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瀬崎和典 院長の独自取材記事

にこにこハート内科クリニック

(東松山市/東松山駅)

最終更新日:2019/08/28

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「にこにことしたみなさんの笑顔をたくさん見ることができるように、医療活動を続けていきたい」と優しく微笑みながら語るのは、2014年1月に東松山市に開院した「にこにこハート内科クリニック」の瀬崎和典院長。長らく東京大学医学部附属病院第2内科で不整脈治療を考究。急性心筋梗塞や心不全の手術に昼夜を問わずあたり、数多くの患者を救ってきた。だが東日本大震災直後、地域医療が完全に崩壊した現場を目の当たりにし「病院で待つのではなく、より地域に根ざした医療を実践したい」と決意。医療過疎が進む、この地での開院に至ったのだという。静かな生活を好み、訪れる患者と語らうその姿は、「観想な生活にこそ人間の幸せはある」と述べた古の哲学者その人であった。
(取材日2014年10月16日)

「町のお医者さん」として、できることを一生懸命に

2014年1月に新たに開院されたクリニックと伺いました。

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開院してすぐに大雪に降られましてね。ここは、60センチも積もったんですよ。玄関の階段も雪で埋もれて、作ったばかりの自転車置き場の屋根も、折れてしまって(笑)。雪かきしようにもスコップもないですし、本当に途方に暮れました。そうしたら、ご近所さんがみんな道具を貸してくれて、手伝ってくれたんです。ありがたいことに、本当にいろんな方に助けていただいています。

どんな方が来院されるのでしょうか?

やっぱりお年寄りが多いですよね。日々の困っていることを拝聴して、何か協力できるところはないかなと考えるのが僕の仕事です。実は、埼玉県でも西の方はお医者さんが少ないんですよ。この街も循環器の先生がゼロではないけれど、ほとんどいらっしゃらないんです。だから少しでも役に立てればなと思いまして、この地での開業を決めました。2年前までは、こうして開業するなんてまったく意識していなかったんです。僕にとってはまるっきり経験がないことだったし、知識もありませんでした。

先生の意識に変化があったということですか?

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ひとつのきっかけになったのは、先の東日本大震災です。震災直後に岩手県に向かいましたが、地域医療が完全になくなってしまっていて……。東京に戻ってからも、ずいぶんと考えさせられました。その当時は、新山手病院の循環器病センター長をしていました。日中は外来の患者さん、夜は救急車の受け入れをして、1人じゃすまないぞとなれば若いドクターも呼んで治療にあたって、平日は病院に寝泊まり、週末だけ自宅に帰るという生活をずっとしていました。しかし、こうした救急病院は、基本的には受身なんだなと思いました。患者さんから頼られて治療するという流れができあがっているわけです。だけど僕もだんだん年をとってきて、自分の体力もなくなってきている。できる範囲内のこともせばまってきたと。そのなかで、最大限できることは何だろうかと考えるようにもなりました。それならば、もう待っているだけではなくて、町のお医者さんとして、できることを一生懸命やりたいなと思うようになったんです。

病気をただ「治す」のではなく、病気そのものを「防ぐ」医療を

医師としてのやりがいを教えてください。

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やっぱり一次予防に徹せられて、最悪の事態を未然に防ぐことができるのが、一番のやりがいですよね。それまでの僕の治療っていうのは、病気が起こってしまった後の結果を治す、いわば二次予防です。心筋梗塞なら血栓を取り除いて再開管理をする。重症の不整脈が起きたら、原因になっている細胞をカテーテルでやいたり、ペースメーカーを入れる。いずれにせよ、病気を防ぐことそのものはできなかったことですよね。やっぱり今が一番、楽しいですよ。

平日の夜は、今も病院に泊まられているそうですね。

緊急のときには病院を開けられるようにしたいですし、田舎の方でひっそり静かに過ごすのが好きなんです。おなかがすいたら近くのお店やコンビニで助けてもらって、温泉にゆっくり入るのが一番。埼玉の西の方は、温泉がいっぱいあるんです。お気に入りは、宮沢湖温泉。玉川温泉もいいけど、夏はちょっと熱くて、冬はちょうどいいんですよ。そうして温泉に浸かっていると、病院がなくって困っている、地元の人たちの声が聞こえてくるんです。ですから困っている方々の力にならなくてはと、開業前はよく思ったものです。

本当に、来院する方の気持ちを第一に考えてくださるんですね。

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でも家庭人としては失格ですよね(笑)。週末しか帰らないし、家事だってろくにやってないし。僕には娘がいるんですけど、苦労も多いから医師にはならないように、小さい頃からいろんな本を読ませていたんです。「ばっちいものを触るとムシムシが出てきちゃうんだよ〜」なんて話しながら、寄生虫の写真を見せたりして(笑)。それに僕は一週間にいっぺんしか家に帰らないので、きっと娘は自分で好きな職業を自由に選ぶだろうと思っていたら、なんと医学部に行きたいと言い始めて、今は医学部生になりました。うちの娘にも思いますが、患者さんと同じ目線を持たなきゃ医師はだめだと思うんです。患者さんと同じ目線で話を聞いて、ものを見なくては、フェアな評価はできない。だから、できるだけ患者さんの生活までも深く知るべきだと思います。

来院する人の元気な姿が一番の喜び

先生が医師を志したきっかけを教えてください。

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僕は、進路が早くから決断できなかったんです。ただ、ひっそりと過ごせるところを探して、高校3年生の進路相談では、理学部の天文学科に第一志望を出していました。そうしたら教務の方に呼び出されちゃって。「どうやって食べていくつもりなんだ」って。いや、それこそ国立天文センターか、ハワイの火山のてっぺんか。どうなるかわからないけど、まあまあ気楽な商売でいいんじゃないですかなんて言ったら、「食べていけないよ」って返されてしまって。「本読むのが好きか、人に会うのが好きか」「それなら法学部か、医学部がいいんじゃないか」と示唆されたんです。そう言われたらしかたないな、食べていけないんじゃ困るからと思って、当面医学部にいってみようと思ったんです。たださすがに入ってからは、この仕事はそんな片手間にできるわけじゃないですし、理念がなかったらできないと思って、今に至っています。もし最初の希望どおり天文学部に進んでいたら、今頃どうなっていたんでしょうね(笑)。今でもその当時お世話になった教務の方とは、年賀状のやりとりをする関係です。

医師としての喜びを教えてください。

今になって思うと、やっぱり医学部は一番地道ですね。地道に患者さんを治すのが、僕たちの役目ですから。来てくれる患者さんに徹せられるっていうのは、ありがたい仕事だなと思っています。何より臨床には、患者さんが元気になっていく姿を直接肌で感じられる喜びがあります。これは論文を書いているだけでは絶対に味わえないものです。みなさんお困りのことはたくさんあるかと思いますし、できる最大限のことをほどこして、あとから一緒に振り返ったときに「最初よりもずいぶん良くなってきたね」「そうだね」とお話できることが、本当にありがたいなと思っています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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病気になってから病院に行くだけでなく、病気を未然に防ぐためにも日々の生活習慣に気をつけることが大切です。長年にわたって血圧の病気を薬で抑えていても、生活習慣を見直し、食事療法や運動療法を行うことで薬を飲まなくてもよ くなることもあります。近年増加している生活習慣病は、日々の食事を見直したり、定期的な運動をしたり、根本にある自分の生活習慣を見直すことで病気になるリスクを減らす事ができます。また当院では、運動負荷試験で、狭心症の診断に用いたり、運動によって誘発される不整脈の検出が可能です。その他、24時間ホルター心電図や、胸痛や動悸が不整脈や心筋虚血によるかを調べるためのイベントリコーダー、脈波検査での血管年齢の算出など、循環器疾患の病気の発見や、正確な診断のためのさまざまな精密検査を行える設備を整えています。健診で心電図異常や心雑音を指摘された方は心臓エコー検査でなにか心臓に病気がないか確認させていただくことは非常に大切なことです。たとえ病気になってしまったとしても、早期発見することが重要なので、一年に一度でも、健康診断を受けたり、かかりつけの医師に診てもらうなどして、自分の健康状態を正確に把握しておくことを心がけてほしいですね。根本にある自分の生活習慣を見直すこと、病気になってしまった場合には症状が軽くても出来るだけ早くに診察を受けてもらえたらと思います。

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