睡眠時無呼吸症候群は
心臓や血管にも影響する病気
熊谷医院
(川崎市川崎区/小田栄駅)
最終更新日:2026/07/14
- 保険診療
睡眠時無呼吸症候群は身近な病気でありながら、寝ている本人は無呼吸やいびきに気づきにくく、見過ごされやすいのが現状だ。「熊谷医院」の倉田篤院長によると、受診のきっかけの多くは、家族からの「いびきがうるさい」などの指摘だという。さらに心臓血管外科に長年携わってきた倉田院長は、睡眠時無呼吸症候群の大きな問題点として“心臓や血管の病気への影響”を挙げる。無呼吸により酸素不足・二酸化炭素増加の状態が続くと心臓に過度な負担がかかり、高血圧症・心筋梗塞・脳卒中など重大な疾患のリスクが高まる。さらに自律神経の乱れを招き、これらが早朝高血圧の原因となることもあるそうだ。今回は倉田院長に、睡眠時無呼吸症候群を放置するリスクについて、また以前よりも受けやすくなったという検査や治療についても教えてもらった。
(取材日2026年7月2日)
目次
睡眠時無呼吸症候群の放置は危険。無呼吸状態が心臓に負担をかけ、循環器疾患のリスクを高めることも
- Q睡眠時無呼吸症候群の症状について教えてください。
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A
▲睡眠時無呼吸症候群は家族の指摘で自覚することも多いという
舌が喉に落ちて大きな「喉いびき」をかいたり、文字どおり睡眠中に呼吸が止まったり浅くなったりしますが、睡眠中のことなのでご自身では気づきにくいでしょう。実際、受診のきっかけで多いのは、「いびきがうるさい」などのご家族からの指摘です。自覚できる症状としては、睡眠が十分に取れないことによる「日中の眠気」が挙げられます。また体の中では、呼吸の停止による体内の酸素の不足・二酸化炭素の増加により、そのたびに脳圧・血圧や心拍数が急激に変動しています。さらに自律神経の乱れを招き、これらが早朝高血圧の原因となることもあるのです。
- Q放置するとどのようなリスクがありますか?
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A
▲循環器と睡眠時無呼吸症候群の関係を丁寧に説明する院長
慢性的に酸素不足・二酸化炭素増加の状態が続くことで心臓に過度な負担がかかり、高血圧症・心筋梗塞・脳卒中など重大な疾患のリスクが高まります。また、夜間の神経バランスの乱れが、心房細動など循環器の病気につながることも。このように睡眠時無呼吸症候群が及ぼす心臓や血管への影響は大きく、見逃されがちな疾患でありながら命に関わることさえあるのです。また日中の眠気は仕事の効率を下げますから、社会にとっても損失だといえるでしょう。もし運転や機械操作を伴う職種だった場合、大きな事故につながる恐れもあります。ご家族からのいびきの指摘や日中の眠気を軽視せず、思い当たることがあれば早めに検査を受けてください。
- Qどの診療科に相談すればよいでしょうか?
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A
▲循環器を専門とする医師の視点で睡眠状態の検査・診断を行う
耳鼻咽喉科、呼吸器内科、循環器内科。この3つの中でかかりつけの先生がいれば、もしくはその診療科に関する心配な症状がほかにもあるならば、まずはそちらに相談してみてください。無理なく治療が続けられるような、通いやすいクリニックを見つけられるとよいですね。私は循環器内科を診ていますが、先ほど挙げたとおり循環器疾患と睡眠時無呼吸症候群との関連性は高いです。そのため、不整脈や心房細動の患者さんに対しては睡眠時無呼吸症候群であるかどうかのチェックを必ず行います。逆に言えば、不整脈や心房細動の原因が睡眠時無呼吸症候群にある場合、それを治療することで心臓の状態が改善に向かう望みもあるということです。
- Q検査や治療についても教えてください。
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A
▲検査結果をもとに、一人ひとりに適した治療方針を提案
専用の検査機器をご自宅に持ち帰り、それを一晩装着してもらいます。そこから無呼吸の時間などのデータを医師が解析し、必要な治療に進む流れです。以前は宿泊を伴う二次検査も必要だったのですが、睡眠時無呼吸症候群については国も問題視しており、現在では検査や治療のハードルがだいぶ下がりました。それだけ「放置してはならない病気」だということですから、積極的に検査を受けてほしいと思います。治療の主流は、睡眠時にマスクを装着して気道を開くことを図る「CPAP(シーパップ)」です。そのほかに心臓や血管の病気、鼻炎、頸椎などの問題が見つかれば、該当する診療科でそちらの治療も行います。
- Q治療が始まったら、どのようなことに気をつければよいですか?
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A
▲患者に寄り添いながら長期的な健康管理を行う
「CPAP」は毎日装着し、定期的に医師の診察を受ける。治療はこのサイクルで進みます。その中で血圧の変化や睡眠の状態を確認し、場合によっては高血圧症の薬を調整することもありますね。日常生活で心がけてほしいのはダイエット。というのも気道がふさがりやすくなる要因の一つが、首周りや喉の脂肪によるものだからです。特に仰向けで寝ると、ご自身の喉を脂肪と舌でふさいでしまう形になります。喫煙も睡眠時無呼吸症候群を悪化させる原因になるかもしれません。このように、経過を見ながら問題点を一つ一つクリアして、関連する疾患も含めてできるだけ良い状態を保っていくことをめざすのが、睡眠時無呼吸症候群の治療です。

