心臓に負担をかける不整脈
早期治療や予防で重症化リスクの低減を
にこにこハート内科クリニック
(東松山市/東松山駅)
最終更新日:2023/11/14


- 保険診療
心臓の拍動リズムに異常がある状態を「不整脈」という。不整脈には、脈拍が速くなる「頻脈(ひんみゃく)性不整脈」、遅くなる「徐脈(じょみゃく)性不整脈」、リズムが速くなったり遅くなったり不規則になる「期外収縮」などあり、症状によっていくつかの種類に分けられる。自覚症状の有無もケースによりさまざまで、放置すると心不全や脳梗塞など重篤な疾患につながる可能性もあるそうだ。そこで、大学病院で不整脈の治療と研究に長年携わってきた「ニコニコハート内科クリニック」の瀬崎和典院長に、不整脈の種類や、体に及ぼす影響、治療法について解説してもらった。
(取材日2019年9月30日)
目次
気になる症状があれば早めに受診し、早期の治療で心臓にかかる負担低減を。規則正しい生活が予防の鍵に
- Q不整脈には、さまざまなタイプがあると聞きました。
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A
▲瀬崎院長は、地域密着型の医療にも尽力する
心臓は全身に血液を送るために、一定のリズムで収縮と拡張を繰り返しています。この拍動のリズムが乱れている状態を「不整脈」といい、その中でも最も多いとされているのが、急に脈が飛ぶ「期外収縮」です。健康診断で指摘されやすい不整脈ですが、多くの場合は、経過観察と診断されます。治療が必要なのは心筋梗塞や狭心症などの心臓病に起因する「心原性不整脈」で、中でも「心室細動」は突然死の大半を占める危険なものです。
- Q不整脈に自覚症状はありますか?
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A
▲さまざまな設備が充実しており、安心して検査や治療が受けられる
脈が速くなる「頻脈」の場合は、動悸や息切れが症状として現れます。逆に脈が遅くなる「徐脈」の場合は、失神やめまい、目の前が暗くなるなどの症状が現れます。自覚症状がまったくない人や、不整脈が起きてはすぐに治まることを繰り返しているためになかなか症状に気づけない人もいます。不整脈は長く放置すると心臓がダメージを受けて心不全に陥ったり、血栓が生じて脳梗塞を招いたりすることがありますので、気になる症状があれば早めに医療機関を受診し、検査や必要な治療を受けることが大切です。
- Q不整脈の原因は何ですか? 発症予防はできますか?
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A
▲発症予防についても相談できる
不整脈が起こる原因は幅広く、加齢や病気によるもの、そのほか、肉体的な疲労や精神的なストレス、喫煙、睡眠不足、アルコールやカフェインの取り過ぎなども不整脈を誘引します。そのため、働き盛りの世代に起こることも少なくありません。また、高血圧などの基礎疾患も不整脈のリスクファクターとなりますので、規則正しい生活を送ることが予防につながるといえるでしょう。ストレスを減らし、飲酒・喫煙はなるべく控え、普段から十分な睡眠を取るように心がけてください。
- Q不整脈の検査方法は? また不整脈と診断された場合の治療法は?
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A
▲先進の検査機器を用いた精密検査を行う
不整脈が疑われる場合、24時間心電図を記録するホルター心電図や、イベントレコーダー、超音波診断装置、AIシステムが搭載されたレントゲン装置などの検査機器を用いた精密検査を行い、その結果をもとに診断します。期外収縮の場合は、特に症状がなければ様子を見ます。症状が強かったり、不整脈の頻度が高かったりといった場合は、投薬治療やカテーテル治療を行います。なお、頻脈は心臓に細い管を挿入して発生源を焼き切ることをめざす「カテーテルアブレーション」という治療法、徐脈は体内にペースメーカーを植え込んで拍動のリズムを調整することをめざす治療法が一般的です。