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小出 将則 院長の独自取材記事

一宮むすび心療内科

(一宮市/尾張一宮駅)

最終更新日:2019/11/28

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JR尾張一宮駅から徒歩14分、大通りから入ったところに「一宮むすび心療内科」がある。心療内科とは、心と体の両方を診るクリニック。小出将則院長は、新聞記者から転身した異色の経歴を持ち、長く取材対象と丁寧なコミュニケーションを心がけてきた経験から、患者それぞれに合わせて話を受け止め、リラックスした雰囲気をつくり上げてくれる。「何か困ったら、いつでも僕がここにいます」と院長。星ヶ丘マタニティ病院での勤務経験もあり、女性患者が半分以上を占める。「むすび」の意味、院長が大切にしていることなど、さまざまな話を聞いた。
(取材日2016年9月13日/情報更新日2018年5月8日)

産婦人科病院に勤務し、女性の心身の問題と対峙

標榜されている心療内科と精神科について教えてください。

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体に症状の出る心身症を中心に診るのが心療内科であり、心の病(やまい)を診るのが精神科です。僕は基本的には精神科の医師ですが、体と心の症状は重なり合う部分が多く、心身医学をキーワードに、全身を診ることが大事だと考えています。例えば甲状腺の病気は心の問題と非常に関わりがありますし、逆に心の病気と思って来院されても、体の病気が隠れていることもあります。また疾患の原因が実は発達障害だったということも。ですから、心と体を分けて考えることのほうが不自然で、特に初診の場合、患者さんの話はじっくりお聞きするようにしています。患者さんは地域の方が中心ですが、インターネットで調べて遠方から来られる方、また勤務医時代から10年以上お付き合いしている患者さんや、親御さんの次にお子さん、というふうに家族そろって来院されるケースも何組かあります。

先生は産婦人科の病院に9年間勤務されていたのですね。

医学部を卒業して名古屋市内の病院で研修を終えたときに、当時星ヶ丘マタニティ病院にいらした竹内聡先生から「一緒にやらないか」と声をかけていただいたことがきっかけです。その病院には小児科とともに心療内科も併設されていて妊娠の不安や産後うつのカウンセリング、治療を行っていました。竹内先生は今は独立、開業されましたが、その病院で心療内科を立ち上げた方だったんです。妊娠、出産が絡むと服薬が難しいのですが、それも含め、竹内先生の下で女性の心身の問題について、また心身一如の精神をとことん学ぶことができました。その経験から女性の心身症が専門分野になり、現在の当院の強みとなっています。助産院、保健師と連携し、患者さんをしっかりサポートします。

患者さんの多くは女性だそうですね。

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そうですね。10代から高齢者まで、中でも20代後半から30代が多いでしょうか。10代の方だと不登校が多く、女性だと摂食障害、また、めまいなど何らかの身体症状が出ているにもかかわらず他院で異常がないと言われた方、男性だと引きこもりや暴力の問題がある方も来られます。中高年の女性では更年期うつの方も。女性全般で結構多いのが月経前症候群(PMS)ですね。どこに行ってよいのかわからず困っている患者さんを診る、それが心療内科の役割の一つではないかと思います。

じっくり丁寧に、相手のトーンに合わせて話を聴く

診療の流れを簡単に教えてください。

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まずは診察室でお話を伺うことから始まります。ご本人だけで解決が難しいときには家族の方も一緒に話を聴いていただくこともあります。少しでもリラックスしていただけるようテーブルは丸く、花を置いて小物もいろいろ飾っています。診察して僕が必要と判断した場合、または患者さんから希望があった場合に、臨床心理士がカウンセリングを行います。そのため当院には6人の女性の臨床心理士が交代で常駐しています。カウンセリングルームでは、患者さんがお話ししやすいように、椅子を向かい合わせではなくハの字に設置しています。ちなみに待合室の椅子が横並びなのも、人と視線が合うことが苦手な方がいるからです。患者さんによっては診察にじっくり時間をかけますので、お待たせしてしまうこともありますが、一人ひとりの患者さんのお話に耳を傾けた診療をしていきたいので、ご理解いただけるとうれしいです。

普段どんなことを心がけていらっしゃいますか?

患者さんのお話をよく聴くことはもちろん、声の調子を相手に合わせることを心がけています。小さい声の人にはこちらも小さい声で、声のトーンが高い人にはこちらもトーンを上げるなど、「何を話すか」と同じように「どのように話すか」も大事にしているんです。また僕は男性なので女性の患者さんにとっては話しにくいこともあるでしょうが、その辺も十分気を付けて、オブラートに包んだ聴き方をしたり、逆にストレートに聴いたりと、患者さんによってさまざまです。

治療では漢方薬を処方されるのですね。

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漢方薬は当院の治療の柱です。心療内科の診療に漢方を多く取り入れています。僕は以前勤務したクリニックで「漢方の外来」を担当しており、現在も定期的にさまざまな科の先生方と漢方の勉強会をしています。漢方は自然の生薬ですから副作用がある場合もありますが、体への負担が少ないのがメリットです。効くのに時間がかかると思われている方が多いのですが、即効性が期待できる漢方薬もあります。3年、5年と年単位で飲む漢方もありいろいろです。基本的にエキス剤で、院外薬局で処方してもらいます。

心と体、人と人、まちとひとをむすぶ地域の「居場所」

クリニック名「むすび」にはどんな思いがあるのでしょう?

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「心と体をむすび、人と人をむすび、まちとひとをむすぶ」が当院のモットーです。毎日午前と午後、外来が始まる前のスタッフとの打ち合わせの時間に全員でこの言葉を唱和しています。心身医学では心と体は不可分であること、また人と人、人間関係が非常に大事であることを常に意識するためです。特徴的なのは、「まちと人をむすぶ」というところでしょうか。人は社会の中で生きている社会的存在で、家族、会社、地域共同体など、その中での関係もうまく結んでいかないといけません。それもサポートしていきたいという意味です。さらには、おむすびの意味もあるんですよ。僕の好きな女性作家が作品の中で「おにぎり」のことを「おむすび」と書いているんです。愛情を込めたおむすび、のイメージですね。

先生は医師になる前は新聞記者だったそうですね。

新聞記者になったのは、新しいことに首を突っ込んだり動き回ったりすることが好きだったからでしょうか。夜討ち朝駆けもしましたし、当時は独身だった皇太子さまと登山もしました。やりがいはありましたが、当時交際していた妻が内科の医師で影響を受けた面もありますし、昭和天皇が病気になられたときに医学書を買いあさって勉強し興味を持ったことも大きいです。僕は一宮市で生まれ育ち、小さい頃から交通事故や扁桃腺、風邪などでお医者さんにはお世話になりっぱなしでご縁もあったと思います。記者をしながらセンター試験を受けたところ、1年間必死に勉強したら医学部がめざせるだろうと思い、10人中9人に無謀だと言われましたが挑戦したわけです。相手のトーンに合わせる、コミュニケーションを大切にする、という今の診療姿勢は記者時代に身に付けたことが役に立っていると思います。

開院して約4年、これからの展望と読者へのメッセージをお願いします。

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地域に愛され、常に地域の皆さんとともに歩む医院でありたい思います。ここが「いつ来ても先生がいる」と認識され、病気や悩み、不安を持つ人たちの居場所になれば。長いお付き合いになる患者さんも多いのですが、僕としては、患者さんはいつか良くなって「卒業」してほしい。患者さんから感謝の言葉をいただくと本当にうれしいですね。「卒業」のときは顔が別人のように明るくて、しっかり握手を交わすんです。僕は「記者(KISHA)」から「K」を取って「医者(ISHA)」になりました。同じように「K」を取って、何か困ったら「小出(KOIDE)」の所に「おいで(OIDE)」と言っています。おあとがよろしいようで(笑)。

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