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長谷川 滋人 院長の独自取材記事

はせがわ明安堂クリニック

(京都市伏見区/中書島駅)

最終更新日:2020/07/16

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伏見区下鳥羽南柳長町にある「はせがわ明安堂クリニック」は、心臓外科の医師として研鑽を積んできた長谷川滋人院長が、呼吸器疾患、循環器疾患を中心に、風邪や腹痛などの内科疾患、ケガや火傷などの外科領域まで幅広く診療しているクリニックだ。クリニック前には広い駐車場、院内はスリッパに履き替える必要のないバリアフリー仕様で、車で通院する人、車いすを利用する人の利便性を重視した空間となっている。クリニック名にある「明安堂」は先祖代々継承してきた医院屋号で、長谷川院長で11代目になるのだという。長いクリニックの歴史とともに紡がれてきた医療者たちの思いをも引き継いだ長谷川院長に、これまでのこと、医療者としての思いを聞かせてもらった。
(取材日2020年6月23日)

歴史あるクリニックと先代たちの思いを継承

待合室にある「明安堂醫院」の木製看板は代々引き継がれてきたものなのですか?

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当院は代々「明安堂」という屋号を継承しています。私の父も祖父も曽祖父も、そのまた前も、皆医師として働いてきました。古くは佐賀の鍋島藩で御典医をしていたと聞いています。飾ってある看板は明治初期のもののようで、父が保管していたものです。正直にお話しすると、私は自分が開業医になるとはあまり思っていませんでした。しかし、父が急逝したのをきっかけに、代々大切に守られてきた「明安堂」の名と地域医療の火を消したくないなと考えるようになり、クリニックを継承することにしたのです。その時の気持ち、医療に身を捧げてきた自分のご先祖さまたちの思いを忘れないように、この看板を飾っています。

継承前はどのようなお仕事をされていたのですか?

1983年に医師になりましたので、38年この仕事を続けてきましたが、最初の20年は呼吸器外科、心臓血管外科、小児心臓外科のトレーニングを積み、大阪医科大学の須磨久善先生のチームに所属し、先進の術式のバチスタ手術に参加したりしていました。大学病院では手術と全身管理、臨床研究に明け暮れ、多くの時間を患者さんのベッドサイドで過ごし、月に数日しか家に帰ってないという時期もありました。今思い返しても、怒涛の日々でしたが、その日々に経験させていただいたこと、患者さんに教えていただいたことのすべてが今の私の基礎になっています。大学病院を退職してからは、10年ほど総合病院の副院長・胸部心臓センター長として、救急、循環器、呼吸器外科指導の傍ら、特に内科・循環器内科、呼吸器内科の臨床経験を積みました。

心臓外科分野の先端で難しい手術を経験されるなど、内容の濃い日々を過ごされていたのですね。

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そうですね。毎日が深い学びの日々だったと、今振り返っても思います。須磨先生から多くのことを学ばせていただいたことはもちろんですが、何よりも患者さんから本当にたくさんのことを教えていただいたと思っています。書籍でも学ぶことはできますが、やはり実際に経験することはかけがえがないものです。予想もつかない急変、驚くような回復、さまざまな合併症、家族の不安、患者さんの心情の変化など、そのすべてを実際に経験し、対応してきました。無我夢中の日々でしたが、あの時代の経験がなければ、確実に今の自分はいません。

医師としての原点に戻り、患者に寄り添った診療を

実際にご自分でクリニックを始めて、勤務医時代との違いを感じることはありますか?

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大きな病院で外科医師として働いていると、お会いする患者さんはすでに診断や検査が一通り済んだ状態です。自分の体がどんな状態で、どんな手術をするか、すでに説明をされ、手術を受け入れた状態なんですね。でも、ここではそうではなくて、私が診断をし、必要な検査をしなくてはいけません。患者さんにも病気や手術を受け入れてもらえるように説明もしなくてはいけない。なんというか、医師としての原点に戻っているように思いますね。より患者さんの心の深い部分に寄り添わなくてはいけないし、自分がいる場所は、患者さんの命を救うためのスタートラインなんだなと感じています。

さまざまな経験をしてきた今、先生が診療の中で大切にしていることは何ですか?

患者さんの立場に寄り添った診療すること。そして、自分の持てる知識、経験をフルに使って患者さんをよく診ることです。患者さんは本当に一人ひとり違います。たとえ主訴が同じであったとしても、その原因が同じであるとは限りません。ですから、それぞれの患者さんにフォーカスしてよく診る。よく診るためには、よく見て、よく話を聞きます。患者さんが診察室に入ってきた瞬間から、自分の五感をすべて使ってよく観察し、丁寧に患者さんの訴えを聞く。そして、しっかりと診断をして、説明をする。入院やより専門的な診断や治療の必要性のある場合は、ネットワークを駆使して紹介も行い、患者さんに合わせた最善の治療を行えるように常に心がけています。

歯科口腔外科クリニックとも密接に連携されているそうですね。

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最近では、口の健康が全身にも影響を及ぼしていると広く知られるようになってきました。糖尿病など生活習慣病との関係もそうですが、実は心臓の手術をする前にも、まず口の中を徹底的に良い状態にします。口腔中に虫歯や歯周病の菌が多数存在しているとリスクが高いため、手術を行うことができません。皆さんの想像以上に、口腔衛生を保つことは大切なことなんです。そこで、2019年に法人で歯科口腔外科クリニックを併設し、医科歯科連携をより密なものにしました。現在は、私の娘夫婦が診療していますので、非常にこまめにミーティングしていますし、食事のテーブルで意見交換をすることも。お互いにそれぞれの専門分野に対して尊敬しながら連携していますので、非常に心強いです。

医師としてできることを追求し、すべての人に恩返しを

新型コロナウイルスの流行で通院に不安を感じる人も多いと思うのですが、衛生管理についてはいかがですか?

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私はもともと外科医師として手術もしてきましたので、衛生管理について身についている部分があるんですね。その一つが「きれい」と「汚い」を徹底して分けることなんです。そして、その「汚い」部分を消毒するなどして「きれい」にしていくことが大切なんです。そういったことを踏まえて、受付のシールドパネルの設置、待合室のレイアウト変更や雑誌等の撤去、院内での待ち時間が少なくなるように予約時間を調整し、さらに車内や自宅での待機と呼び出しができるようにしました。ご来院いただく際のマスク着用や手指のアルコール消毒のお願いや、風邪症状の患者さんの分離対応ももちろん行っています。また動線の中で多くの患者さんが触れるところは、定期的にアルコール消毒をし、「きれい」を保てるように努力しています。

スタッフの方が丁寧に消毒されている様子を見て、徹底されているのだなと思いました。

もちろん、ここはクリニックですので病気の方が多くいらっしゃいます。無菌室のように「完全に無菌」という状態はなかなか難しいです。しかし、クリニックとして病気を治療するだけでなく、予防することも大切な医療だと考えています。足を運んでくださった患者さんを新型コロナウイルス感染の脅威から守っていきたい。それは医療機関としての務めですし、私たちの大きな決意でもあります。患者さんにご不便をおかけすることもあるかと思いますが、ご理解ご協力よろしくお願いします。また、熱発や咳で来院に気が引ける方や感染が心配な方に関しましては、オンライン診療が可能ですのでご相談ください。

それでは最後に、先生の今後の展望を聞かせてください。

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私もすでにベテランと言える年齢ですので「医療者として何か大きなことを成し遂げてやろう」といった大きな野望のようなものはありません。今、私が願っているのは「少しでも誰かの役に立ちたい」ということです。一人の人間として、これまでに受けてきた恩を返していきたい。医師になって、多くの患者さんと過ごしてきた中で、患者さんたちが身をもって私に教えてくれたことは本当に計り知れません。その一つ一つを大切に、医師としてできることが何かを常に自分に問いかけながら、目の前の患者さんに還元していきたいと思います。

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