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小出 将則 院長の独自取材記事

一宮むすび心療内科

(一宮市/尾張一宮駅)

最終更新日:2021/10/12

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JR東海道線の尾張一宮駅前のにぎやかな街を抜け、真清田神社と大宮公園の緑に癒されながら歩いて15分ほど、公園に面した通りにある「一宮むすび心療内科」。大きな窓からやわらかい光が差し込む待合室で迎えてくれたのは、院長の小出将則先生だ。患者を取り巻く環境にも適切に目配りしながら、ユーモアを織り交ぜた口調で診療にあたっている小出院長。医師になる前は新聞記者だったという異色の経歴にも納得がいく。体に表れる心の傷を読みほどき、治療を通じて心身ともに整える「心身一如」の実践をめざして7年目。人と人、人と社会を結び直す役割を担い、地域に欠かせない存在となりつつあるクリニックだ。小出院長にじっくりと話を聞いた。

(取材日2021年8月2日)

対応の難しい妊娠・出産期の心身症状を、専門的に診療

診療科目と診察の流れを簡単に教えてください。

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当院の診療科目は心療内科です。わかりやすく言うと、体に症状の出る心身症を中心に診るのが心療内科、心の病を診るのが精神科となります。診察は、患者さんから時間をかけてお話を伺うことから始めます。診察結果に基づき、患者さんの希望をくみながら、必要に応じて臨床心理士がカウンセリングを行います。当院には5人の女性の臨床心理士が交代で常駐しています。患者さんがリラックスしてお話ししやすいよう、カウンセリングルームは丸いテーブルに花や小物を飾り、椅子の位置を工夫しています。人と視線が合うのを苦手に感じる方を考慮し、待合室の椅子も横並びにしました。診察の結果、ご本人だけでは解決が難しいと判断した場合、ご家族からお話を伺うこともあります。

患者さんはどのような方が多いのでしょうか。

地域の方が中心ですが、勤務医時代から10年以上お付き合いしている患者さんもいます。僕は医師になる前は新聞記者だったのですが、今でも定期的に雑誌や新聞などに寄稿しており、記事を見て来院される方もいます。性別は6対4くらいで女性が多いですね。年齢的には20代後半から30代を中心に幅広く、10代では不登校や摂食障害、めまいなど身体症状が出ている方、女性では月経前症候群(PMS)や更年期の影響が強い方、男性では引きこもりなどの問題がある方とそのご家族も来られます。産後うつやマタニティーブルーなどでつらい思いをされている女性は治療や投薬が難しいのですが、この分野は僕の生涯の専門にしようと、16年間の勤務医時代にとことん学んできたつもりです。助産院や保健師とも連携し、患者さんをしっかりサポートします。

不眠や不安の相談も可能でしょうか。

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もちろん可能です。例えば不眠の場合、暑さで寝つけないレベルのお悩みから深刻な問題まで、他院で解決できなかった患者さんも受け入れています。睡眠薬にもいろいろありますが、初診時に出された薬が患者さんに合わず、薬を変えながらこじらせてしまうケースもよくあるんですよ。当院ではまず原因をきちんと探ることを重要と考えてカウンセリングを実施し、睡眠日誌をつけて持参していただくなどして、丁寧に選んだお薬や治療方法を提案するようにしています。最近は新型コロナウイルス感染症流行の影響と思われる患者さんも散見されるようになりました。中高生までの子どもたちの場合、不潔なものへの忌避感が強く不登校になり、大学生ではオンライン授業ばかりでストレスが強く、将来への不安が大きくなるなどですね。社会人でも在宅勤務で生活リズムが乱れてしまった方もいます。

相手に合わせた話し方で、患者の安心を引き出す

社会から受けたストレスが、心身に障害を引き起こすこともあるのですね。

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そうですね。他にも、例えば性同一性障害があるのに周囲の理解が得られず、社会生活で傷つき、心身症に至ってしまうケースもあります。また、心身症と思っていたけれど、実は発達障害やうつ病があるのに気づかぬまま、社会に出てしまった方もいます。診断書を会社に出すと、努力不足だとか怠けているといわれて、失業する方もいます。さらには、患者さん本人は病気や障害の自覚がなく困っていないけれど、ご家族や周囲が困っているというパターンもあります。遺伝傾向のある発達障害では、最終的にご家族全員が受診される場合もあるくらいです。こうした現代的な課題についても、時折雑誌や新聞などに記事を寄稿していますが、ここ10年くらいの間で少しずつ社会の理解が進んでいるとは思います。

治療では漢方薬も処方されているのでしょうか。

漢方薬は当院の柱です。すべての疾患に適応可能とはなりませんが、カウンセリングや自律神経訓練法のほか、ニューロフィードバックという方法による発達障害のトレーニングなどと併せて、適切な薬を処方しています。漢方は自然の生薬で体への負担が少ないのがメリットですが、副作用がないわけではありません。作用が現れるまで時間がかかると思われがちですが、即効性が期待できる漢方薬もありますし、長期で連用できるものもあります。僕は以前の勤務先クリニックで漢方の外来を担当していましたが、現在もさまざまな科の先生方と定期的に漢方の勉強会を行って、薬のメリットやデメリット、作用機序などについての情報を患者さんに提供できるように努めています。

診療の際にはどんなことを心がけていますか。

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患者さんのお話をじっくりと聞くこと、お話ししやすいように声の調子を患者さんに合わせることを心がけています。小さい声の人にはこちらも小さい声で、声のトーンが高い人にはこちらもトーンを上げるなど、「何を話すか」と同じように「どのように話すか」も大切にしているんです。また僕は男性なので女性の患者さんにとっては話しにくいこともあるでしょうから、できるだけ患者さんが受け止めやすく答えやすいように、オブラートに包んだ聴き方をしたり、逆にストレートにお尋ねしたりと工夫するようにしています。

ほころんできた人のつながりを結び直す、心の医療を

開業までのご経験を教えてください。

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子どもの頃から交通事故や扁桃腺、風邪などで、病院にはお世話になりっぱなしでしたが、医師になろうとは思っていませんでした。新しいことに首を突っ込んだり、動き回ったりするのが好きだったので、大学卒業後は新聞記者になりました。警察回りから始まって夜討ち朝駆けで取材に走っていました。そんな中、当時の天皇陛下が病に倒れられた時に医学書を買い漁って勉強し、当時交際中だった内科医の妻の影響もあって、医学に関心が強くなったんですね。記者をしながらセンター試験を受けてみたところ、1年間必死で勉強したら医学部がめざせる成績だったので、思い切ってキャリアチェンジに踏み切りました。医師としての初期研修は名古屋市内の病院で、その後は妊婦さんを対象に心療内科を併設する産婦人科でカウンセリングや治療を担当し、17年目を迎える手前で開業を決めました。

今後の展望をお聞かせください。

地域の皆さんに愛され、ともに歩むクリニックでありたい、そして「いつ来ても小出先生がいる」と覚えていただき、病気や悩み、不安を持つ人たちの居場所になりたいです。心療内科は長いお付き合いになる患者さんも多いのですが、僕の願いとしては、いつか良くなって「卒業」してほしい。卒業の時を迎え、どの患者さんにも別人のように明るい表情になっていただきたいですし、その姿が僕の励みになります。そして「僕は記者(KISHA)からKを取って医者(ISHA)になりました。同じように、これからも何か困ったことがあったらKを取って小出(KOIDE)の所においで(OIDE)」と言って、握手を交わします。これからも1人でも多くの卒業生を送り出したいですね。

読者へメッセージをお願いします。

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「心と体を結び、人と人を結び、街と人を結ぶ」が当院のモットーです。体と心は不可分であり、心身の症状は重なり合う部分が多く、分けて考えるほうが不自然でしょう。また、心身ともに健やかでいるためには、人と人、人間関係が非常に大事であること、さらに人は社会の中で生きている社会的存在ですから、家族、会社、地域共同体などでの関係もうまく結んでいかないといけません。当院を頼ってくれるすべての患者さんに対して、そこまでしっかりサポートしたいです。コロナ禍の2年、人と人とのつながりが希薄になってきた今こそ、ほころんだものを今一度結び直す必要があると思います。誰もが自分を持ちながら、ゆるやかにつながっていけるよう、スタッフ一同で力を尽くしていきますので、お困り事があればお気軽にご相談ください。

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