感謝しています。いずれにしましても、お困りの時は一度当院にお越しください。治療はどれだけ患者さんのモチベーションがあるかだと思っていますが、私も、そのモチベーションに本気で向き合いたいと思います。

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